こんにちは!
2022年3月、ABC友の会がライブ活動を再開しました!
今後ともよろしくお願いいたします!
さて、前回のジェネシスその①で、
熱心な読者様から誤りをご指摘いただきました。
アルバム『Nursery Cryme』での、
イギリス動揺、は童謡の間違い、
『Foxtrot』での8/9拍子は9/8拍子の間違いでした。
失礼いたしました。ありがとうございます!
では前回からの続きです!
・A Trick of the Tail(1976/7th/輸入CD)
好き度★★★★★
バンドの中心人物であるヴォーカリスト、
ピーター・ガブリエル脱退という危機を、
メンバーの補充をせず、ドラマーの
フィル・コリンズが歌も兼任するというかたちで
見事に乗り越えた傑作。
形式的には、超現実的な世界観だった前作から、
かつてのファンタジックな世界へと回帰。
持ち前のプログレ的な感性とポップさ、
そしてテクニカルな演奏が三位一体となって
これまでのイメージを壊すことなく、
新しいジェネシスの誕生を高らかに宣言したような
痛快な作品だと思います。
収録曲もバラエティーに富み、
ザ・ジェネシス・プログレな
①「Dance on a Volcano」、ポップな
⑤「Robbery, Assault and Battery」、
⑦「A Trick of the Tail」、
ヘヴィーな③「Squonk」、
叙情的な②「Entangled」⑥「Ripples…」
そしてメンバー全員の超絶テクニックの応酬が
凄まじい⑧「Los Endos」等、
どれを取っても名曲揃い。
ピーターがいなくても、これだけの作品を作れる
という事を証明した一枚です。
各曲の登場人物?を配置したヒプノシスによる
ジャケットも好きです。
なお、このアルバムから作者が全員の連名ではなく、
個別に表記されるようになりました。
余談ですが昔、コピーバンドで③「Squonk」を
演った事があります。気持ち良かった~(^_^)
・Wind & Wuthering(1976/8th/国内LP)
好き度★★★★★
旧邦題は『静寂の嵐』。
前作と同じく、
バンクス/コリンズ/ラザフォード/ハケット
の4人で制作されました。
前作から1年も経たずに、これほどの完成度の
アルバムを作れるとは驚き以外の何物でもないし、
当時のテンションがいかに高かったかが
伺い知れる一枚です。
基本的路線は前作とほぼ同じと思われます。
のっけから超ジェネシス節の
①「Eleventh Earl of Mar」でガツンとやられます。
ジェネシスの特徴である、
“コードが次々と変わってもベースがずっと
同じ音を鳴らし続ける”演奏が堪能出来ます。
続く②「One for the Vine」も叙情派プログレ大作で、
冒頭2曲でもうジェネシスの勝ちと言っていいでしょう。
終盤のインスト2曲~⑨「Afterglow」のメドレーは、
その一部と他の曲も取り入れながら
ライブで定番化しました。
一方でギタリスト、スティーヴ・ハケットの影が
薄くなっているとの指摘もあり、
実際この時期ハケットは孤立化していたらしく、
本作が参加した最後のアルバムとなってしまいます。
・…And Then There Were Three…(1978/9th/国内CD)
好き度★★★★☆
邦題は『そして3人が残った』。
リードギタリスト、スティーヴ・ハケットが脱退、
またもメンバーの補充をせず、
ベースのマイク・ラザフォードがギターも兼任で
バンドを続行。
当然、ライブでは再現不可能なことも多くなり、
サポート・メンバーの力を借りることになるのですが、
それはまたライヴ・アルバム編で触れましょう。
ギタリスト脱退という大きな出来事があったにもかかわらず
目立った路線変更は無く、
前々作、前作からの流れをおおむね踏襲する
作風に感じられます。
マイク・ラザフォードのギターもどことなく
ハケット風味を出して頑張っています。
この人、元々はギタリストなのかな?
バンド初期から、ベースとギターのダブルネックを
使用したり、アコ/エレキの12弦ギターによる
バッキングなどでも大きく貢献してきました。
ギターを弾くときはペダル・ベースを演奏。
その重厚な音色もまたジェネシスの特徴となっています。
とは言え、ハケットほどのリード・ギターにおける
独創性や存在感はない為、
大々的にフィーチャーするには至らず、
その分トニー・バンクスのキーボードが
空間を埋めていきます。
私個人的には、終盤ややテンションが落ちるかな?
という気がしていて、その分聴く頻度は
余り高くない。という事で★4つにしていますm(__)m
・Duke(1980/10th/国内CD)
好き度★★★★★
前作発表後、各メンバーのソロ活動期間を経てリリースされた
2年ぶりの新作アルバム。
個人的には、3人ジェネシスの傑作だと思っています。
オープニングを飾る「Behind the Lines」での、
長くダイナミックなイントロ。
ぶ厚いシンセサイザー、テクニカルでド迫力のリズム隊が
奏でる音の洪水が迫りくる感じは、
まるで’80年代という新しい時代に向けての
決意表明のように感じられます。
そこからミディテンポのヴォーカル・パートに
なだれ込む展開も自然。
メドレー形式に②「Duchess」へと一気に聴かせます。
全体的に非常にポップな曲で構成されています。
後にシングルヒットを連発する、ポップ路線へと
大きく舵を切った最初の作品と言えるかも知れません。
がしかし、そこかしこにジェネシス流の
プログレ魂みたいなものが感じられるのが嬉しいところ。
シングルヒットもしたし、
ライブでほぼ欠かさず演奏される事になる
⑦「Turn It on Again」を例にとると、
コードが変わってもベースが同じ音に留まり続ける
お得意のパターン。
しかもAメロのリズムは6拍と7拍が交互に
繰り返されるという変態的なもの。
それ以外にも随所に変拍子が多用されているが、
そこに乗るヴォーカルのメロディは非常にキャッチー。
エンディング近くにはコーラスまで加えられています。
これを4分以内のポップソングにまとめ上げる力量、
半端ないですね。
極めつけは、
⑪「Duke’s Travels」~⑫「Duke’s End」の
インスト・メドレー(一部ヴォーカルあり)。
幻想的なイントロから一転、
シャッフルのリズムで超ハイテンションで突っ走る。
⑪の終盤~⑫にかけては、
それまでに登場した曲のフレーズが散りばめられ、
あたかもコンセプト・アルバムであるかのような
印象を与えながら一気にクライマックスを迎える。
実際に、スト-リーがあるのかはわかりませんが、
CDのブックレットには、フランス人イラストレーター、
リオネル・コクランが描いたキャラクターが
各曲の場面ごとに描かれていて、
一層コンセプト・アルバム感が感じられます。
本作は新時代に向けて、プログレッシヴ・ロックが
歩むべき道を示した画期的作品ではないかと
個人的には思っていて、エイジアの1st、
少々時期はズレますがイエスの『90125』と並ぶ
歴史的作品のような気がしてます。
うーん、やっぱり文章が長くなってきた!
もっと簡潔にしないとなかなか終わらない(>_<)
今回はここまでにします。
続きはまた次回に!
P.S.
祝!スティーヴ・ハケット来日決定!
ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!
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