no.131

JEFFERSON STARSHIP

(ジェファーソン・スターシップ)U.S.A

前回の続きです!

ジェファーソン・エアプレイン(JA)から
ジェファーソン・スターシップ(JS)へのバンド名は、
単純に途中で改名したのではなく、
カントナーのソロ・プロジェクトを元に
バンドに発展したのがJSだとの事。
少々複雑なのでその辺はウィ○ペディアさんが
頼りになります(笑)

・Red Octopus(1975/2nd/国内CD)

好き度★★★★
JSになってからの2作目。
ジャケットの文字の色は何種類かあるもよう。

制作メンバーは
・Paul Kantner(ポール・カントナー)g,vo
・Grace Slick(グレース・スリック)vo,key
・Marty Balin(マーティ・バリン)vo,g
・Craig Chaquico(グレイグ・チャキーソ)g
・Pete Sears(ピート・シアーズ)b,key,g
・David Freiberg(ディヴィッド・フライバーグ)b,key,vo
・Papa John Creach(パパ・ジョン・クリーチ)
・John Barbata(ジョン・バーベイタ)ds,vo

計8人の大所帯。
カントナー、スリック、フライバーグ、クリーチ、
バーベイタがJA最終ラインナップのメンバーでした。
バリンはJA時代にバンドを離れたが本作から復帰。

クリーチは何と1917年生まれ!
一方、チャキーソは1954年生まれ、
この時弱冠21歳と世代も幅広い。

サウンドは時代性か、
ややタイトでハードなものになっていて
後のハードロック化の予兆とも取れないこともない・・・?

JAのカウコネンもいいギタリストでしたが、
チャキーソも若いながらもかなり骨っぽく
弾きまくるギタリストで聴きごたえがあります。
特にハードロックっぽいサウンドでは彼のギターが
より活かされる気がします。

マルチプレイヤーを複数擁するので
サウンドも変幻自在。
中にはプログレっぽいインスト・ナンバーも
収録されています。

・Spitfire(1976/3rd/輸入LP)

好き度★★★★
漢字で「星船」と印字された東洋趣味の
ジャケットが印象的なJSの3作目。
高齢を理由に?クリーチは脱退しています。

ここでも伝統のコーラスワークが活かされていて、
組曲形式の⑤「Song to the Sun」などで堪能できる。

⑥「With Your Love」のようなモダンな
ポップ・ソングも持ち味の一つ。
こういう曲はバリン主導かな?

インスト面も充実した好作品。
ラストの⑩「Love Lovely Love」での
ファンキーな曲調のなか、
ソロともバッキングともつかない単音プレイを
終始繰り広げるチャキーソ(多分)のギターはお見事。

・Freedom At Point Zero(1979/5th/国内CD)

好き度★★★★
女性ヴォーカリスト、スリックは心身の状態を悪くし脱退、
またバーベイタも交通事故の影響で脱退。
バリンも去りました。

本作では
・Micky Thomas(ミッキー・トーマス)vo
・Aynsley Dunber(エインズレー・ダンバー)ds
を加えた6人編成となり、バンド史上初めて
男性のみの布陣となっています。

ダンバーはジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズ、
ジェフ・ベック・グループ、ジャーニー等を
渡り歩いてきた歴戦の猛者で、
とにかくヘヴィなグルーヴが特徴。
私が個人的に大好きなドラマーでもあります。

トーマスは、渋い声質や歌い方だったバリンに比べ、
より伸びやかなハイトーン・ボイスが特徴。

本作ではよりハードロック化が進み、
ここで聴けるサウンドはジャーニー、フォーリナー、
TOTOといったいわゆる”産業ロック”的なもの。
メンバーの顔ぶれを見ればそれも自然な流れだったか、
それとも時代を生き抜くための作戦だったか・・・

実際産業ロックだと揶揄もされたようだが、
しかしそこは才能ある作曲者・プレイヤーの集団。
単なる二番煎じのような作品にはせず、
伝統のコーラスワークも絡めながら
一級品に仕上げました。

・Modern Times(1981/6th/国内CD・LP)

好き度★★★★★
個人的な話ですが、本作こそが私のJS原体験。
これまた個人的な見解ですが、本作は
アメリカン・ハードロックの傑作であると思います。

捨て曲ゼロ。
前作で見せたハードロック路線をさらに突き詰め、
いい所を抽出したようなアルバムです。

①「Find Your Way Back」のカッコ良さに脱帽!
アメリカン・プログレ・ハードといった作風だが
とにかく決まっている。無条件にカッコいい。

また前作から参加のダンバーのドラムの音にも注目。
もともとヘヴィなドラマーだが前作よりもさらに
重たい音になっています。
②「Stranger」でのオシャレなドラミングもさすが。

またチャキーソのギターも相変わらずイイ。
④「Save Your Love」エンディングで
長大なソロを弾き倒すさまは実に「らしい」。
ハードロック・サウンドの中で嬉々として
弾き続ける姿が目に浮かぶよう。
見た目同様、華のある人です。

伝統のコーラスワークも随所に見られ、特にラストの
⑨「Stairway to Cleveland」では
破綻寸前のバンド・アンサンブルと相まって痛快!

産業ロック的作風ではあるし、
こんなものはジェファーソンじゃない、と
見る向きもあるでしょうけれど、
このアルバム単体で見れば、
“メインストリーム・産業アメリカン・ハードロック”
の傑作だなあと思うのです。

なお、心身の不調でバンドを離れていた
スリックがゲスト参加、トーマスとのデュエットを
聴かせています。
彼女はその後正式に復帰する事になります。

次回に続きます!
お付き合いいただきありがとうございました!

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おざきゆうすけン家の棚no.131 JEFFERSON STARSHIP

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