no.176
MOTORHEAD(モーターヘッド)U.K.
どもどもー
今回はモーターヘッドでございます。
正式なバンド名表記は
“motörhead”と全て小文字、2コ目のoの上に
ウムラウトが付けられています。
ヘヴィ・メタルと呼ばれるバンドは数多くあるが、
そのうちのいくつかは「メタル・ゴッド」、
「メタルの権化」などと形容され、
別格の扱いをされている。
このモーターヘッドもそのうちの一つ。
しかしながら。
私は彼らの作品のごく一部しか聴いていないが、
“メタル”という語感とはややかけ離れた
印象があります。
どちらかというとスピードや勢い重視の、
ロックンロール・バンドという印象の方が強い。
これは、バンド創始者で、その存在こそが
モーターヘッドそのものとも言える
レミー・キルミスター本人もそういう意識でいたようだ。
実際、彼らの黄金期はパンク、ニューウェーブ
全盛の頃であり、ハード・ロックといえば
新ジャンル勢からは”オールド・ウェーブ”
などと揶揄されるなど批判の対象だったが、
モーターヘッドはあまり槍玉に挙げられる事は無く、
むしろ尊敬される存在でもあったようだ。
あまり親和性が無さそうに見える新ジャンルと、
HR/HMの垣根を取っ払ったような、
そんな稀有な存在だったのかも知れません。
モーターヘッドの結成は1975年。
正式デビュー時のメンバーは
・Lemmy Kilmister(レミー・キルミスター)vo,b
・”Fast” Eddie Clarke(“ファスト” エディ・クラーク)g
・Phil “Animal” Taylor(フィル”アニマル” テイラー)ds
の3人だが、この時点で既に
結成時のメンバーとは異なっている。
創始者レミーは元ホークウィンドのメンバーだった。
ホークウィンドはサイケ、プログレ、ハード・ロック
といった音楽性を持つイギリスのベテランバンドで、
“スペース・ロック”などとも形容された。
そのホークウィンドを’75年に解雇されると
すぐに自身のリーダー・バンドを結成。
それがモーターヘッドになった。
’75年には1stアルバム用にレコーディングをしていたが
お蔵入りになってしまい
(’79年に『On Parole』として陽の目を見る)、
’77年の『Motörhead』が正式デビュー・アルバムとなった。
まあ、私の好みドンピシャかと言うと
そうではないのでちょっとしか持ってませんが、
所有アルバム紹介と行きましょう!
オリジナル・アルバム
・Overkill(1979/2nd/国内CD)
好き度★★★★☆
猪突猛進型ロックンロールが炸裂する快作。
ジャケットにはお馴染みのキャラクターが描かれているが、
これ豚さんだったのね、初めて知ったよ。
まず、ヘヴィ・メタルというにはあまりに音が軽い!
けっして悪い意味で言っているのではなく、
コレが持ち味なんだと思う。
低音が効いておらず、スカスカなのは
むしろパンクや、後のスラッシュの方に近いのでは?
まあ、昔のヘヴィメタルのレコードを今聴くと、
驚くほど音がスカスカなんてのは
よくありますがね。
レミーのトレードマークである
リッケンバッカーのベースをオーバードライブさせた音は
ギターと区別がつきづらく、
エディ・クラークのギターと
ツイン・ギターのように使われる場面もある。
本作はかなりスペイシーなミキシングがされており、
これは長年『Ace of Spades』くらいしか
聴いていなかった私には少々意外に感じた。
他のアルバムももう少し聴いてみたいな、と思って
去年くらいに買ったばかりなのが本作なのです。
ボーナストラックではあるが、
「Louie,Louie」のカヴァーを収録。
こういう可愛らしい曲をこの極悪サウンド?
でやってしまうセンス、好きですね~
・Ace of Spades(1980/4th/国内LP)
好き度★★★★☆
よく最高傑作として引き合いに出される1枚。
タイトル曲①「Ace of Spades」は恐らく
バンド史上最も有名な曲なのでは?
私は20代の頃コピーした事があるけど、楽しいよ(^^)
国内新品LPで買っているので、
’80年代、私が10代の頃です。
かなり本作は好きだったが、何故かその後
他のも揃える気にならず(ライブ盤は買ったが)、
長年まともに聴いたアルバムは本作のみでした。
『Overkill』のスペイシーなサウンドを意外に感じたのは
本作が一瞬まるでモノラルなのか?と思うほど
音が中央に集められ、密集状態になっていたから。
空間的エフェクトや、左右の音の広がりは
極力抑えられている。
その分、パワー、スピードといった彼らの魅力が
よりダイレクトに感じられる…のかも。
・Sacrifice(1995/12th/国内CD)
好き度★★★☆☆
これは頂き物です。
’90年代のモーターヘッドに、
申し訳ないがそれほど興味は無かったが、
好きなバンドではあるし貰えるなら貰っとこう、
くらいの気持ちで頂きました。
レミー以外のメンバーは全員交代しており、
レミー以下
・Phil Campbell(フィル・キャンベル)g
・Michael “Würzel” Burston(ワーゼル)g
・Mikkey Dee(ミッキー・ディー)ds
の4人編成、ツイン・ギターとなっている。
’95年という時代もあってか、
かつてのスカスカ・サウンドではなく、
かなり重低音の効いたヘヴィーなサウンドになったし、
曲調もまたしかり。
しかし、不思議とレミーの独特のしゃがれ声と
歪んだベースがあれば違和感は無い。
なかなかの好作品でした。
ライブ・アルバム
・No Sleep ‘Til Hammersmith(1981/国内CD)
好き度★★★★☆
ロック界にはライブ・アルバムの傑作、
名作と呼ばれる作品がいくつかあるが、
本作もそのうちの一つ。
かつては『極悪ライヴ』という邦題がついていた。
初めから終わりまで、爆音で疾走する
彼らのライブの魅力が良く伝わるまさに名盤!
また、レミーのベースの使い方もよくわかる。
ところで、フィル”アニマル” テイラーという
全盛期を支えたドラマー。
この人、私は全然上手いと思わないんだけど、
しかしこの人でないと出せない何かがあるのだろう。
’84年に一度バンドを離れるが’87年に復帰、
’92年までドラマーを務めた。
確かに、スピード・ナンバーでの
少々危なっかしい??と思えるような
独特のノリは唯一無二だったかも知れない。
御大レミーは2015年に死去。
他の全盛期メンバーも全員が鬼籍に入り、
残ったメンバーにより活動終了が宣言された。
ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!
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