来た来た!
今回はハードロック/ヘヴィメタル界の重鎮、
私も敬愛するこのバンドです!

BLACK SABBATH (ブラック・サバス) U.K.

LED ZEPPELIN、DEEP PURPLEと共に
三大ハード・ロック・バンドと言われたり、
また元祖ヘヴィ・メタル、
三大黒魔術バンドなんて言われたりもして、
ロック史上、かなり重要な位置を占めると
言って間違いないでしょう。
今なお愛され、影響を与える大物、ブラック・サバス!

詳しいことは多くの文献で語られていますが簡単に・・・

 

結成当初は「アース」と名乗り、
ジャズやブルース等を演奏していました。

やがてバンドのモチーフとして黒魔術を用いて、
人々を怖がらせたり不安感をあおるような音楽を
大音量でヘヴィーに演奏する事を思い付く。
このアイデアが元祖ヘヴィメタルへと
発展していくんですね~(諸説あります)

結成時のメンバーは
・Ozzy Osbourne (オジー・オズボーン)vo
・Tony Iommi (トニー・アイオミ)g
・Geezer Butler (ギーザー・バトラー)b
・Bill Ward (ビル・ワード)ds
の4人。

 

トニーのギターは徹底的にヘヴィーなリフを奏で、
数多くの伝説的リフを生み出していく。

ギーザーのベースは一見ギターとユニゾンのようでいて
微妙に異なるラインを弾いている事が多く、
低音を支えるだけでなくギターとミックスすることで
二重奏的な効果を作る。

ビルのドラムはジャズの香りを色濃く残しながらも
どこまでも重い。

そこに独特の粘っこい声質を持つオジーのヴォーカルが乗り、
唯一無二の存在感を放つ。

’70年代は全てこのメンバーでアルバムが制作されました。
’80年代以降は人の出入りが激しくなるが存続し続け、
2017年、ラスト・ライヴを行い活動に区切りを付けましたが、
復活の可能性がありそうな感じらしい・・・

では、所有アルバムを紹介していきましょう~
結構いっぱいあるぞー

 

オリジナル・アルバム

・Black Sabbath (1970/1st/国内CD)


好き度★★★★★
邦題『黒い安息日』。
デビュー盤にして比類なき完成度を誇る傑作!
スタジオを2日しか取れず、わずか48時間で
レコーディングとミックスを終わらせたというから驚きです。
ほぼライヴ・レコーディングでヴォーカルも
同時に録ったらしい。
この時バンドは準備万端だったという事ですね!

4トラック・レコーディングのためオーバーダビングも少なく
シンプルなアレンジですがその分生々しく、
音もとても良いです。

このアルバムにはバンドの特徴がよく表れています。
特に①「Black Sabbath(黒い安息日)」。
雨と雷、教会の鐘のSEから突然、
不気味でヘヴィーなリフが襲ってくる。
そして地獄からのうめき声のようなヴォーカル。
後半のシャッフルはブルージーに展開する。
世界観が出来上がっていますね。

 

オジーのハーモニカが聴ける②「The Wizard(魔法使い)」や
後年まで長くライブで演奏された④「N.I.B.」、
ギターのインプロビゼーションを含むヘヴィ・ブルースの
⑦「Warning(警告)」等、聴きどころが多いですが、
全体を通して彼らが元々ジャズやブルースを
演奏していたという事がよくわかります。
初期ほどこの傾向が強いですね。

魔女か幽霊のような女性が映る、
時代を代表する名クリエイター、
Keefの手掛けたジャケット写真も含めて、
徹底した世界観を表した名作!

 

・Paranoid (1970/2nd/国内CD)


好き度★★★★★
前作からわずか7ヶ月後にリリース。
ロック史上に残るような有名な曲を複数含むので、
一般的にもよく知られるアルバムで、
入門編にも良いかもしれません。

特に①「War Pigs」、②「Paranoid」、④「Iron Man」などは
ハード・ロック/ヘヴィ・メタルのマスターピースとなった。

それ以外にも聴きどころ満載で、
⑤「Electric Funeral」や⑥「Hand of Doom」に見られる、
曲の中に全く別の曲を挿入し、また戻るような展開は
ブラック・サバスのお得意のパターンとなりました。

ジャケットは前作に続きKeefが担当。

 

・Master of Reality (1971/3rd/国内CD)

好き度★★★★★
個人的にはコレが一番好きです!

本作では全体的な音質がよりメタリックに、
ドンシャリした感じになりました。

また本作よりギター(ベースも?)のチューニングが
1音半下げとなり、今後しばらく続きます。
これは、トニーは右手の指の一部を事故で失っており
(彼は左利きなので右手が弦を押さえる方)、
弦のテンションを下げて押さえやすくするためと
言われています。

この極端なダウン・チューニングにより、
通常出ないような低い音程や、
ローテンションによるドロっとした
より悪魔的サウンドがでるようになった。

作曲面ではピークを迎えているのではないかと思うほど
名曲がずらりと並ぶ。
①「Sweet Leaf」、④「Children of the Grave」、
⑧「Into the Void」等、例のお得意のパターンで
作られています。

それまでの流れを無視するように強引な展開のように思えますが
一気に聴かせてしまう勢いがある曲ばかり。
①や⑧の中間部での急加速、
④での突然シャッフルでなくなる場面など、
本当に迫力があります。

間に③「Embryo」⑤「Orchid」といった短いインストで
変化を付ける構成もいい。
全体の収録時間が短めなこともありますが、
長めの曲が入っていても全くダレない傑作!

・Black Sabbath Vol.4 (1972/4th/国内CD)

好き度★★★★★
何と言っても①「Wheels of Confusion」のインパクトが凄い!
例のお得意パターンだが、中間部のテンポアップした時の
カッコ良さは群を抜いています。
さらにイントロとエンディングにはまた個別のパートを
用いるなど、大サービスな曲です。

作風に変化も見せ始めています。
アコースティック・ギターやキーボード類の
よりポップな形での導入もあるし、
以前はより明るい曲調のバラードも見られるようになった。

音質的には前作ほどのドンシャリ感は無く、
より太く、深い音作りがなされています。
(曲により多少バラつきあり)

・Sabbath Bloody Sabbath (1973/5th/国内CD)

好き度★★★★
邦題『血まみれの安息日』。
このアルバムでは大きな作風の変化を見せる。
これまでのライブ感溢れるサウンドから、
スタジオでじっくりと作り込まれたような印象を受ける
サウンドになりました。
また、明るい曲調や、親しみやすいメロディーも
増えてきました。

リック・ウェイクマンが④「Sabbra Cadabra」に
キーボードでゲスト参加、
ブラック・サバスのメンバーたちもシンセ、メロトロン、
オルガン等のキーボード類やフルート、ティンパニを使用。

⑧「Spiral Architect」では何とストリングスまでフィーチャー。
その壮大なサウンドはそれまでにないものでした。

以前からのヘヴィーな持ち味はそのままに、
よりモダンな作風を目指しているように感じられます。

⑤「Killing Yourself to Live」は従来のお得意パターンで
作られていますが、どことなく現代的な感じがします。

あと、若干バンドの勢いが落ちてきている感がありますね・・・

・Sabotage (1975/6th/輸入CD)

好き度★★★☆☆
超重量級の「Hole In The Sky」で幕を開け、
ヘヴィー路線に戻ったか?と思わせます。

カッコいいリフの嵐の③「Symptom Of The Universe」、
陰鬱な④「Megalomania」もあるが、聴き進めていくと
前作同様にモダンな作風を目指しているように感じます。
ただ前作ほど多様な楽器を使用していないので
サウンドの重さが際立っています。

あと、オジーのヴォーカルが冴えてますね!

・Technical Ecstasy (1976/7th/輸入CD)

好き度★★★☆☆
ヒプノシスが担当したジャケットは随分イメージが変わりますね。

出来は全然悪くないアルバムです。
『Sabbath Bloody Sabbath』以来の路線を推し進めた作風で、
バンドの持ち味がよく活かされています。

ただ少々マンネリ感があるのもまた事実です。
今回の聴き返しであらためて聴いてみれば
いいアルバムだとは思うんですが、
初期の勢いがあるアルバムとどちらが
プレーヤーにかける回数が多くなるかと言えば、
やはり初期の作品に軍配が上がってしまいます。

とは言え①「Back Street Kids」にリフはカッコイイし、
プログレ的な②「You Won’t Change Me」も秀作!

ちなみに③「It’s Alright」ではドラマーの
ビル・ワードがリード・ヴォーカルを取っています。
ちょっとリンゴ・スター的な歌声を聴かせてくれます。

・Never Say Die! (1978/8th/輸入CD)

好き度★★★☆☆
1977年末にオジーが脱退、一時違うヴォーカリストで
ライブ活動を行うも、3ヶ月でオジーが復帰して制作された。

前作と同様、悪い出来ではないものの、
インパクトという面ではあまり強くないですね。

こうやって1stから順番に聴いてくると、
サバスもずいぶんポップでモダンになっているのが
よくわかります。
しかも流行りに日和るのではなく、
サバスらしさを失っていないのはさすが!

⑨「Swinging the Chain」ではまたビル・ワードが
ヴォーカルを担当。
前作の時とはイメージが違う。

ジャケットは再びヒプノシス。らしいな~

本作をリリース後、またオジーは脱退してしまいます。

・ Heaven and Hell (1980/9th/国内LP)

好き度★★★★★
本作からヴォーカリストに元エルフ、レインボーの
Ronnie James Dio(ロニー・ジェイムス・ディオ)が参加。
初めてオリジナル・ラインナップ以外で制作された
アルバムとなりました。

前作までのオジー在籍時の後期のアルバムも
けっして悪くないけれど、本作ではやはり
心機一転、一から出直し感が強く、
吹っ切れたような勢いがあります。

①「Neon Knights(ネオンの騎士)」の疾走感、
1stアルバムの頃のダークさを思い起こさせる
④「Heaven and Hell」など聴きどころ満載!

時代的にも
ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル
(NWOBHM)が一気に花開いた時期であることも
追い風となったでしょうか、アルバムは大ヒット!
新時代のモダンなヘヴィー・サウンドと、
サバスが持つダークな世界観が同居する、
見事な復活作となりましたが、
そのダークさはオジー時代のものとは若干違い、
ねちっこさがあまり無いかな?

独特の声質と存在感を持つオジーと、
圧倒的な歌唱力のロニーでは違って当然か。

余談ですが、私がサバスのアルバムで初めて買ったのが本作でした。
中学生の時だったと思います。
当時お世話になっていた地元のレコード店のお兄さんに
薦めていただいて・・・
その流れで、次に聴いたのが同じくロニーがヴォーカルの
『Live Evil』でしたので、しばらくは
後追いで聴いたオジーのヴォーカルに違和感がありました。
今はもうそんなことはありませんが。

当時新品で買ったLPレコードは
もうすぐ40年が経とうかというのに今でも超美品です!
大事にしてたんだなあ・・・(笑)

・Mob Rules (1981/10th/輸入CD)

好き度★★★★
健康状態の問題を抱えていたドラマーのビル・ワードが脱退、
Vinny Appice(ヴィニー・アピス)が加入。
ヴィニーはあの名ドラマー、カーマイン・アピスの弟です。

なんか、あまりいい評価を聞かないアルバムですが、
何故だろう?
前作と遜色無いと思うんだけどなぁ・・・

ヴィニー・アピスはビル・ワードに比べてより
手数が多く、ロックっぽい。

本作を最後にロニー、ヴィニー側と
トニー、ギーザー側に分裂、ロニーはディオ結成へと動く。

・Born Again (1983/11th/国内LP)

好き度★★★★
邦題『悪魔の落とし子』。
ライヴ・アルバム『Live Evil』を残し、
ロニー、ヴィニーは脱退。

新ヴォーカリストは何と元ディープ・パープルのイアン・ギラン!
このニュースを聞いた時、まだ純真な中学生だった私は
「なんじゃそりゃ!何でもアリか!」と思ったものです。

ちょうどこのくらいの時期から、大物バンドの再結成とか、
元々ライバルであったミュージシャンによる新バンド誕生とかが
目立ち始めたのです。
それが何となく、行き場を失った人や人手不足に悩む
ミュージシャンたちの相互助け合いみたいに見えて、
私はちょっと冷ややかな目で見ていました。

自分としてもリアルタイムの音楽より、
60~70年代の掘り下げに興味が移りつつある頃でもあり、
本作もリリース当時聴きはしたものの買わず、
最近になって中古レコードがめちゃ安かったので
買ってみました。

前置きが長くなりましたが聴いた感想は・・・
ブラック・サバスに駄作なし!

トニー・アイオミは相変わらずの
天才リフ・メイカーぶりを発揮。

問題のイアン・ギランも、のびのびと
よく「らしさ」のあるヴォーカルを披露。
意外によく合ってんじゃん?
というよりも、バンド側がギランに合わせたのかな?
という気もちょっとしますね。
⑤「Zero the Hero」、⑦「Born Again」、
⑨「Keep It Warm」あたり、そんな感じ。
特に⑨のギラン、いいわ~💛

ロニーの時もそうですが、
ブラック・サバスとしてのダークな世界観は保ちつつ、
その時々のヴォーカリストをちゃんと立ててるんですね。

イントロで挨拶代わりのギランのシャウトが入る
①「Trashed」が凄く好きなんですが、
この曲だけ音が悪いのが気になる・・・

なお、ドラマーにはオリジナル・メンバーの
ビル・ワードが復帰。やっぱサバスには
この人のドラムが合うなあ。
しかしアルバム完成後、再び健康状態悪化で脱退・・・

本作以降はメンバーの出入りが激しくなり、
集合したり、また離れたり。
私はこれ以後のアルバムは持ってません。

オリジナル・ラインナップでのライヴ、見たかったなぁ。
 

ライヴ・アルバム

 

・Live at Last (1980/輸入CD)

好き度★★★★
リリースされたのは’80年ですが、録音は’73年のもの。
本人たちの承諾無しに、権利を持つレコード会社が
勝手にリリースしたらしいです。

しかしながらオジー在籍時の’70年代の演奏を聴ける
唯一のライブ盤として貴重でした。
「でした」というのは、後にこのライブにもう一枚、
同時期のライブを加えた2枚組として
『Past Lives』というアルバムがリリースされたため。

録音状態も、お世辞にもいいとは言えないのですが、
この音質の悪さがかえってアンダーグラウンド感を
強調する効果も生んでたりして、
何がプラスに働くかわからんもんだなあ。

演奏も非常に粗いがテンションは高く、
若い彼らの勢いある演奏を楽しめます。

・Live Evil (1982/輸入LP)

好き度★★★☆☆
アルバム『Mob Rules』発表後、
ヴォーカルがロニー・ジェイムス・ディオ、
ドラムがヴィニー・アピスという布陣で録音された、
初の本人たち公認のライブ盤で、
LP2枚組というボリュームで発売されました。

ロニー加入後の曲はもちろん、オジー時代の名曲も多数収録。
前任者はカリスマ的存在感のあるヴォーカリストだったし、
声も独特だったのでさぞややりにくかったのではないかと
思ったりもしましたが、
そこは稀代の圧倒的な激ウマ・ヴォーカルのロニー。
オジーとは違った味わいで初期の曲を
おどろおどろしく歌い上げていて見事!

ただねえ・・・このアルバムもなんか音が良くないんだよなぁ。
全体的に終始モコモコしてて、
尺も長いだけに飽きてしまう面がありもったいないです。
’81~’82年頃の録音ならもう少し音良くてもいいのに。

あと、ヴィニー・アピスのドラムの音は
非常に特徴があり、好みが分かれるところ。
私はあんまり・・・上手い人なんですけどね。

今回は長かった~

ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!

 

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おざきゆうすけン家の棚no.36 BLACK SABBATH

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