GENESIS(ジェネシス)U.K.
ついに来ました、ジェネシス。
私の中での「マイ四天王」を形成するバンド。
※他の3つはビートルズ、ツェッペリン、イーグルス。
好きなバンド、アーティストは数あれど、
この4つは別格なのです。
ジェネシスとの本格的な出会いは20歳のとき、
1989年ごろでした。
いわゆる”プログレ5大バンド”の中では
一番聴いたのが遅いですが、
一番ハマってしまいました。
一応、MTV全盛時代、「ザッツ・オール」
「インヴィジブル・タッチ」「混迷の地」などの
曲が売れ、PVなどは見たことがあって、
かつてはピーター・ガブリエルが在籍した
プログレ・バンドだという事は
知識として知ってはいましたが、
何故だか聴くのが遅くなってしまいました。
バンドの起源だけ簡単に。
1967年、同じ学校内の2つのアマチュアバンドが合体し、
5人のメンバーが揃う。
・Peter Gabriel(ピーター・ガブリエル)vo
・Anthony Phillips(アンソニー・フィリップス)g
・Tony Banks(トニー・バンクス)key
・Mike Rutherford(マイク・ラザフォード)b,g
・Chris Stewart(クリス・スチュワート)ds
学校の先輩にミュージシャンでプロデューサーの
ジョナサン・キングがおり、デモ音源を送ったところ、
デビューの機会を得た。
では、詳しいことはジェネシスに関する文献等
いくらでもありますのでそちらをご覧頂いた方が
正確でしょう。
アイテム数も大変多いのでコメントも簡単に
していきたいと思いますが、できるかな?
※数回に分けてお送りします!
オリジナル・アルバム
・From Genesis to Revelation(1969/1st/国内CD)
好き度★★★★☆
記念すべきデビュー・アルバムではありますが・・・
後の大プログレ絵巻を期待して聴くと
肩透かしを食らいます。
2分台の短い楽曲がずらりと並び、演奏は超シンプル。
ドラムなんかほとんど聞こえない。
ピーターの歌もいたってストレート。
プロデューサーのジョナサン・キングが
メンバーに断りもなく加えたとされるストリングスが
甘い印象を強くしています。
実際、リリース当初は全く売れずすぐに廃盤となります。
その後もバンドの歴史からはすっかり
忘れ去られたようで、
一昔前の音楽雑誌等での紹介文では
2ndである『トレスパス』を1stとしているものさえあった。
では本作は聴く必要が無いか?と言えば、
そんな事はありません!
多くの曲で聴ける非常に美しいメロディー。
これこそジェネシスの根幹で、それは
本格的なプログレ・バンドへの転身を目指した2nd、
『トレスパス』へとそのまま受け継がれています。
『トレスパス』や、それ以降のアルバムで披露される
プログレ大曲も、この美しいメロディーを骨組みに、
何層にも肉付けされて作り上げられていったという事が
よくわかります。
そういう私も、この1stが数あるジェネシスの作品中、
プレーヤーにかける回数が多いかと言えば、それは否です。
今回、このブログを書くにあたり聴き返したところ、
改めてその良さを感じたところでして・・・
それは、ジェネシスを聴くようになって
何十年も経ったからそう思えるようになったのかも。
やはり昔は”あんまり面白くない”と思ってました。
敢えて最初に聴く必要は無いかも知れませんが、
もし後の名作群を気に入ったなら、
後回しでもいいから聴いてみると
バンドの根っこの部分を感じられるんじゃないでしょうか。
ちなみにジェネシスのメンバーは、
他のプログレ5大バンドに比べて
3~5歳ほど若く、1stリリース時は全員10代でした。
10代でこの美しい曲が作れるあたり、
やはりただものでは無かったのかも。
なお、私の持っているCDはシングルとして
リリースされた4曲を加えた17曲入りヴァージョン。
初代ドラマー、クリス・スチュワートは1曲のみ参加、
大部分は2代目、John Silver(ジョン・シルヴァー)
がドラムを担当。
バンド名も印刷されず、
“From Genesis to Revelation”とタイトルだけが
記された真っ黒なジャケットは、
当時アメリカにジェネシスというバンドがいたかららしい。
・Trespass(1970/2nd/国内CD)
好き度★★★★☆
旧邦題は『侵入』。
初期のアルバムの多くには邦題が付いていましたが、
現在ははずされているもよう。
前述したように、1stでの美しいメロディーはそのままに、
何層にも肉付け、重層的に構成して
本格的なプログレッシブ・ロックアルバムが完成!
ピーターのヴォーカルも、ややまだ控え目ながら
シアトリカルな演出が。
⑥「The Knife」での劇的な要素は
バンドのお得意になったし、
④「Stagnation」、⑤「Dusk」などの
ダブル、またはトリプル・アコースティック・ギターを
使用したスタイルも確立。
バンド史上、やや地味な印象もあるアルバムですが、
後の名作群の原型がここにある、と思います。
ギタリスト、アンソニー・フィリップスが
本作を最後に脱退、
3代目ドラマー、John Mayhew(ジョン・メイヒュー)も
本作限り。
後任には、
ギターにSteve Hackett(スティーヴ・ハケット)、
ドラムにPhil Collins(フィル・コリンズ)
が加入、ここにいわゆる『黄金期メンバー』
が揃うことになります。
・Nursery Cryme(1971/3rd/国内CD)
好き度★★★★★
旧邦題は『怪奇骨董音楽箱』。
最強メンバーが揃い、演奏面で格段に向上、
曲のクオリティも上がっているのだからもう無敵。
ここまでやるか、という極端なダイナミクスを付けた
演奏により、劇的要素もUP、
声色を使い分けるピーターのシアトリカルなヴォーカルも
ますます拍車がかかる。
イギリス動揺、童話の世界に通じる歌詞とも相まって
強烈なイギリス色、アンダーグラウンド感を放つ
独特なファンタジックな世界を確立し、
唯一無二の個性を発揮します。
①「The Musical Box」、
③「The Return of the Giant Hogweed」、
⑦「The Fountain of Salmacis」
の3つの大曲を中心に、小品を散りばめた構成。
その圧倒的な世界観に、聴き終わった後は
脱力感に襲われる程の大傑作。
と言うくらい私は好きです!
・Foxtrot(1972/4th/国内CD)
好き度★★★★★
前作と共に初期の双璧を成す名作。
2ndからジャケットを手掛ける
ポール・ホワイトヘッドのイラストも、
前作との関連性があったりして、
連作っぽい印象を与えます。
深淵なるメロトロンのイントロから
キレのある6拍子が印象的な、
①「Watcher Of The Skies」で幕を開ける。
フィル・コリンズのドラムは切れ味抜群。
何と言っても本作最大の聴き物は23分に及ぶ大作
⑥「Supper’s Ready」ではないでしょうか。
ジェネシスのみならず、プログレ全般の
マスターピースとして非常に人気が高い。
細かい小曲を繋げたような構成で、
それぞれの関連性は実はあまり無かったりするんですが、
一連の流れはちゃんとつながっていて、
最後まで一気に聴かせる構成は
見事としか言いようがない。
特に終盤、執拗に8/9拍子が繰り返される中での
長大なキーボード・ソロから
ピーターの熱唱が印象的なグランド・フィナーレへと
なだれ込む展開は圧巻。
前作同様、脱力感に襲われます(笑)
ちなみに①⑥さらに③「Get’em Out by Friday」
といった大作に隠れてあまり語られる事がないけど、
私は牧歌的なメロディーが美しいがサウンドも壮大な
④「Can-Utility and the Coastliners」が
お気に入りです。
・Selling England by the Pound(1973/5th/国内LP)
好き度★★★★★
旧邦題は『月影の騎士』。
初のライヴ・アルバム『Genesis Live』を挟んで
リリースされた5作目。
このアルバムでは若干の変化が感じられます。
収録曲はゴリゴリのプログレばかりではありますが、
前作までのアンダーグラウンド感、
とことん徹底的にやり過ぎる感、
何か見てはいけない物を見ている感が減退し、
代わりにメジャー感が全体的に漂っています。
その辺が初のシングル・ヒットとなった
②「I Know What I Like」あたりにも表れています。
①「Dancing with the Moonlit Knight」
③「Firth of Fifth」、
⑤「The Battle of Epping Forest」、
⑦「The Cinema Show」
といったプログレ全開の曲でも、
前作までは内に内にと向けられていたベクトルが
本作では外へと向けられている気がします。
その分、聴きやすさはUP。
プログレ時代、ピーガブ時代のジェネシス入門編として
最適かも知れません。
前作まではとにかく濃いので・・・(^^;)
・The Lamb Lies Down on Broadway(1974/6th輸入CD)
好き度★★★★★
旧邦題は『眩惑のブロードウェイ』
ジェネシス初の2枚組にしてコンセプト・アルバム。
それまでのバンドの特徴であった
イギリスの童話のようなファンタジックな世界から、
より現実的な内容の物語が綴られていて、
それに合わせてかジャケットもヒプノシスが担当する
超現実的なものとなり、
サウンドもかなりタイトになっています。
物語はかなり難解な部分もありますが、
本作が映画化、ミュージカル化されていれば
ザ・フーの『トミー』、
ピンク・フロイドの『ザ・ウォール』に並ぶ
作品になっていただろうとも言われ、
本作をジェネシスの最高傑作に挙げる向きも多い。
実際、disc-1の各曲は全曲が名曲と言っても
いいくらいの出来で、
物語の幕開けである表題曲①や、
ヘヴィーな③「Broadway Melody of 1974」、
後に長くライブでハイライトとして演奏される
⑤「In the Cage」、ポップな魅力の
⑦「Back in N.Y.C」⑨「Counting Out Time」、
美しい⑩「The Carpet Crawlers」など
怒涛の展開を見せます。
disc-2はやや難解な印象ですが、
それでもやはり美しい。
しかし本作リリースに伴うツアー中、
ピーター・ガブリエルが脱退を表明。
ピーガブ期ジェネシスは突如終わりを迎えてしまいます。
今回はここまで!
続きはまた次回に。
ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!
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