あけましておめでとうございます!
2022年もよろしくお願いします!🐅
早速、新春一発目、いきます!
FORMULA 3(フォルムラ・トレ)ITALIA
久々にイタリアものです!
フォルムラ・トレはイタリア・ポップス界の重鎮、
ルチオ・バティスティのバック・バンドを経て
’69年にバンドとして独立。
世界的な成功を収めたP.F.M.と並び称される
存在でもあったという事です。
P.F.M.ほどの息の長い活動は出来ませんでしたが
4枚のアルバムを残して’74年に解散。
結成~’74年までのメンバーは
・Alberto Radius(アルベルト・ラディウス)g,vo
・Gabriele Lorenzi(ガブリエーレ・ロレンツィ)key,vo
・Tony Cicco(トニー・チッコ)ds,vo
の3人。
その後は幾度か再結成しているようです。
その作風ですが、1、2枚目はほぼ同傾向ですが
3、4作目はそれぞれかなり違っていますので
1枚ずつ紹介していきましょう!
・Dies Irae (1970/1st/輸入CD)
好き度★★★★☆
このファースト、ジャケットの見た目通りのサイケ。
しかもヘヴィ・サイケです。
編成的にキーボード・トリオ、
それもベースレスのトリオです。
一般的にベースレス編成の場合、
キーボードか、ベース・ペダルを用いて
低音部を補うスタイルが多いかと思うんですが、
ここではそういう手法はあまり見られません。
一部、ギターにオクターバー?のような
エフェクトをかけ、低音を効かせていますが、
当然それはベース的なプレイではないので
一種、独特なスタイルを作り上げています。
曲はほとんどプロデューサーでもある
ルチオ・バティスティの作で
1曲だけ英語詩のカヴァー曲を収録。
曲そのものはポップなのですが、とにかく
演奏がハード&ヘヴィ。
で、しかも結構フリーフォームな感じの演奏で
ベースレスだから、ちょっと掴みづらいと感じることが
あるかも知れません。
しかし3人が割と好き勝手に、
ちょっと暴走気味にプレイするのは
クリームなどのロック・トリオを思い起こさせるし、
例えば⑧「Sole Giallo Sole Nero」での
軽快なポップ・ロックがインプロビゼーションによって
次第に崩壊していく様は痛快でもあります。
荘厳な①「Dies Irae」はレクイエムが元になっている
そうですが激ダークなアレンジがスゴイ!
・Formula 3 (1971/2nd/輸入CD)
好き度★★★★☆
前作と同じ傾向の2nd。
とにかくオープニングの「Nessuno nessuno」
のカッコ良さに尽きます。
前作からのヘヴィ・サイケな世界を展開。
曲の良さ、演奏の暴れ具合、
各メンバーの存在感のバランス等が絶妙!
時代性も感じさせてくれる一曲
(実際にはその時代を知らないから、
想像でしかないんですけどね)。
本作も全曲がルチオ・バティスティの作、
歌詞はバティスティの相棒的な作詞家、
モゴールの手によるもの。
⑧「Mi chiamo Antonio Tal dei Tali」の
暑苦しさもいい。
いくつかの曲ではアコースティック・ギターも
使用され、その辺の雰囲気は
4作目に通じていく・・・のかも。
・Sognando e risognando (1972/3rd/国内CD)
好き度★★★★☆
邦題は『夢のまた夢』。
前作までのヘヴィ・サイケ路線から一転、
プログレ大作に挑戦した一枚。
全4曲中、3曲が組曲形式の大作となっています。
また、うち2曲が初のメンバーによるオリジナル。
タイトル曲①「Sognando e risognando」は
a~dの4パートに別れた組曲。
それぞれの繋がりはあまり感じられませんが、
cのエンディングはカタルシスがある。
④「Aeternum(永遠)」はプログレ大作として
聴きごたえのある力作。
ヴォーカルのメロディも美しいし、
キーボードの洪水的な展開もいかにもな感じ。
また、本作でのアルベルト・ラディウスのギターは
流麗で音色も素晴らしい。
さすが、イタリアを代表するロック・ギタリストです。
あと、本作ではところどころ、
エレキベースも使用している模様です。
それにしても、ジャケの絵が気持ち悪い・・・
・La Grande Casa (1973/4th/国内CD)
好き度★★★★☆
フォルムラ・トレ最終作となる4枚目は、
ヘヴィ・サイケ~プログレを通って、
歌ものに帰結した、といったところでしょうか。
コンパクトな楽曲が並びます。
全体的にアコースティック・ギターの比率を上げ、
ポップで短い楽曲にプログレっぽいアレンジの
キーボードで抑揚をつけるスタイルを確立。
さらにベースの使用頻度も上がり、
アンサンブルとしても非常に聴きやすくなりました。
②「la ciliegia non è di plastica(人口自然)」の
アコギによるカッティングでは、
わざとチューニングを狂わせたような
遊び心も見せ、余裕も感じさせます。
イイ曲揃いですが、これまでと違い
全曲がメンバー自身の作曲によるもの。
本作を最高傑作に挙げる向きも多いですが、
残念ながらこれが最後のアルバムとなりました。
・1990 (1990/5th/輸入CD)
好き度★★★☆☆
1990年、再結成しての最初の作品。
ほとんどが過去の楽曲の再レコーディングで、
非常に聴きやすくタイトなアレンジ、
かつサウンドも’90年代仕様となっています。
こうやって聴くと、初期のドロドロ・アレンジの曲も
素材はとてもシンプルだったことがわかる。
まあ、マニア向けの一枚、かも知れません。
その後もバンドは活動を継続、
2013年には来日し、川崎クラブチッタ公演を収録した
ライブ・アルバムも発表しています。
以上です!
お付き合いいただきありがとうございました!
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