GRYPHON(グリフォン)U.K.

毎度どうも!
前回に続きイギリスのプログレ系、
グリフォンのご紹介です。
Gはプログレ多いね(^_^;)

このグリフォン、私にとって思い出深いバンドでもあります。
ちょっと導入がてらに昔話を・・・

グリフォンとの出会いは’80年代前半か半ば。
FMラジオ番組で流されたのがきっかけでした。
※当時はまだFM曲といえば東京FMとNHK-FMしか無かった。
79.5も81.3も無かったのだよ。

多分NHK-FMだったと思いますが、プログレ特集番組でした。
それも、有名どころではないマイナー系バンドを
中心にした選曲でした。

そこで流れたのがグリフォンの2ndアルバムの
タイトル曲、「真夜中の狂宴」だったのですが、
ラジオから聴こえてきたその音楽に衝撃を受けました。

20分近い大作で歌なしインスト、使われている楽器は
リコーダー、バスーン、クラムホルン、
ハープシコード等。古楽器のアンサンブル?
ギターもアコースティックギター。
ドラムも入ってはいるが、いわゆるバスドラム、
スネア、ハイハットの3点を使ってビートを刻むような
ロック的な使い方は皆無。
ホントに「打楽器」って感じ。

曲調もバロック音楽のようで、
当時中~高校生の私のキャパシティでは
クラシック音楽にしか聴こえなかった。
ロックにはこんなのもあるのか!?と驚きでした。

冷静に考えるとエレキベースやキーボード類が
しっかりと使用されてましたが、
インパクトが強くてそのことは気に留めてなかったです。

しかし最も気を引かれたのはその音楽の美しさ。
イマジネーションをかきたてられる
幻想的でドラマティックなその曲の虜になった私は、
その番組をエアチェックしたカセットテープを
何度も聴き返しました。
※エアチェックとは、ラジオ放送をカセットテープ等に
録音すること。もはや死語となって久しい・・・
余談ですがその番組で同時に紹介されていたバンドに
ドイツのトリアンヴィラートがあって、
それも超気に入った!他は覚えてないけど。
そのカセットテープ、探せば今もどこかにあるはず!

そこまで気に入ったら、今度は当然レコードなりCDなりが
欲しくなるというものですが、
当時は国内盤が出ていませんでした。
輸入盤なら手に入ったのかも知れませんが
まだ中坊か高校生のボクには輸入盤屋は敷居が高く、
行く習慣もありませんでした。

しかし時は流れて’92年、
おおかたの主要カタログを出し切ったCD業界では
B級作品の再発/初CD化の嵐が吹き荒れ、
このグリフォンもありがたい事に
ポニーキャニオンから1st~4thまでがCD化されました。

もう20歳を超え、学生時代よりは金もある(笑)
全部買いまして今に至ります。

では所有アルバムです!

オリジナル・アルバム
・Gryphon(1973/1st/国内CD)

好き度★★★★
邦題は『鷲頭、獅子胴の怪獣』。
ジャケットにはまさしくその伝説上の生き物である
鷲頭、獅子胴の怪獣グリフォンが描かれている。

デビュー時のメンバーは
・Richard Harvey(リチャード・ハーヴェイ)
 リコーダー、クルムホルン、マンドリン、キーボード他
・Brian Gulland(ブライアン・ガランド)
 バスーン、トロンボーン、クルムホルン、リコーダー他
・Graeme Taylor(グレアム・テイラー)ギター
・Dave Oberlé(デイヴ・オバリー)ドラム、ヴォーカル
の4人。

リチャード・ハーヴェイとブライアン・ガランドは
王立音楽院で学んだ仲。
だがこの1stでは私が衝撃を受けた「真夜中の狂宴」ほど
クラシック色は強くない。

ハーヴェイとガランドは
英国のフォークと中世やルネッサンス音楽を
ミックスしたようなバンドを目指していたらしい。

本作では英国フォーク、トラッド的な面が
割と強く出ていて、ヴォーカル曲も多く、
最初に聴いた時は少々意外に感じました。

実際トラッドのカヴァーも多いが、
④「Three Jolly Butchers(3人の陽気な肉屋)」は絶品!
こういった庶民的な作風が全体を通して流れています。

・Midnight Mushrumps(1974/2nd/国内CD)

好き度★★★★★
邦題は『真夜中の狂宴』。
導入部でも書いた①「真夜中の狂宴」の
インパクトがとにかくスゴイ代表作。

本作よりベーシストの
・Philip Nestor(フィリップ・ネスター)
を加えた5人組となったが、メンバーが
中世風?の衣装をまとったジャケ写からして
なりきりぶりが尋常じゃない。

唯一のヴォーカル曲、
②「the Plough Boy’s Dream(田舎の少年の夢)」は
前作の雰囲気を残すが、
全体的にはトラッド、フォーク色はやや減退、
古楽、バロック色が格調高さを伴って増してきた。
(・・・と思います。古楽、バロックがどういうものか
ちゃんと知っている訳ではないのですが💦)

リコーダーやバスーンといった楽器の音色を
装飾として使うのでなく、
楽曲の根幹にあるというのがこのバンドの特徴。

・Red Queen to Gryphon Three(1974/3rd/国内CD)

好き度★★★★
邦題は『女王失格』。
前作と並んで最高傑作と評される事も多い。
ジャケットも非常に美しい。

シンセサイザー、エレキギター等の使用率が格段に上がり、
ドラムもロック的な叩き方をするようになった。

全曲インストの長尺、4曲のみという構成。
そのサウンド、アンサンブルはもう
プログレッシブ・ロックと言っていいもので、
急速にロック化を進めた一枚。

その背景には、ツアーに同行したイエスの
影響があるとも言われています。
しかしロック化が進もうとも、
リコーダー等が奏でる牧歌的なメロディーは
変わらずグリフォンのもの。

・Raindance(1975/4th/国内CD)

好き度★★★★
ロック化とともに、ポップ化も進んだ4作目。
大作主義だった前作と打って変わって
短い曲が並ぶが聴きやすくなっても
グリフォン節は変わらない。
ビートルズのカヴァー、
③「Mother Nature’s Sun」は秀逸!

⑨「 (Ein Klein) Heldenleben(ある小さな英雄の生涯)」は
本アルバム唯一の大作で、
グリフォン・ミュージックの集大成とも言える傑作!

ベースはMalcolm Bennett(マルコム・ベネット)
に交代しています。

・Treason(1977/5th/輸入CD)

好き度★★★☆☆
本作のみレーベルが違うため、
前述のポニーキャニオンからの国内盤発売には
入っていなかった。

デビュー当時からのギター、グレアム・テイラーが抜け、
Bob Foster(ボブ・フォスター)が参加、
さらにベースがJonathan Davie(ジョナサン・デイヴィー)
に交代。ドラム兼ヴォーカルだったデイヴ・オバリーは
ヴォーカルに専念。新たにドラマーに
Alex Baird(アレックス・ベアード)を迎え、
6人組となった。

前作から2年たち、メンバーも代わり、
サウンドも大きく様変わりした。
古楽器の使用度はぐっと減り、
キーボード類と、ディストーションの効いたギターが
主役となった。

もはや、普通の(って何だ?)
プログレっぽいロック・アルバム。

かと言って悪いアルバムでは全然ないと思います。
そこかしこにグリフォンらしい
美しく優しいメロディーやハーモニーが感じられます。

しかしまあ、やはりグリフォンの魅力が
減ったように思えてしまうのは仕方ないか・・・

本作を最後にバンドは解散。
しかし2007年、何と30年ぶりにオリジナル・メンバー4人で
復活を果たし、数度のライブの後、
2018年には6作目のスタジオ・アルバム
『リインヴェンション (再確立)』をリリース
(この頃にはハーヴェイは抜けたようだが)、
2020年には最新作『Get Out Of My Father’s Car!』が
発表されました。

私、この復活劇を全く知らなかったです・・・
頑張って欲しい!!

ライヴ・アルバム
・About as Curious as It Can Be(2002/国内CD)

好き度★★★★
これもFMネタですが、恐らくNHK-FMで
グリフォンのライブ音源が紹介された事がありましたが
(それもエアチェックしたよ!)、
それとは違う音源のようです。
1974年と1975年に英BBCに残された音源を収録。
1974年はベースがネスター、1975年はベネット。

とにかく選曲がいい
(って私の好きな曲ばかり入ってるってだけですが)!
グリフォンの魅力を伝えるにもってこいな曲が
たくさん収録されています。

そしてここまで書きませんでしたが、
非常に上手いバンドであるという事も
このライブ音源でよくわかります。

スタジオ5作目でオバリーをヴォーカル専任にしたのは
失敗だったのでは?(大きなお世話か)
と思うほどドラムは上手いし独特。

4thからの傑作「Ein Klein Heldenleben」での
オリジナルを凌駕するアグレッシブな演奏は圧巻!

なお、you tubeには2015~2016年頃のグリフォンの
ライブ映像がアップされています。
教会のような場所で演奏していて
雰囲気もとても良いんですが
現在DVD等は発売されていない模様。
興味ある方は見てみるといいかも。

ではでは、この辺で!
お付き合いいただきありがとうございました!

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おざきゆうすけン家の棚no.107 GRYPHON

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