やっと涼しくなってきましたね~
今回はこちら!
BEGGAR’S OPERA (ベガーズ・オペラ) U.K.
出た出た!ザ・B級バンド!
こういうレビュー(と言えるほどの物じゃないですけど)
的な文を書くとき、有名どころよりむしろ
B級の方が面白味があるかも知れません。
まあそれも書く対象にもよるか。
スコットランドで1969年に結成。
B級とは言え、’75年までの間に
6枚のアルバムをリリースするなど、
結構コンスタントに活動していたようです。
’80年と2007年には再結成もしています。
現在も存在するのだろうか・・・?
いわゆるプログレッシブ・ロックとされるバンドで、
コレクターズ・アイテムの多いヴァーティゴ・レーベル、
1stのジャケットをKeefが手掛けた等、
実は話題性も多く、その道のファンには
それなりに知られたバンドです。
しかし私は国内盤CD発売のおかげで簡単に入手しました。
結成時のメンバーは
・Ricky Gardiner(リッキー・ガードナー、g)
・Alan Park(アラン・パーク、key)
・Martin Griffiths(マーティン・グリフィス、vo)
・Marshall Erskine(マーシャル・アースキン、b)
・Raymond Wilson(レイモンド・ウィルソン、ds)
の五人。
私は初期の3枚を所有。以下、ご紹介していきます!
・Act One (1970/1st/国内CD)
好き度★★★★☆
強烈な印象を残す衝撃の1stアルバム。
ザ・B級!もちろん褒め言葉です。
このアルバムの特徴は、
①「Poet And Peasant」によく表れていると思います。
原曲はクラシックに材を取っているようですが、
シリアスなのかふざけているのかギリギリの線のヴォーカル、
中ほどで挿入される、ドタドタしたリズム隊に乗せて
繰り広げられるソロ合戦。
とても洗練されているとは言えないアレンジだが
一気に聴かせてしまう勢いがあります。
それをより誇張したような④「Raymonds Road」。
①のソロ部分だけを引き延ばし、しかも
クラシックの曲をつなげただけのような強引な曲です。
しかしクラシックにそれほど詳しくない人でも
聴いたことがありそうな有名曲がいっぱい出てくるので
楽しさがあります。
しかしインストで延々と続くので人によっては
全く興味を示さないかも(^_^;)
⑤「Light Cavalry」もクラシックがネタのようですが、
こちらはヴォーカル入りで、展開もあるので
④とは趣が違い、プログレ大作風となっています。
B級とは言え、オルガンとギターはかなり聴きごたえがあるし、
ダサめなアレンジでもとにかく勢いで
聴かせる迫力があり、あなどれません。
人は選ぶでしょうがハマる人はハマれると思います。
keefによる独特な色合いのジャケット写真も
雰囲気いっぱいの一枚です。
・Waters of Change (1971/2nd/国内CD)
好き度★★★★☆
このバンドをB級と言わしめているのは、
実は1stの強烈なアングラ感、胡散臭さなのではないか?
と、2nd以降を聴くとそんな気がしてきます。
本作からVirginia Scott(ヴァージニア・スコット,key)
という主にメロトロンを担当する女性メンバーが加わり、
サウンドにより深みが生まれた。
1stの何曲かで見られた有名クラシックの
オンパレードみたいな曲は無くなり、
プログレ・ハードなオリジナル曲が非常に良いです。
①「Time Machine」や⑦「Silver Peacock」などがその好例で、
またやや趣が違い、ピアノを前面に押し出した
③「I’ve No Idea」もまた良い。
⑤「Festival」⑨「The Fox」もパワーがあります。
6~8分とやや長めなヴォーカル入り曲の間に、
②「Lament」、④「Nimbus」⑧「Impromptu」といった
インストの小曲(これがまたいいんですよ)
を挟む凝った造りも聴き手を飽きさせない。
インパクトが強い1stと、一般的に最高作といわれる
3rdに挟まれてやや地味目な扱いをされている
かも知れませんが、なかなかの力作だと思います!
・Pathfinder (1972/3rd/国内CD)
好き度★★★★☆
ベガーズ・オペラの最高傑作との名高い3rd。
『宇宙の探訪者』という邦題付き。
ベーシストがGordon Sellar(ゴードン・セラー)に交代しています。
3作目ともなると風格が出てきたのか?
見事なオリジナル曲①「Hobo」でアルバムは幕をあける。
短い曲ですがヴォーカル、サビのコーラス、
とてもキャッチーにキマっています。
そして人気が高いのが②「MacArthur Park」。
ジミー・ウェッブという作曲家がオリジナルで、
多くのミュージシャンにカヴァーされているようですが
ここはベガーズ・オペラらしくプログレ・ハード風にアレンジ。
クラシカルで美しい曲です。
全体的にもかつてのアングラ感、胡散臭さは薄まり、
バンドが進化しているのがよく分かります。
と思ったら、ラストの⑦「Madame Doubtfire」は
1stの頃の雰囲気が復活!
わざとなら、心憎い演出ですね!
というわけで、ザ・B級、
しかし実際はなかなかの実力派?
ベガーズ・オペラでした。
では、お付き合いいただきありがとうございました!
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