さあ、Bのトリを飾るのはこのバンドです!

 

THE BYRDS (ザ・バーズ)U.S.A.

ザ・バーズは1965年にデビュー。
ブリティッシュ・インベイジョン真っ只中の時代に、
アメリカのバンドとしてはかなり早い時期から
その影響がうかがえるサウンドを展開していた、
と思われます。

主な活動時期は’65年~’73年ですが、
時期によってその音楽性はかなり違っています。

デビュー当時はボブ・ディランの曲を多く取り上げ、
流行りだったブリティッシュ・ビート・バンド風の
エレクトリック・サウンドで「フォーク・ロック」
と呼ばれ、その後は空間的なサウンドや
インド音楽も取り入れ、時代的な背景もあり
「サイケデリック・ロック」、「スペース・ロック」、
「ラーガ・ロック」などとも呼ばれました。

さらにその後はカントリー、ブルーグラス人脈からの
メンバー加入によりカントリー・ロックへとシフト。
このスタイルが最も長く続き、
彼らがパイオニアかどうかはわかりませんが、
これまたかなり早い段階でその後のカントリー・ロック、
ウエストコースト・ロックへの先駆者となった・・・のかな?
研究家じゃないから確かじゃないですが。

私は5枚、アルバムを買ってみましたが、
やっぱり時期によってかなり印象が変わります。

ただ、いつの時期も変わらずに、
バーズを一つの線で結ぶのが創設者、ロジャー・マッギンの
声と、リッケンバッカーの12弦ギターだと思います。
ほとんどの曲でこの12弦ギターの音が聴かれ、
バーズ・サウンドのトレードマークにもなっています。

また声の方も、バーズは一人だけが歌うのではなく、
各時期で複数のメンバーがヴォーカルを取るスタイルなので
全曲がロジャー・マッギンの声ではないんですが、
ちょっとしゃがれ声で、ややニヒルな味わいもある
独特の声は強く印象に残ります。

ボブ・ディランに通じるところもあり、また後の
トム・ペティにも非常に近いものを感じますね。
私個人的には、バーズが物凄く大好きかって言われれば
正直そこまでじゃないんですが、
ロジャー・マッギンは好きですね~声も、ルックスも。
初期によくかけていた四角い小ぶりなサングラス、
よく似合ってました(笑)

では以下、所有アルバムです!

オリジナル・アルバム

・Mr. Tambourine Man(1965/1st/国内CD)

好き度★★★☆☆
ボブ・ディランのカヴァーであるタイトル曲が
全米1位となった、デビュー・アルバム。

全体的にビートルズ等のブリティッシュ・ビート風の
サウンドですが、やっぱりロジャー・マッギンの
12弦ギターが印象深い。

デビュー時のメンバーは
・Roger McGuinn(ロジャー・マッギン)g
・Gene Clark(ジーン・クラーク)harmonica,g
・David Crosby(デヴィッド・クロスビー)g
・Chris Hillman(クリス・ヒルマン)b
・Michael Clarke(マイケル・クラーク)ds

で、当時はあまり楽器演奏に長けたメンバーではなく、
レコーディングにはヴォーカルと
ロジャーの12弦ギター以外はスタジオ・ミュージシャンが
起用されたらしいです。

同じくディランのカヴァー、⑦「All I Really Want To Do」
もシングル・ヒットした。
まさに特徴的なロジャーのヴォーカル、
ふわりとした優しい広がりのコーラス。
初期バーズの「らしさ」が溢れています。

一方で、
⑥「The Bells Of Rhymney(リムニーのベル)」、
⑧「I Knew I’d Want You(君はボクのもの)」
あたりには既にサイケデリックな香りがします。

・Fifth Dimension(1966/3rd/輸入CD)

好き度★★★☆☆
ジーン・クラークが抜けて4人編成になっています。
「スペース・ロック」、「ラーガ・ロック」と
呼ばれていた時期の作品。

タイトル曲①「5D (Fifth Dimension)」が好きです!
エンディングの12弦ギター・ソロは
バグパイプを模しているんだと何かで読んだ記憶があります。
なるほど、それっぽい。

⑦「Eight Miles High」もサイケ/ラーガ・ロックを
代表する曲として名高い。
ロジャーが奇妙なフレーズを12弦ギターで
強引に押し込んでくるのが印象的!
またコーラスも秀逸。

後にクロスビー、スティルス&ナッシュを結成する
デヴィッド・クロスビー作の⑤「What’s Happening?!?!」
もいいんですが、ドラムが下手だな・・・(失礼!)

⑥「I Come And Stand At Every Door」も好きです。
余談ですが、イギリスのフォーク・ロック・バンド
TREESの1st「ジェーン・ドゥロウニーの庭」に入ってる
「ザ・グレート・シルキー」という曲と歌のメロディーが
ほぼ同じ。トラディショナル・ソングなのかな?

・Sweetheart Of The Rodeo(1968/6th/国内CD)

好き度★★★☆☆
邦題『ロデオの恋人』。
美しいカウボーイ絵画のジャケットに包まれている通り、
この頃には完全にカントリー・ロックになっています。

この当時はオリジナル・メンバーの
ロジャー、クリスに加えて
・Gram Parsons(グラム・パーソンズ)g,vo
・Kevin Kelley(ケヴィン・ケリー)ds
となっています。
特にグラム・パーソンズはカントリー・ロックの
源流を作った人物として有名ですが、
バーズはこのアルバム一枚に参加したのみで脱退、
フライング・ブリトー・ブラザーズを結成するなど
カントリー・ロック界で活躍するも
1973年に麻薬が原因で26才の若さで無くなっています。

アルバムの方は、非常にリラックスした雰囲気の
カントリー・ロックに仕上げられています。
多くのゲストによりピアノ、バンジョー、
ペダル・スティール・ギターなどが加えられ、
いかにもなサウンド。
12弦ギターも控え目で、
初期の頃とは全く別のバンドのごとく変貌しています。

私は正直、あんまり印象に残る曲が少ないんですけど、
そのグラム・パーソンズ作の
⑧「One Hundred Years From Now(100年後の世界)」
あたり好きですね。

・Dr.Byrds & Mr.Hyde(1969/7th/国内CD)

好き度★★★☆☆
邦題『バーズ博士とハイド氏』。
前作発表後、クリス・ヒルマンが脱退、
オリジナル・メンバーはロジャー一人となった。
他のメンバーも総入れ替えとなり、
・Gene Parsons(ジーン・パーソンズ)ds
・John York(ジョン・ヨ-ク)b
・Clarence White(クラレンス・ホワイト)g
が加入。

クラレンス・ホワイトは、これまた
ブルーグラス、カントリー畑からの人物で、
革新的なギター奏法で、グラム・パーソンズと同様に
伝説的ギタリストとして有名ですが
若くして亡くなった事も共通点。

内容は当然ながらカントリー・ロック路線を
推し進めた感じです。
前作のギタリスト、グラム・パーソンズよりも
テクニカルなカントリー・フレーズを弾きまくる
クラレンス・ホワイトのギターは聴きごたえ十分!

・Untitled(1970/9th/国内CD)

好き度★★★★
邦題『(タイトルのないアルバム)』。
ベースはSkip Battin(スキップ・バッティン)に交代。
個人的にはコレが一番好きかな。

LPは2枚組で1枚目がライブ、
2枚目がスタジオ録音の新作でした。
私のはCD1枚にまとめられています。

演奏力的にも強力な布陣となり、
その自信がライブ録音にも表れているように思います。
クラレンス・ホワイトの超絶カントリー・ギターと
ロジャー・マッギンの12弦ギターのツイン・リード体制で
ソリッドなロック・サウンドを展開。

初期のヒット曲、
⑤「Mr. Tambourine Man」もオリジナル・ヴァージョン
に比べて随分と太くロックっぽい演奏で、
ヴォーカル・ハーモニーもふんわりとしたオリジナルより
一人一人の声が立った感じになっています。

スタジオ録音の2枚目には後期の名曲
⑧「Chestnut Mare(栗毛の雌馬)」も入っていますが、
何と言っても私のお気に入りは
⑨「Truck Stop Girl」で、作者はリトル・フィートの
ローウェル・ジョージとビル・ペイン。
このザ・バーズのヴァージョンでは
クラレンス・ホワイトの哀愁漂うヴォーカルと、
彼のキャリア中のベストとの評価もある
エンディングのギター・ソロで
非常に味わい深い仕上がりになっています。

面白いのはラスト⑯「Well Come Back Home」で、
曲ももちろんいいんですが、
作者のスキップ・バッティンが当時傾倒していた
仏教思想を反映して、歌詞に「南無妙法蓮華経」が
出てきます。
という事は、きっと日蓮宗なんですね(^^)

ベスト・アルバム

・Greatest Hits(国内LP)

好き度★★★★
実は、バーズで最初に買ったのはコレなんです。
新品の国内LPで買ってるから、まだ10代、中~高校生の頃。
多分、テレビのBEAT CLUBで見た
「So You Want To Be A Rock ‘n Roll Star」が
聴きたくて買ったんだと思います。
しかしここで聴けるスタジオ・ヴァージョンよりも、
BEAT CLUBのは「Untitled」でのライブに近く、
あんまりしっくり来なかった・・・

それと、このアルバムでは偶然の再会がありました。

10代の頃、ラジカセのラジオから流れてきた曲が気に入り、
とっさにカセットの録音ボタンを押しました。
それが誰のなんて言う曲かもわからず数年が過ぎましたが、
このアルバムにその曲が入っていたんです!

それが「Ballad of Easy Rider(イージーライダーのバラッド)」で、
これがまた哀愁漂うロジャー・マッギン節!
映画「イージー・ライダー」の主題歌としてヒットした
曲なのでした。

映画も見たけど、なんかよくわからなかったm(__)m

あ、ベスト盤なんでいい曲しか入ってません(笑)

メンバー関連作

 

ROGER McGUINN

・Born To Rock And Roll(1991/輸入CD)

好き度★★★☆☆
ロジャー・マッギンのソロのベスト・アルバム。
これも多分、某○ックオフあたりで¥100くらいで
売ってたのでしょう。
いっぱい曲が入ってていいね(^^)

以上です!

ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!

もうすぐ企画開始から一周年にして、
やっと次からCに突入です!

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おざきゆうすけン家の棚no.46 THE BYRDS

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