毎度どうもです!
今回はこの女性シンガーです。

ANNE BRIGGS(アン・ブリッグス)U.K.

Anne Briggsは’70年代初期に活躍したフォークシンガー。
彼女を表すキーワードとしては、
ブリティッシュ・トラッド/フォーク/
でしょう。

このトラッド/フォークという世界はどうやらハマると
泥沼のような世界らしいです。

私は評論家でも音楽史研究家でもないので、
このジャンルについて詳しく語れませんが、
どうやら私はこのイギリスやアイルランドなどに伝わる
伝統的なメロディーがかなり好きなようです。
前世はこの地方の人間だったのでしょうか。
自分ではドイツ人だったと思っているのですが。

それはさておき。
詳しく知りたい方は資料や文献を検索していただくとして、
私の無い知識なりにまとめてみますと、

・イギリスに伝わる民謡や伝承歌が、
アメリカのフォークソングの影響を受けて発展した。

・民謡や伝承歌の純粋な発掘・保存といった趣のものから、
それらを理解・消化した上でのオリジナル・ソング、
演奏形態も無伴奏の独唱やアコギのみのシンプルなものから
エレクトリック楽器をも用いたロックバンド仕様まで、
非常に多種多様である。

・独特の、共通した雰囲気や音階があり、それらを用いない
フォークやアコースティック・ミュージックとは分けて
カテゴライズされる場合が多いが、
その中間に位置するようなミュージシャンも多く、
実際の境界線は曖昧である。

・歌詞の内容が労働歌や反戦歌の場合も多いせいか、
左派の集会等で歌われる事が多かった。

・・・とまあ、こんなところでしょうか。

そして、このAnne Briggsです。
トラッド(とここでは簡単に表記します)の代表的シンガー
でありながら、わずか2枚のアルバムをリリースしただけで
ぱったりと姿を消した謎の多い歌手でもあります。
可憐な歌声と美貌で「英国フォークの永遠の恋人」
などと言われていたそうです。
引退後はほとんど表に出ることはないようです。

それでは作品ご紹介!
・ANNE BRIGGS(1971/1st/輸入CD)
好き度★★★★
英国フォークの名門レーベル、TOPICよりリリースされた
ファースト・アルバム。
全10曲中9曲がトラディショナル・ソングで1曲のみが
本人のオリジナル。
無伴奏の独唱の曲が多く、楽器演奏者の私としては
その手はちょっと興味がそそられない面もありますが、
彼女の手によるギターやブズーキ(マンドリンのような復弦楽器)
の伴奏が付いているものはとても素晴らしいです。
それらの楽器の腕前もかなりのものと思われます。
1曲のみ、Johnny Moynihanなる人物との
ツイン・ブズーキによる③「Willie  O’Winsbury」もあります。

私の所有するのは2019年リイシューされたバージョンで、
輸入盤に日本語の帯だけが付いたもの。
ブックレットに掲載された写真も秀逸!

・THE TIME HAS COME(1971/2nd/国内CD)

好き度★★★★★
トラディショナル・ソングが多かった前作から一転、
全13曲中8曲がオリジナル(共作含む)、
他者の作品が4曲、トラッドは1曲のみ。
ソングライターとして飛躍的に進歩した上に、
その非凡な才能を開花させた名作。
昔から国内盤が出ていた事もあり、最も有名な一枚でしょう。

邦題は『森の妖精』。
そういうタイトルの曲は入っておらず、
恐らくジャケット写真のイメージから名づけられたか。
ブズーキを肩に担いで森に佇む素晴らしいジャケットです。

オープニングを飾る「Sandman’s Song(夢の国から)」からして、
トラッドの雰囲気を十分に湛えながらも、
それらを見事に独自の世界で表現した傑作。
以降も、素晴らしいギター、
又はブズーキの伴奏による名曲が並ぶ。
素朴、と言ってしまえば確かにそうです。
大ヒットするような音楽でもないかも知れませんが、
まるでダイヤモンドのような輝きを放つ名盤!

・SING A SONG FOR YOU(1996/3rd/輸入CD)
好き度★★★★★
1973年に3rdアルバムとして録音されながら
お蔵入りとなり、後に発掘音源として日の目を見た作品。
一体なぜこれがお蔵入りに?というほどの内容を持つ好作品。

これまでと一番違うのは、複数のゲストミュージシャンによる
バンドサウンドやヴォーカルハーモニーの導入。
1st、2ndのように独唱、或いはギターのみの伴奏、
という曲が延々と続くというのは、
マイナス面として取っつきにくい、
変化に乏しくて飽きる、といった事も生じかねないですが、
本作では曲によりドラムやエレキギター、エレキベース等も使用。
フォーク好きの人以外でも入って行きやすい
音作りになっています。
他にヴァイオリン、リコーダー(?)等も確認出来ます。
もちろん独唱曲も入ってます。

中でも私が大好きなのが④「I Thought I Saw You Again」。
終始、ツイン・ブズーキによるハモリのようなバッキングに、
お祭りの太鼓のようなドラムがリズムを刻み、
その間を伝統的な歌唱のヴォーカルが寄り添う。最高!

※伝統的な歌唱、と書きましたが私に確かな知識が
あるわけではありません。しかしこのトラッド系の
女性ヴォーカルを何人か聴いていて、
ある種の共通した歌い方のようなものがあるんじゃないか、
と思うことがあります。
それが何なのかは上手く説明できないんですけれど。

以上が私ン家の棚にあるアルバムです。
オリジナルアルバムといえるものは全部ありますね。

かく言う私もバンドの楽器演奏者なので、
あんまり純粋なフォーク・ミュージシャンのアルバムは、
ずっと歌とギターの伴奏のみだと飽きそうだなという
先入観があり、持っていないんです。

しかしAnne Briggsの場合、その先入観よりも
音楽性への興味の方が勝った、と言えます。
イギリスのフォーク特有の素朴でどこか哀愁漂う
メロディーやコードに何故か強く惹かれるんですよねー

では、今回はこの辺で。ありがとうございました!

おざきゆうすけン家の棚no.14 ANNE BRIGGS

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