このコーナーも50回目です!
まだCの最初の方・・・(^_^;)
今回はこちら!

 

CARAVAN (U.K.)

プログレッシブ・ロック界において、
やはり5大バンドに次ぐ位置にあるビッグネームの一つで、
同時にカンタベリー・ロックの代表格でもあります。

この、カンタベリー・ロックとは何か?
私はよく知りませんが、色々な文献によれば、
イギリスのカンタベリー地方出身者を中心に結成された
ワイルド・フラワーズを母体に、そこから派生した
ソフト・マシーンとキャラヴァンを2大巨頭とする
ミュージシャン、バンドたちの総称・・・
のようです。

私はプログレ好きではありますが、
カンタベリー・ロックに関してはあまり持っていないし
詳しくもありません。
もうひとつの代表格とされるソフト・マシーンが
どうも苦手で・・・何度か聴いてみたんですけどね。
あまりジャズっぽいのが苦手なのかも。

 

一方でこのキャラヴァンは、基本的にポップなロックで
とても聴きやすいです。
ところどころにジャズっぽい感じを入れてきたりはしますが、
あくまでも極上のポップ・センスに彩られています。

デビュー時のメンバーは
・Pye Hastings(パイ・ヘイスティングス)g,vo
・Richard Sinclair(リチャード・シンクレア)b,vo
・Dave Sinclair(デイヴ・シンクレア)key
・Richard Coughlan(リチャード・コフラン)ds

リーダーはパイ・ヘイスティングス。
2人のシンクレアは従兄弟らしいです。

では、所有アルバムを紹介していきましょう!

オリジナル・アルバム

・In the Land of Grey and Pink(1971/3rd/国内CD)

画像
好き度★★★★★
邦題『グレイとピンクの地』。
よく彼らの最高傑作とも言われます。
私が一番最初に聴いたキャラヴァンのアルバムであり、
一番好きでもあります。

デビュー時と同じメンバーで制作。
サウンド的にはとてもシンプルでタイトなもの。
リチャード・コフランのドラムはとても力強く、
全体を引き締めます。

スター・プレイヤーがいるわけじゃなく、
メンバーそれぞれは上手いんだろうけど
テクニックをみんなで全体像を構築する方向に
使っている感じですね。

LP時代のB面全てを使った組曲である、
⑤「Nine Feet Underground(9フィートのアンダーグラウンド)」
が特に有名ですが、
前半の小曲4曲がまた素晴らしい!

どれもポップなメロディーに彩られ、
全くタイプの違うリチャード・シンクレアと
パイ・ヘイスティングスのヴォーカルが光ります。
ところどころにビートルズの影が見え隠れする。

①、②、④が低音で味わいのあるリチャード、
③が優しく包み込むようなパイ。

③「Love to Love You」はあまりの親しみやすさに、
7拍子という変則リズムであることに気付かないほど。

そして例の組曲⑤ではキーボードの
デイヴ・シンクレアが大活躍!
決して派手さはないけれども、
特徴あるオルガン・サウンドはそのままバンドの
カラーにもなっています。

ファンタジックで美しいジャケットも秀逸!

ちなみに私の所有ではないので書けませんが、
妻は1st、2ndも持っていて、これらも非常にイイ(^^)
という事は、創設時のメンバーでの作品が
私には向いているのかな。

これを書いている間に妻が1st、2ndを出してきてくれました。
やっぱり1stイイよ~一番イイかも??

☕ちょっと脱線して・・・
ウチでは、夫婦どちらかが持っているCD、LP等は
重複して買わない、というのが暗黙の了解になっています。
どちらかが持っていれば聴けますからね。
しかし決してお互いのモノがごちゃ混ぜにはならないのです。

話を元に戻します!

 

・Waterloo Lily(1972/4th/国内CD)


好き度★★★☆☆
キーボードのデイヴ・シンクレアが脱退、
創設時以来の布陣が初めて崩れる。
代わりにSteve Miller(スティーヴ・ミラー)参加。
アメリカのギタリストとは当然ながら別人です(^^;)

ややジャズ志向のスティーヴ・ミラーの影響か、
そういう場面がちょっとだけ増えたかも。
しかし全体的にお得意のポップセンスは変わりません。

このアルバムでもオーケストラを導入した組曲
⑤「The Love in Your Eye」が聴けるほか、

ロックな①「Waterloo Lily」ではリチャードの、
ポップでアコースティックギターがいい
⑥「The World is Yours」ではパイの
ヴォーカルが光ります。

・For Girls Who Grow Plump in the Night
(1973/5th/国内LP)

好き度★★★☆☆
邦題『夜ごとに太る女のために』。

前作を最後にリチャード・シンクレアが脱退。
ベースにはJohn G. Perry(ジョン・G・ペリー)
が迎えられました。
これにより、ヴォーカル曲はすべて
パイ・ヘイスティングスの担当になった・・・多分。

あ、でも④「C’thlu Thlu」で1部、違う声も聞こえますね。
曲ごとのクレジットは無いけど、ジョン・G・ペリーかな?

さらに新メンバーとして
Geoffrey Richardson(ジェフリー・リチャードソン)
viola,g,fluteが加入。
以後長きにわたってバンドにとって大きな役割を果たす。

さらにスティーヴ・ミラーも脱退、
キーボードにはデイヴ・シンクレアが復帰!
あのオルガン・サウンドが帰ってきた。

 

相変わらず、各楽器パートのバランスが均等で
タイトな演奏が堪能できます。
ジェフリー・リチャードソンの弾くヴィオラは
ヴァイオリンよりも音域が低く、
エレクトリック・ギターとのツイン・リード的な
使い方をしている場面があり面白いです。

・Cunning Stunts(1975/6th/輸入CD)


好き度★★★★
いかにもヒプノシスらしいジャケットが印象的な6作目。
ベースが元カーヴド・エアの
Mike Wedgwood(マイク・ウェッジウッド)に交代。

相変わらず良質なポップ・センスを
力強いロック・サウンドに乗せた安定のキャラヴァン節。
さらにこのアルバムでも18分に及ぶ大作
⑥「The Dabsong Conshirtoe」を披露。
美しい導入部から盛り上げていく構成はさすがです。

・The Album(1980/9th/国内CD)

好き度★★★☆☆
「Cunning Stunts」を聴いたあたりでキャラヴァンを
買い集めるのは何となく止まっていたんですが、
ある日、小さな古本&中古CDを売っているお店を
何の気なく覗いてみたら、コレがありました。

店内でCDの占める割合は多くなく、それなのに
この一般的に考えればマニアックなアイテムに出会えるとは!
しかも¥100~¥200くらいだったはず。
これも縁、と購入してみました。

もはやプログレとは遠ざかってしまったような、
ドPOPなアルバム。
でも曲は悪くないです。

ただねー、ギターの音がロックっぽくないのよ~
あと、キーボードがデイヴ・シンクレアでありながら、
ちょっと引っ込み過ぎかなあ。

 

・The Battle of Hastings(1995/12th/国内CD)


好き度★★★☆☆
邦題『ヘイスティングスの戦い』。
1982年の『バック・トゥ・フロント』以来、
12年ぶりとなるアルバム。

なんと、コレを書く3日前に、妻から譲り受けました!
彼女には「甘すぎる」んだそうで・・・

タイトルとジャケットからすると、
歴史劇をテーマにしたヘヴィな作品を連想しますが、
中身はやっぱりの上質なポップ・ロック。

なるほど、確かに甘い。
しかし、キャラヴァンは1stアルバムの頃からポップだ。
’69年にリリースされた1stは時代もあり
サイケな色も強いし実験的でもあるけれど、
やはり基本は美しい曲とメロディーです。

1stから26年後にリリースされた本作でも、
そんなに本質的には変わっていないのだと思う1枚です。

なお、ベーシストは数々のバンドを渡り歩いてきた
ベテラン、Jim Leverton(ジム・レヴァートン)。

 

ライヴ・アルバム

・Caravan and the New Symphonia(1974/国内CD)


好き度★★★★
『グレイとピンクの地』の次に買ったのがコレ。
やっぱり最初(の方)に聴いたインパクトか、
何度も聴いた回数なのか、『グレイ』とこのライヴが
とても印象に残っています。

キャラヴァン初のライヴ・アルバムにして、
オーケストラとの共演盤!
このライヴのために2曲の新曲も披露しているので、
オリジナル・アルバムに近い印象を受けます。

この新曲がまた甘いのですけど💦
フル・オーケストラとの共演はやはり
大作で威力を発揮しますね。

③「The Love in Your Eye」はオリジナル版以上の迫力だし、
⑤「For Richard」はさらにその上を行く名演!
数あるロック・バンドとオーケストラの共演盤の中でも
いい出来の作品だと思います!

ちなみに、私はキャラヴァンのライブを2度見ています。
2002年、いまは無きお台場のキレイなライブ・レストラン。
そして2005年は渋谷のクラブクアトロ。

いずれも、手を伸ばせば届きそうなくらいに
アーティストと観客との距離が近い会場でした。
ステージに上がったメンバーたちは、
若い頃より恰幅よくなり、さながら
「会社重役たちの休日の趣味」的な雰囲気でしたが、
いざ始まってみれば現役感バリバリの超絶演奏!

決して派手さはなくとも、ライブで、しかも
それまで経験がないくらいの至近距離での
ロック・レジェンドたちの生演奏にぶっ飛んだのを
よく覚えています。
これまでに観たライブのなかでも屈指の内容でした。

2013年には結成メンバーだったドラマー、
リチャード・コフランが死去。
クラブクアトロの、ドラムセットから我々のいる
フロアに向けてデジカメで写真を撮ったときの
茶目っ気たっぷりの表情が忘れられない・・・合掌。

おっと、ちょっと感傷的になったかな。
素晴らしきキャラヴァンの作品群、
私の所有する限り、ご紹介しました。

では、お付き合いいただきありがとうございました!

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おざきゆうすけン家の棚no.50 CARAVAN

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