FOREIGNER(フォリナー)U.S.A.

今回は数々のビッグヒットを放ったこのバンドです!

フォリナーは1976年、
イギリスからアメリカに渡った
・Mick Jones(ミック・ジョーンズ)g,vo
・Ian McDonald(イアン・マクドナルド)g,key
・Dennis Elliott(デニス・エリオット)ds
の3人と、
・Lou Gramm(ルー・グラム)vo
・Ed Gagliardi(エド・ガリアルディ)b
・Al Greenwood(アル・グリーンウッド)key
のアメリカ人とで結成された英米混成バンド。

イギリス組のミック・ジョーンズは
元スプーキー・トゥース、
イアン・マクドナルドは元キング・クリムゾン、
デニス・エリオットは元イフと、
’60年代から活躍しているベテラン。
アメリカで若手3人と意気投合した、
っていうところでしょうか。

結成の地はアメリカとのことなのでUSAとしました。

ハードロックを基本としながらも、
’70年代後半~’80年代にかけバラード調の
ヒット曲を多数飛ばしました。

そのスタイルはよく「産業ロック」などと
揶揄されたりもしましたが、
産業ロックだろうが何だろうがいいモノはいいと
納得させるだけの高いレベルであることは
間違いありません。

しかしフォリナーというのは不思議なバンドでもあります。
洗練されたヒット曲を連発する一方で、
どこかもっさりとした野暮ったさも同居しています。

それはフリーやバッド・カンパニーにも通じる
重たいノリであったり泥臭さだったりします。

また、特別スター・プレイヤーがいるわけでもないし、
アイドル的なイケメンがいるわけでもない。
ルックスはいたって地味、
楽曲だってオーソドックスなもので派手さもない。

それでも数々のビッグ・セールスを記録しているんだから
本当に曲の良さだけで売れているんでしょう。

では、所有アルバムを見ていきましょう!

・Foreigner(1977/1st/国内LP)

好き度★★★☆☆
邦題は『栄光の旅立ち』。
デビュー作でありながら、すでにベテランの
ミュージシャンたちによって作られたアルバム、
バンドの世界観のようなものは出来上がっています。

①「Feels Like the First Time」
でのシンセサイザー多用+ハードなギター+
キャッチーなコーラス、
というスタイルは当時流行だった
アメリカン・プログレ・ハードにも通じます。

①と共にヒットした②「Cold as Ice(つめたいお前)」
も、後に続々飛び出すポップなヒット曲の
ひな型のよう。

しかし一方ではドラム・サウンドに注目してみると、
とてもこれから新時代に向けているとは思えない、
オールド・テイストな音をしています。
こういうところがまたフォリナーらしい・・・
のかもしれません。

・Double Vision(1978/2nd/国内CD)

好き度★★★★
個人的には一番、泥臭さを感じるアルバム。

全米3位となった①「Hot Blooded」は、
フリ-の「オールライト・ナウ」を思わせる
見事なギター・リフ、
ルー・グラムの高音が伸びやかなヴォーカル、
ヘヴィーなリズム隊と、
フォリナーのいいところがいっぱい詰まった
ハードロック。
同時にキャッチーさも持ち合わせた名曲!
この曲が、フォリナーを買って聴いてみようと
思ったきっかけだったんですよ(^^)

それ以降も、ポップだが泥臭く、
洗練されたようで野暮ったい、
オーソドックスなのに不思議な楽曲が並ぶ。
↑ホメてんのかね、コレ?

・Head Games(1979/3rd/国内CD)

好き度★★★★
前2作と比べてややラウドさが感じられる。
それは①「Dirty White Boy」、③「Women」、
⑤「Seventeen」などに顕著で、
ポップさは相変わらずでもハードロック・バンドである
事を多少強く打ち出したのでしょうか。
デニス・エリオットのドラムが小気味いい。

本作からベースがRick Wills(リック・ウィルス)に交代。
イギリス人で、この人もまた’60年代から活躍しています。

・4(1981/4th/国内CD)

好き度★★★★
初の全米アルバムチャート1位に輝く。Agent Provocateur
前作を最後にイアン・マクドナルドと
アル・グリーンウッドが脱退。

タイトルは4作目と、4人編成になったという
意味が込められています。
という事で作詞作曲に関わるのはジョーンズ、グラムのみ。

キーボード、管楽器を担当していたメンバーが
脱退したため、それらを補うため多数の
ゲストミュージシャンが参加。

いよいよ産業ロック化はスピードアップ?
全米4位のヒット曲⑥「Urgent」は
まるでニューウェーブのよう。

私のお気に入りは⑤「Luanne」。
ノリがよく、ポップで可愛らしい小曲といった風情ですが、
中間部のギターにはブリティシュ・ロックの
意地みたいなものを感じます。

・Agent Provocateur(1984/5th/国内CD)

好き度★★★★
前作から3年5ヶ月がたち、
その間にシーンも変わったことでしょう。
その時代性を反映したサウンドになったという事かな?
とにかく音が違う。

よく言えば洗練された、
一方で作り込まれ過ぎ・・・な感じもします。

曲調も、ハードロック路線とバラード路線の
二極化がハッキリして来たように思います。

③「I Want to Know What Love Is」はシングルとして
全米、全英の両方で1位を獲得、
’80年代を代表するロック・バラードとなりました。
聖歌隊の参加で荘厳な曲調。

一方で⑤「Reaction to Action」や
⑥「Stranger in My Own House」といった
ハードな曲もはよりハードに、といった傾向も。

特に⑤はドラムのサウンドに耳がいく。
元々、非常に重たいノリのデニス・エリオットの
プレイを存分に活かしたアレンジ。
先にも書いたように、作り込み過ぎな感じも
無きにしも非ず、ですが・・・

内容的にも、バンドのピーク時を記録したアルバムとして
聴きごたえ十分な作品ですが、
つくづく、このバンドの魅力は
ルー・グラムの高温の伸びが素晴らしいヴォーカル、
そして派手さは皆無ですが職人的なミック・ジョーンズの
ギターだなと思います。
本作でのギターのオーバードライブ・サウンドは
枯れた感じでトレブリー、いい音です!

しかし本作以降バンドは下降線を辿るようになり
相次ぐメンバーの脱退を引き起こします。
その中には”ヴォイス・オブ・フォリナー”と言われた
ルー・グラムも含まれます。

・Mr. Moonlight(1994/8th/国内CD)

好き度★★★★
リーダーのミック・ジョーンズはバンドを再編、
ルー・グラムも復帰しました。
その2人以外は全員交代しています。

フォリナーの二枚看板が揃っての本作は
なかなかの力作だと思いますが、
全米チャートでは136位に終わりました。

相変わらずの産業ロック路線ではありますが、
ジョーンズ、グラムのソングライター・チームは
かなり気合いを入れて曲作りに当たったんじゃないでしょうか。
イイ曲揃いで、素通りするのは
もったいないアルバムだと思います。

私が所有するのは以上ですが、
バンドは今も存続するようです。
そういえば一時期、ドラムに
ジェイソン・ボーナムが参加していた時もありましたね。

ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!

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