さあ、前回からの続きです!
アイテム数が多くて聴くのが追いつかない(^_^;)

・Abacab(1981/11th/国内CD)

好き度★★★★
ポップ路線を大幅に推進し、その一方で
プログレ色は大幅に減少した作品。

タイトル曲①「Abacab」では、
シンセの音色はぶ厚いものの、演奏そのものは
音数が非常に少なく、スカスカな印象を受けます。

アルバム全体を通してそういう感じで、
フィル・コリンズのドラムが凄く目立っています。

曲調的にも、言葉遊び、音遊びのような曲が目立つ。
中には⑤「Dodo/Lurker」のように
プログレ大作っぽい雰囲気の曲もあるにはあるが・・・

ファンキーな②「No Reply at All」での
ホーン・セクション導入など新たな試みも。

従来のファンからすれば不満な内容かも知れませんが、
元々ポップ・センスも十分にある人たちが作ったアルバム、
そういうものだと思って聴けば
いいアルバムだと言えるでしょう。

マイク・ラザフォードのギターも、上手い!
っていうんじゃないけれど、
独自のスタイルが出来てきたように思います。

なお、ジャケットの配色部分は
色違いの4パターンがあり、コレクター心をくすぐります。

・Genesis(1983/12th/国内CD)

好き度★★★★
各メンバーのソロ活動期間を経て、
2年ぶりのスタジオ作品となった12作目。

さらにポップ化は進み、
もはやプログレ色を探すのが難しいくらいです。

しかし、アルバム1曲目であり、シングルにもなった
①「Mama」からして、やっぱり普通じゃない。
重苦しい雰囲気に、狂気を感じさせるフィルの
唸り声や笑い声。
およそシングルには向かなそうなこの不気味な曲を選ぶあたり、
これをプログレと思うかどうかは別として、
やはりただポップなだけではないのです。

他にも②「That’s All」も大ヒット。
ソングライティング面では前作よりも充実してるかも。

シモンズのエレクトリック・ドラム使用など、
エレクトロニクスの大幅な導入も目立つ。

・Invisible Touch(1986/13th/国内CD)

好き度★★★★
全世界での売上1500万枚以上のモンスター・アルバム。
タイトル曲①「Invisible Touch」はシングルとして
全米1位に輝いた。
その他にも、
②「Tonight, Tonight, Tonight」、
③「Land of Confusion(混迷の地)」、
④「In Too Deep」、
⑦「Throwing It All Away」も含め、
計5枚のシングルが全米4位以内に入る。

それらを収録した本作は’80年代ロック・シーンを
代表する1枚と言えるでしょう。
これらの曲を聴いてファンになった人たちには、
もうかつてはプログレバンドだったなんて
知識は不要かも知れません。

しかし、それでもプログレ魂がゼロにはならないのが
ジェネシス。
9分近い②のドラマティックな展開や、
10分を超える大作⑥「Domino」後半の
凄まじいまでの緊張感はプログレ・バンドとして
百戦錬磨のジェネシスならでは。

実力派ベテランによる上質のロック・アルバム。

・We Can’t Dance(1991/14th/国内CD)

好き度★★★★★
私にとって、初めてリアルタイムで聴けたアルバム。
最初に聴いたとき、ちょっと意外でした。
思っていたより遥かにプログレ返りしたように感じたからです。

’81年の『Abacab』以降進めてきたポップ化、
エレクトロニクス化した作風も健在ですが、
その一方で①「No Son Of Mine」、
③「Driving The Last Spike」、
⑫「Fading Lights」あたりは、
かつてのプログレ的手法で作られているように思います。

⑫のキーボード・ソロでの音の洪水は、
「キター!」って感じ(笑)

結果、私にはこれらの曲の印象が強く、
だいぶプログレ的に感じたわけです。

それ以外の曲も、さすが。
全部で70分を超える内容ながら捨て曲なし。

しかし、良い、悪いに関わらず、長すぎるのは疲れる(^^;)

本作発表後、ワールド・ツアーで日本にも
来てくれるものと思っていましたが、実現せず(T_T)
いまだ見ることはかなっていません。

・Calling All Stations(1997/15th/国内CD)

好き度★★★★
前作リリース後のワールド・ツアーを終えてしばらくして
まさかのフィル・コリンズ脱退。

これまでピーター・ガブリエルが辞めても、
スティーヴ・ハケットが辞めてもメンバーを補充せず
活動を続けてきましたが、
今回ばかりはそうもいかず、
オーディションでヴォーカリストを選出。

選ばれたのは当時28歳の
Ray Wilson(レイ・ウイルソン)。

全くの新人ではなく、スティルトスキンというバンドで活動、
ここで発表したシングルが全英1位を獲得したこともある。

さて、新ヴォーカリストを迎えてのこのアルバム、
いろいろジェネシス関連の本などを読んでみても
ほとんどが良く書かれていませんが、
そんなに悪いアルバムかなぁ~?

レイ・ウイルソンの声はどこか翳りがあり、
ややピーター・ガブリエルに近い雰囲気を持ち、
歌唱力も十分。
アルバム全体を覆う陰鬱なイメージと良く合っている。

タイトル曲①「Calling All Stations」での、
抑えた感じから徐々に音域を上げていき、
熱唱スタイルになっていく様はなかなかのもの。

曲調的にもそこかしこにジェネシス節が散りばめられ、
イイ曲揃いだと思いますが・・・

しかしピーター・ガブリエル、フィル・コリンズと
稀代の歌い手によってリレーされてきた
ジェネシスのヴォーカリストの座、
周囲がそう簡単には認めてはくれなかったか?
評価は厳しかったようです。

あと、フィル・コリンズのドラムが無いのは
やはり大きいかも・・・

結局、レイ・ウイルソンはこの1作のみで脱退
(実際はクビだったらしいが)、
ジェネシスは活動を停止。

2000年代以降、フィル・コリンズが復帰して
2度のワールド・ツアーを行うも
新作スタジオ・アルバムの制作は無く、
今なおこの『Calling All Stations』がスタジオ作としては
25年経った今も最新盤という事になります。

これでオリジナル・アルバム終了です!
次回からはライブ盤や編集盤などをご紹介します。

ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!

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おざきゆうすけン家の棚no.102 GENESIS その③

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