no.178
MOUNTAIN(マウンテン)U.S.A.
こんにちは!
今回はマウンテンです。
マウンテンはアメリカン・ハード・ロック草創期を
代表するバンドで、不世出の天才巨漢ギタリスト、
レスリー・ウェストを擁していた事で知られる。
バンドの実質的リーダーはフェリックス・パパラルディ。
この人、クリームのアルバムをプロデュースした事で
広く知られる音楽プロデューサー、アレンジャーだが
自身もプレイヤーでもあった。
自身がプレイヤーとしてやりたい事を実現するため、
プロデュース業で知り合ったウェストと組んだのが
このマウンテンというバンド…
というところでしょうか。
1967年、パパラルディはヴァグランツという
バンドのアルバムをプロデュースするが、
そこのギタリストがウェストだった。
さらにパパラルディはウェストの
ソロ・デビュー・アルバムもプロデュース。
そのタイトルが『マウンテン』であり、
参加ミュージシャンたちと自分自身も加わり
このプロジェクトをバンド化させたのが
マウンテン…というのが大まかな流れです。
デビュー時のメンバーは
・Leslie West(レスリー・ウェスト)g,vo
・Felix Pappalardi(フェリックス・パパラルディ)b,vo
・Steve Knight(スティーヴ・ナイト)key
・Corky Laing(コーキー・レイング)ds
の4人。
既にドラマーは結成時とは代わっている。
では、所有アルバム紹介と行きましょう!
・Climbing!(1970/1st/国内CD)
好き度★★★★☆
恐らくはマウンテンの楽曲で最も有名な曲、
シングルとしてもヒットした
①「Mississippi Queen」収録。
まずその音圧に圧倒される。
巨漢、レスリー・ウェストの見た目通りの
ド迫力のヴォーカルとギター・サウンド。
きっとライブでは爆音だったのだろうと想像させる、
3分に満たないシンプルなロックンロール。
ではこれがマウンテンの定番スタイルかと言うと、
決してそれだけではない。
①はウェストがヴォーカルを取るが、
アルバム全体ではウェストとパパラルディが
半々でヴォーカルを分け合う。
恐らくは歌っている方が作曲を主導したのでしょう。
パパラルディが歌う曲は、これまでプロデューサー、
アレンジャーとしての経験、
また大学でクラシック音楽を学んだ事も
投影したと思われる凝った曲が多い。
キーボードを効果的に使い、
アート・ロック、プログレッシブ・ロックの
香りがする。
アメリカのバンドながら、どこか
ブリティッシュ・ロック的な叙情性が感じられるのも
そのせいかも知れません。
そこにウェストの豪快さと繊細さを兼ね備え、
感情をメロディに乗り移らせるようなギターが
きっと必要不可欠だったのでしょう。
そんな中、アコースティック・ナンバーの
⑦「The Laird(支配者)」は、どこか異国情緒漂う、
ヴォーカルのメロディが秀逸な名曲!
・Nantucket Sleighride(1971/2nd/国内CD)
好き度★★★★☆
1stに続き、印象的なジャケット・アートは
パパラルディの妻、ゲイル・コリンズによるもの。
ゲイル・コリンズはマウンテンの作曲や
ステージ衣装の制作などにも関わった。
前作でもそうだったが、
ハード・ロック志向のウェスト作品と、
プログレ志向のパパラルディ作品の
傾向の違いがより明確になった感じ。
実際、3rdアルバムまで出した後、
両者の対立が大きくなって’72年に
バンドは解散した。
その後数度の再結成があったが
活動期間が短く、作品数も多くない。
パパラルディが’83年、妻のコリンズに
銃で射殺されるという悲劇的な死を迎えたほか、
ウェスト、ナイトも死去。
存命中のメンバーはレイングのみとなっている。
ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!
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