今回は、ハードロックの巨星!
DEEP PURPLE(ディープ・パープル)U.K.
長くなってしまったので2回に分けることにします。
(ただの回数稼ぎだったりして)
今回はスタジオ・アルバム編!
レッド・ツェッペリンと並び、
ハードロック界の双璧と称されたり、
ブラック・サバスを加えて3大バンドと言われる事もある。
私もロックにハマって間もない頃、
中~高校生くらいの時に本当によく聴きました。
ABCのメンバーに言わせると、
私がパープルを聴くイメージが無いそうですが(^_^;)
ギター練習においても、いいお手本でした。
ガチャガチャしてて何を弾いているのか
判別しにくいジミー・ペイジに比べて、
リッチー・ブラックモアのリフはシンプルで分かりやすく、
よくレコードに合わせて練習したものです。
ただしそれはあくまでもリフ、バッキングの話。
ギターソロに関してはリッチーのフレージングは
私にはとても弾きにくかったです。
確かに近年はあまり聴いてなかったなあ。
私が中~高校生というとまだCDはそんなに
普及してなくて値段も高く、
その頃にはまず有名な第二期、第三期から
買っていったので、LPで持っています。
そんなに有名じゃない第一期はだいぶ後になってから
買ったのでCDです。
小遣いを捻出して買った当時の国内LPは
40年近く経った今でも新品のようにキレイです(^^)
今回の聴き返しであらためてやっぱりいいなあ~
と思った次第です。
では所有アルバムを紹介していきましょう!
・Shades of Deep Purple(1968/1st/国内CD)
好き度★★★★★
現在の邦題は『ハッシュ』。
デビューはツェッペリンやサバスよりも早いが、
アメリカのレコード会社からのデビューだったため、
アメリカのバンドと思っていた人も多かったそうです。
デビュー時のメンバーは
・Rod Evans(ロッド・エヴァンス)vo
・Ritchie Blackmore(リッチー・ブラックモア)g
・Jon Lord(ジョン・ロード)key,vo
・Nick Simper(ニック・シンパー)b,vo
・Ian Paice(イアン・ペイス)ds
の、いわゆる「第一期」です。
この頃は、後に一世を風靡するハードロックではなく、
ヴァニラ・ファッジのようなオルガンをメインに据えた
サイケデリックでポップなサウンド。
まだまだ60年代の面影も強いです。
また、意外なほどヴォーカル・ハーモニーも多用しています。
コーラスを付けているのはジョン・ロードと
ニック・シンパーのようです。
カヴァー曲が多いのもこの時期の特徴。
さて、この記念すべきデビュー・アルバム、
後の輝かしいハードロック時代の作品群に比べて
語られる事もあまり多くないようですが、
ヘヴィ・サイケ・ロックの傑作と私は思います。
②「Hush」はジョー・サウスのカヴァーですが、
キャッチーなメロディー、見事なグルーヴを持ち、
シングルとして大ヒット。
この曲でのジョン・ロードのオルガン・ワークは
縦横無尽で本当に素晴らしい!
ロック界屈指のキーボーディストだと認識させてくれる。
同曲は’90年代、クーラ・シェイカーがヒットさせた事も
記憶に新しい。
⑦「Love Help Me」もまたシングル・ヒット。
ノリのいいポップな曲で、
イアン・ペイスのキレッキレのドラミングが小気味いい。
当時まだ20歳だったとは・・・
ちなみにこの頃のイアン・ペイスは瘦せていて
眼鏡もかけておらず、とても美少年であり、
後年との見た目のギャップが大きい(笑)
ジミ・ヘンドリックスでも有名な⑧「Hey Joe」も
これぞヘヴィ・サイケというアレンジの名演。
まだあまり目立っていないリッチーのギター・ソロも
ここでは弾きまくっています。
個人的に大好きなのが⑥「Help」。
もちろん、あのビートルズのカヴァーです。
歌の部分のアレンジもいいんですが、
特に秀逸なのが、原曲には無い
オープニングとエンディングの部分。
オルガンを主体に、ちょっと哀愁ただようメロディーが
淡々と演奏される。
オープニングとエンディングはほぼ同じですが、
エンディングの最後にはさらにリッチーのギターが
ちょっとしたフレーズを奏でるがこれもまたイイ!
この曲の動画がYouTubeで検索すると出てきます。
まだ20代前半(ジョン以外)
の彼らの貴重な姿が見られます。
とてもカワイイですよ(笑)
比類なき完成度を誇る、という表現が当たるかどうか
分かりませんが、自分としてはとても大好きな、
初期の彼らの魅力が詰まった一枚です!
・The Book of Taliesyn(1968/2nd/国内CD)
好き度★★★★☆
現在の邦題は『詩人タリエシンの世界』。
前作が’68年7月リリース、その3ヶ月後の
10月には本作がリリースされたという
信じられないハイペース。
基本的には前作の路線を踏襲していますが、
本作の方がややハードに、
エッジの効いた演奏が多くなっています。
①「Listen, Learn, Read On(リッスン)」や
③「Kentucky Woman」などにその傾向は顕著で、
後のハードロック・スタイルを予感させるが、
そのカッコ良さは特筆モノ!
⑥「Anthem(聖なる歌)」は
ディープ・パープルでは非常に珍しい
アコースティック・ギターが使われる美しい曲。
こういう曲ではロッド・エヴァンスのヴォーカルが
とてもよく合いますね。
前作もそうでしたが、ここでもところどころで
クラシック音楽のモチーフが使われています。
イマジネーション搔き立てられるジャケットもイイですね!
・Deep Purple(1969/3rd/国内CD)
好き度★★★☆☆
邦題は『ディープ・パープル III』。
第一期、最後のアルバム。
この奇妙なジャケットに使われている絵、
見覚えがあります。
ヒエロニムス・ボスというオランダの画家の作の
借用らしいです。
本作ではやや曲調が渋い方向へ向かったか、
あまりキャッチーさは感じません。
演奏自体は相変わらずキビキビとした
キレのいいプレイが随所にみられますが
前2作と比べてちょっと印象に残りにくいかも・・・
12分に及ぶ⑧「April(4月の協奏曲)」は
クラシカルな大作。
恐らくはジョン・ロード主導でこういった
プログレにも通じる路線を展開してきたパープルは、
ヴォーカルとベースを交代。新たに
・Ian Gillan(イアン・ギラン)vo
・Roger Glover(ロジャー・グローヴァー)b
を加え、第二期に突入。
その最初の作品として’69年、
『ディープ・パープル・アンド・
ロイヤル・フィルハーモニック・オーケストラ』を発表。
ジョン・ロード作の楽曲を管弦楽団と共演した
バンド初のライブ・アルバムでもあり、
ジョンのクラシック志向の頂点となったのでしょうが、
(私は未聴なんですよ~)
リッチーはハードロック路線を主張、
次作はガラリと雰囲気が変わった作品となります。
・Deep Purple in Rock(1970/4th/国内LP)
好き度★★★★★
リッチーがイニシアチブを執り、
ハードロック路線に転じた最初のアルバムは
大傑作となった。
徹頭徹尾ハードな演奏に終始。
絶叫するイアン・ギランのヴォーカル、
ロジャー・グローヴァーとイアン・ペイスのリズム隊は
キレのいいグルーヴを生み出す。
そこへ左にギター、右にオルガンをハッキリと振り分け、
この二つがリード楽器であると、
非常にシンプルで分かりやすい、
すぐにパープルであるとわかる
独自のサウンドを作り上げました。
(左右の定位は曲によって逆の時もあり。)
音質的にはそれほど低音は強調されていないのですが、
その演奏で十分ヘヴィさも感じさせます。
代表曲でもある①「Speed King」をはじめ、
どれもブルースからの影響をあまり感じさせない
パープル流ハードロックのオンパレードですが、
特に私のお気に入りは⑦「Hard Lovin Man」。
本人たちですら制御不能のパワーと
スピード感が溢れ出るような、
ここが一つのピークだったのではないかと
思わせるような名演!最高!!
なおエンジニアは、HR/HM系のアルバムを多く手掛け、
後にはアイアン・メイデンの作品をプロデュース
したことでも有名なマーティン・バーチ。
・Fireball(1971/5th/国内LP)
好き度★★★★☆
傑作となった前作と、これまた代表作として
真っ先に名前が挙がる次作『マシン・ヘッド』に挟まれ、
どうもあまり語られる事が少ない本作。
メンバーたちもあまり気に入っていないような
記事を目にしますが、私はもう全然好きですね。
いいアルバムだと思います。
ただし、全体的にサイケデリック返り?
したような印象はあります。
②「No No No」や⑥「Fools(愚か者たち)」の
中間部に見られる幻想的な演奏や、
サイケ色が非常に濃い⑤「The Mule(らば)」の存在が
そう感じさせるのでしょう。
また後のポップ化の予兆のような
③「Strange Kind of Woman」、
珍しくカントリー調?の④「Anyone’s Daughter(誰かの娘)」
など、実はバラエティーに富んだ曲を多く収録。
しかし前作で確立したハードロック路線も健在!
⑦「No One Came(誰も来ない)」は前作の
「Hard Lovin Man」に通ずるハードな曲。
執拗なまでのウラ拍打ちのリフがトランス効果も生む、
個人的にお気に入りの曲です!
・Machine Head(1972/6th/国内CD)
好き度★★★★☆
ディープ・パープル、代表作中の代表作。
何と言ってもロック史に残る名曲
①「Highway Star」、⑤「Smoke on the Water」を
収録、入門編としてもピッタリ。
前者はこのスピード感、ギターの低音源を8分音符で
“ゴンゴンゴンゴン”って弾くリフで
ハードロックのイメージを完成させたような曲。
ギター、キーボードそれぞれにソロもあり、
よくパープルに対して「様式美」という言葉が
使われますが、まるでその権化のようです(笑)
後者はハードロック畑のみならず、
様々なジャンル、国のミュージシャンにカヴァーされた。
ただパープルも一枚ごとに徐々に変化を見せています。
私はこのアルバムに「ポップ化」を感じます。
別に悪いことではありませんけど。
よく計算されてキレイにまとめられているなぁ~と、
ほとんどの曲にそう思います。
その分、「In Rock」で感じたような
制御不能のパワーのようなものはあまり感じられません。
音質も、ちょっと丸くなってきているように思います。
そのあたりが、個人的には星4つにさせて頂いた理由かな。
あくまで個人の好みとして、ですよ(^^)
・Who do We think We are(1973/7th/国内LP)
好き度★★★★☆
邦題は『紫の肖像』。
人間関係の悪化や打ち合わせ不足などにより
一般的にあまり高く評価されているのを見ませんが、
私は結構好きなんですよね。
全体的に曲調の幅が広がっていて、
様式美とはだいぶかけ離れた印象ですが
楽曲の出来は全然悪くない。
確かにリッチーのギターは第二期のアルバム中では
最もおとなしく感じはしますが。
私のお気に入りは、めずらしくアーシーな⑦「Our Lady」。
ありがちなコード進行だけど、カッコイイ!
好き度★★★★☆
邦題は『紫の炎』。前作を最後に
イアン・ギランとロジャー・グローヴァーが脱退、
・David Coverdale(デヴィッド・カヴァデール)vo
・Glenn Hughes(グレン・ヒューズ)b,vo
が新たに加入、バンドは「第三期」へ突入。
タイトル曲である①「Burn」は印象的なギター・リフ、
クラシカルな雰囲気のギターとキーボードの各ソロを持つ
第三期の幕開けを華々しく飾った超代表曲。
前作とは打って変わって生き生きとした
リッチーのソロは素晴らしい!
ヴォーカルが歌っているバックで、
ドラムがフィルインを叩きまくるという
アイデアも型破りで斬新。
グレン・ヒューズはリード・ヴォーカルも取れるので、
ほぼ全編にわたりデヴィッド・カヴァデールと
ヴォーカル・パートを分け合うスタイルで
アルバムが進行します。
声が太くソウルフルなデヴィッド、
ハイトーンが伸びやかなグレン、
タイプの異なる2人のヴォーカリストを得て、
第二期にはなかったハーモニーも多用するようになりました。
音楽性としては、この新加入の2人の影響なのか、
ずいぶんファンキーな要素が増えたような気がします。
聴きようよってはまるで
別のバンドのようになったようにも聞こえます。
しかしまあ総じてテンションも高く、
勢いと成熟度がほどよくブレンドされた
秀作だと思います!
私の所有するスタジオ・アルバムは以上です。
次はライブ・アルバムをご紹介します!
ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!
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