no.187

THE NICE(ザ・ナイス)U.K.

ごきげんよう!

先月末からまた遅筆になってしまいました。
まあ理由があるんですが、
それにはまたおいおい触れるとして…

ザ・ナイスです!

ザ・ナイスといえば、
エマーソン・レイク&パーマー(ELP)の
キース・エマーソンがELP結成前に
在籍していたバンドとして有名。

デビュ-は1967年末と古い。
元々はアメリカ出身の女性ヴォーカリスト、
P・P・アーノルドのバック・バンドとして’66年に誕生。
その後バンドとして独立、
’67年末にシングルで、
翌’68年にアルバムでデビューを飾る。

キース・エマーソン在籍とあって、
よくELPの雛形的な評価をされている。

確かに、いくつかのモチーフはそのままELPに
持ち込まれたりしているし、
またクラシックを楽曲に取り入れたりと
ELP的なアプローチもあるにはあるが、

その音楽性はELPとは違い、
ブリティッシュ・ビート色を強く残した
ハード・サイケといった方が近いかも知れない。
まあ’67~’68年の相当な音と言っていいんじゃないかな?

そもそもデビュー・アルバムは
ギタリストを含めた4人組であり、
そこからして違う。

デビュー時のメンバーは
・Keith Emerson(キース・エマーソン)key,vo
・David O’List(デヴィッド・オリスト)g,vo
・Lee Jackson(リー・ジャクソン)b,vo
・Brian Davison(ブライアン・デヴィソン)ds
の4人。

リード・ヴォーカルは主にジャクソンが担当したが、
一部の曲ではエマーソンまたオリストも
歌っていたらしい。

では所有アルバム紹介です!
一応私は全部持っている事になる。
オリジナル・アルバムは3枚しか無いけどね!

・The Thoughts of Emerlist Davjack(1968/1st/国内CD)

好き度★★★★★
邦題は『ナイスの思想』。
原題にある人物名、Emerlist Davjackとは
メンバー全員の名前を組み合わせて作ったもの。

いやー、私は好きですね、コレ。
ザ・ナイスっていうと、どうしても
キース・エマーソンがELP以前にやってたバンドだよ、
興味あるなら聴いてみれば?的な
紹介のされ方が多い気がするんだけど、
自分的には相当好き。

なんか、他のメンバーの力量もイマイチとか
線が細いとか言われがちだけど…

例えばリー・ジャクソンの独特なベース・ラインと
ヴォーカルが意外にツボる。

デヴィッド・オリストのギターも、
キース様がいるにもかかわらずかなり目立ってるし。

ブライアン・デヴィソンのドラムもなかなかに
パワフルですよ。

キース様のキーボード・ワークは言わずもがな。

そして何より、曲がイイ。

オープニングの①「Flower King Of Flies」から、
もうビート・サイケ全開!これと続く
②「The Thoughts Of Emerlist Davjack(ナイスの思想)」
はヴォーカルがオリスト。

エマーソンがその後も長く演奏し続けた
④「Rondo」も収録。

⑥「Tantalising Maggie(じれったいマギー)」が
個人的に超ツボ!
コード進行の間を縫って下降を繰り返すベース・ラインと
各行の語尾をいちいち伸ばすヴォーカルがクセになる。

青春映画のエンディングテーマにもなりそうな
ラストの⑧「The Cry of Eugene(ユージンの叫び)」
も素晴らしい!

私の持っているテイチク発売の国内盤には
シングル「America」のモノラル・ミックスが
ボーナストラックで追加収録されている。
レナード・バーンスタイン作曲、
映画『ウエスト・サイド物語』で使われた曲だが
これをナイスはラウドなインスト・ナンバーに
アレンジした名演。

この曲にはステレオ・ミックスも存在する
(多分演奏は同じもの)。
ステレオの方が当然音の広がりがありゴージャスだが
モノラルの方が音が塊のように迫ってくる。
特にイントロの後、一斉にリズム隊やギターが
入ってくるときの爆発力はモノラルの方が
インパクトがあるように思うが、
これも好みは人それぞれですね。

・Ars Longa Vita Brevis(1968/2nd/国内CD)

好き度★★★★
邦題は『少年易老学難成』。
ギターのオリストが抜け、
キーボード・トリオとなって最初のアルバム。

ブリティッシュ・ビート&サイケという
基本路線は前作とあまり違わないが、
よりクラシカルなモチーフを前面に押し出したり
ジャジーな一面も見せる。

②「Little Arabella」でもジャクソンの
語尾伸ばしヴォーカルが聴ける。
この人、伸ばす時のセンスいいな~

③「Happy Freuds(陽気なフロイド)」もまた素晴らしい楽曲。
ここでもジャクソンの下降ベース・ラインが活躍。

ちなみにこの③と①「Daddy, Where Did I Come From?
(何処から来たのだろう)」の全て、
さらに②の中間部のヴォーカルはエマーソン。

タイトル曲でもある⑥「Ars Longa Vita Brevis」は、
いくつかのクラシックのモチーフと
オリジナルを組み合わせた19分に及ぶ大作で、
オーケストラとも共演した意欲作。

・Nice(1969/3rd/輸入CD)

好き度★★★☆☆
原題はシンプルだが、邦題は
『ジャズ+クラシック/ロック=ナイス』。
よく考えるよねー😄

本作は旧アナログレコードのA面に
スタジオ録音を4曲、
B面にライブ音源を2曲という内容。

決して悪くはないが、
なんとなくバンドのテンションが落ちてきてるな、
という印象は否めない。
全体的な造りも寄せ集めっぽくなってきてるし。

しかしライブ音源2曲はイイ!
⑤「Rondo ’69’」でのエマーソンの無尽蔵のプレイは
聴きごたえ十分。

本作リリースから5ヶ月後にはエマーソンは
グレッグ・レイクとELPを結成するため脱退、
ナイスはそのまま解散したが、
その後にも新曲を含む半編集盤、半ライブ盤
とでも言うべきアルバムが2枚出ている。

ジャクソンはその後
ジャクソン・ハイツ、レフュジーなどで活動。
レフュジーのドラマーはデヴィソン、
キーボードは後にイエスに参加する
パトリック・モラーツだった。

以上です!
ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!

追伸
昨日、オジー・オズボーン死去のニュースがありました。
メタル界の帝王、今月初旬には
20年ぶりにオリジナル・メンバーでの
ブラック・サバス再結成にして最後のライブを
行ったばかり。
なんと劇的な最期だろうか…
ご冥福をお祈りいたします。

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おざきゆうすけン家の棚no.187 THE NICE

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