no.154

LATTE E MIELE(ラッテ・エ・ミエーレ)ITALIA

どもー!お久しぶりです。
前回に続きイタリアからラッテ・エ・ミエーレを
ご紹介いたします。

ラッテ・エ・ミエーレは1972年にデビューした
プログレッシヴ・ロック・バンド。
ユーロ/イタリアン・ロック/プログレ界では
高い人気がある方だと思います。

メンバーは
・Marcello Giancarlo Dellacasa/g,b,vln,vo
・Oliviero Lacagnina/key,vo
・Alfio Vitanza/ds,vo
の三人。いわゆる”キーボード・トリオ”という編成。

国内盤CDも出ており比較的入手し易い。

では所有アルバム紹介です!

・Passo Secundum Mattheum(1972/1st/国内CD)

好き度★★★★★
邦題は『受難劇』。
キリストの受難に材を取ったコンセプトアルバム。

比類なき世界観を構築した、という意味では
私がこれまで聴いてきた中でも
最高峰に位置すると言っても過言ではありません。

売れる、売れないとか関係なく
自分たちの作りたいものに突き進んでいった結果
こうなった…という印象。

大々的に混声合唱団をフィーチャーしており、
全編が荘厳な雰囲気に包まれる。
曲調はクラシカルなものが多いが、
ジャズやヘヴィ・ロックまで網羅した幅広いもの。

とにかく、やる側の情熱が物凄く伝わるアルバム。
その情熱が熱すぎるゆえ、
暴走気味だったり破綻寸前な箇所も見受けられるが
そんなことは全く気にならないほど、
“熱さ”の方が勝っている。

私はキリスト教徒でもなければイタリア人でもないので
例え国内盤ライナーに記載の、
歌詞の日本語訳を読んだとしても
この作品の意味をどれだけ理解できているかは
疑わしいところだが、
少なくとも音だけ聴いていても熱さや世界観の
一端は十分に感じ取れる。

英語圏の、ヒットチャート中心の音楽だけを
聴いているのでは絶対に出会えない、
傑作中の傑作!

・Papillon(1973/2nd/国内CD)

好き度★★★★★
邦題は『パピヨン』
前作の翌年、同じメンバーで制作された2nd。
実は私が聴いた順番はこちらが先でした。

前作に比べると随分とソリッドで、
整合感を増したキーボード・ロックを展開。
キーボード・トリオと言えば…のEL&Pを
連想させる演奏です。

タイトル曲「Papillon」と、「Patetica」の
2つの組曲と2つの小曲からなる。

やはり「Papillon」の存在感がすごい。
映画化もされた同名小説をモチーフにした大作で、
(本人たちの弁によると違うみたいだけど)

何度となく登場する主題に載せた歌詞が
ナレーションとなっており、
物語が進められていく。

オーケストラも使用されているが
あまり大々的ではなく、
基本的にはバンドの演奏が前面に出ている。
特にドラムはかなりアグレッシブ!

前作にも通じる、たおやかな、
かつ壮大なメロディーを浴びていると
幸福感に包まれるほど。

1stほどのインパクトはないものの、
本作もまた秀作だと思います。

・Aquile e scoiattoli(1976/3rd/国内CD)

好き度★★★★
邦題は『鷲と栗鼠』。
素晴らしい内容の前2作を残したオリジナル編成は
長続きしなかったようで、
2ndから3年後にリリースされた本作では
ドラマー以外はメンバーが一新されている。

新加入したのは
・Mimmo Damiani/key,g,vo
・Luciano Poltini/key,vo
・Massimo Gori/b,g,vo
の3人。

ツイン・キーボードの4人編成となっている。

また、バンド名のLATTEとMIELEの間の「E」が
無くなり、LATTE MIELEになった。

音的には、やはり’70年代前半だった前2作と、
同後半の本作ではかなり違っています。

随分とまあ、整合感とタイトさを前面に出し、
聴きやすくなったな、という印象。
以前のような大々的なコンセプトも無く、
曲調もポップ。

だからといってつまらないワケではなく、
なかなかの秀作だと思います。
聴きやすくなった分、
むしろ取っ付きやすいかも。

短めのヴォーカル・ナンバーを集めた前半(旧A面?)
もいいし、
プログレッシヴ・ロック・バンドとしての感性は
後半のインスト・ナンバー2曲に息づいている。

特に23分以上に及ぶ⑤「Pavana」は聴きごたえ十分。
時代なりのシャープなシンフォニック・インスト。
唯一のオリジナル・メンバー、
Alfio Vitanzaのドラムが相変わらず
アグレッシブなのが嬉しい。

…バンドはこれ以降、’80年代初期に解散。
2000年代に入りオリジナル・メンバー3人に
’76年時のメンバーを加えた形の5人編成で再結成され
アルバムをリリース、2011年には来日も果たしました。

ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!

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おざきゆうすけン家の棚no.154 LATTE E MIELE

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