no.147

KING CRIMSON(キング・クリムゾン)U.K.

毎度ありがとうございます!

さて、いよいよキング・クリムゾンの登場です!

キング・クリムゾン…
言わずと知れたプログレ5大バンドの
一つであるばかりでなく、
ジャンルを超えて多大な影響を与え、
輝かしい功績を残したロック史上最重要バンドの一つであり
唯一無二の孤高の存在。

…という文言で世間一般的な評価と
そんなに乖離はないかと思います。

私がキング・クリムゾンが好きかときかれれば、
「好き」と答えます。
ではプログレ5大バンドの中で何番目?ときかれれば
申し訳ないが5番目です。

私の個人的な好みとしては、
シンフォニックなものの方に比重が大きく、
ジャジーでフリーフォームな演奏が得意なイメージのある
キング・クリムゾンは私の好みとはやや違うのです。

とは言え、クリムゾン(と以下略)は
アルバムごとにも、また時期によってもかなり違うし
少々好みと違っていても聴けてしまう凄さがあります。

ところで、プログレ5大バンドのうち、
イエス、ジェネシス、ELPは主に
プログレ・ファンしか聴かない
(“ロンリー・ハート”イエスや
“インヴィジブル・タッチ”ジェネシス等は除く)が、
クリムゾンとピンク・フロイドは
プログレ・ファン以外も聴く…
ような気がするのは私だけ?
だから何だ、ってわけじゃないんですけど(笑)

創始者はギターのロバート・フリップ。
現在に至るまでリーダーとして君臨し、
彼無くしてはクリムゾンは有り得ない、
絶対神のような存在。
クリムゾンはロバート・フリップのやりたい事を具現化する
プロジェクトのようなものとも言われる。

デビューから1974年に一旦解散するまで
一枚たりとも同じメンバーで録音されたアルバムは無いが、
メンバー・チェンジに関しても
その時々でロバート・フリップのやりたい事に則して
入れ替えをしていたもよう。
嫌気がさして辞めていった人も多いという話も…(^^;)

では、所有アルバム紹介していきます!

・In The Court Of The Crimson King(1969/1st/国内LP)

好き度★★★★★
衝撃の1stアルバム。
邦題は『クリムゾン・キングの宮殿』。

メンバーは
・Robert Fripp(ロバート・フリップ)g
・Greg Lake(グレッグ・レイク)b,vo
・Ian McDonald(イアン・マクドナルド)key,vo,管楽器
・Michael Giles(マイケル・ジャイルズ)ds
・Pete Sinfield(ピート・シンフィールド)作詞
バンドメンバーに作詞家を含んでいるのが特徴。
こういった例は他にプロコル・ハルムが挙げられる。

私が聴いた事のある中では、恐らく最も聴きやすく、
叙情的でシンフォニックな作品。
超代表曲であるA①「21st Century Schizoid Man」をはじめ、
ロックのマスターピースが目白押し!

その①はジャジーなインプロビゼーション(即興演奏)
が鮮烈な印象を与えつつ、ヴォーカル・パートでは
後のパンクに通じるようなパワー、
破壊力を併せ持った傑作。
同時にポップでもある。
ここでのテイクが即興かどうかは分かりませんが、
そこから生まれたものであろう事は想像出来ます。

メロディが美しい小品の
A②「I Talk To The Wind(風に語りて)」に続く、
メロトロンを大々的にフィーチャーした
A③「Epitaph」の深淵なる世界、そしてラスト
B②「The Court of the Crimson King」での
ダイナミズム全開のシンフォニックなサウンド。

後々のアルバムに比べると意外なくらい
シンフォニックで叙情的だが、本作制作時は
作曲面でイアン・マクドナルドが主導していたらしい。
なるほどね。

ジャケットもインパクト大!!

・Lizard(1970/3rd/国内CD)

好き度★★★☆☆
うーん、このアルバム、
何度聴いても頭に入ってこないんですよね。
今回も聴きなおしたし、
書きながらも聴いたけど、
聴けば「ああ、こんな曲入ってたな」と思うけど、
聴かないと思い出せない。
まあ、私にはあまり刺さらなかったんでしょう。

キング・クリムゾンは1974年の『Red』まで、
一枚として同じメンバーでアルバムを制作しなかった。
それほどメンバー・チェンジの激しいバンドで、
本作ではフリップ、シンフィールドしか
オリジナル・メンバーは残っておらず、
・Gordon Haskell(ゴードン・ハスケル)vo,b
・Mel Collins(メル・コリンズ)sax,flu
・Andrew McCulloch(アンドリュー・マカロック)ds
が参加。

メル・コリンズは売れっ子スタジオ・ミュージシャン
でもあり、ロックを幅広く聴いていれば
あちらこちらで名前を見かける。

アンドリュー・マカロックはクリムゾン脱退後、
フィールズ、グリーンスレイドといった
プログレ界隈のバンドに在籍。
個人的に好きなドラマーでもあります。

またゲストとしてイエスのジョン・アンダーソンが
1曲歌っています。

・Islands(1971/4th/輸入CD)

好き度★★★★
どうもこの頃のクリムゾンはゴタゴタが多かったらしい。
辞めていったメンバーも、フリップと対立して辞める
というパターンが多い。
なかなか落ち着いて制作や演奏活動に
集中出来ないんじゃないかと私なんかは
思ってしまいますが・・・

それはさておき、本作には
・Boz Burrell(ボズ・バレル)vo,b
・Ian Wallace(イアン・ウォーレス)ds
が前任者に代わって参加。

ボズ・バレルはクリムゾン加入前はベース未経験で、
ギターは弾けたのでフリップにベースを教わり、
これまでのヴォーカリスト同様に
ベース奏者も兼任する事になったという逸話がある。

余談ですがクリムゾン脱退後、
バッド・カンパニーに参加した時は
ベーシストとしてであり、
歌声は披露していない。
ベースの方が楽しくなっちゃったんですかね??

そしてイアン・ウォーレスはというと、
ヴォーカリストとしてのクリムゾンのオーディションを
受けたのだが、ドラマーとして採用されたのだそう。
なんで?面白いですねぇ。

内容の方はというと、意外なほど歌モノだな、
という印象です。もちろん、
これまでのアルバム同様にインストゥルメンタルの曲も
収録されていますが、
ポップで親しみやすいメロディーと
ボズ・バレルの歌声がうまくマッチしているのが
非常に印象的です。

・Larks’ Tongues in Aspic(1973/5th/国内CD)

好き度★★★★
邦題は『太陽と戦慄』。
前作に伴うツアー終了後、
なかなかうまくいかないバンド活動に嫌気がさした
フリップはクリムゾン解散を宣言するが、
すぐに
・John Wetton(ジョン・ウェットン)vo,b
・Bill Bruford(ビル・ブルーフォード)ds
・David Cross(デヴィッド・クロス)Violin,key
・Jamie Muir(ジェイミー・ミューア)ds,per
らと再結成。

この時期は非常にインプロビゼーション(即興演奏)性が高く、
またウェットン、ブルーフォードといった
プログレ界のスター・プレイヤーを擁しているため
人気も評価も高い。

本作はその即興性が最も顕著に表れた作品ではないか。
①「Larks’ Tongues in Aspic, Part One
(太陽と戦慄 パートI)」や
⑥「同パートⅡ」で存分に堪能できる。

正直、私個人的には好みではないんですが、
“なんだこりゃ!?”というインパクト、そして
訳の分からない圧みたいなものは物凄く、
他を寄せ付けない存在感がある。

また、メンバーは全員が相当な力量の持ち主なので
聴きごたえは十分過ぎるくらいです。

ドラマーのブルーフォードは元イエスのメンバーで、
フリップの引き抜きでクリムゾンに参加。
クリムゾンでの活動は、
プログレ界を代表するドラマーとしての
キャリア中、最も有名なものとなった。

後にUKやエイジアで、ポップス大好きおじさんとしての
本領を発揮しまくったウェットンも、
ここでは極悪ブリブリ・ベースを弾きまくっている。

ジェイミー・ミューアは本作のリリースと前後して
バンドを脱退。
私としてもこの人との接点はこのアルバムだけなんですが、
なんか結構ヤバい人のようで…

この編成でのテレビ番組「BEAT CLUB」出演時の
「Larks’ Tongues in Aspic, Part One」生演奏の
映像が昔から有名だが、ミューアの全身から放たれる
得体の知れなさは強いインパクトを残す。

・Red(1974/7th/国内CD)

好き度★★★★★
前々作では5人、前作『Starless And Bible Black』では
4人だったバンドは、本作ではさらに
デヴィッド・クロスが抜け3人で制作されたが、
かつて在籍したメンバーらのゲスト参加あり。

前々作から大々的に取り入れた即興演奏での
得体の知れない混沌としたムードを保ちつつ、
かなりヘヴィ・メタリックなサウンド、
そして曲作りへとシフトしており、
実際には即興性はだいぶ薄れているように思います。

しかしタイトル曲の①「Red」は、その即興演奏を
経たからこその、3人のプレイが均等にぶつかり合う
傑作ヘヴィ・インスト。

③「One More Red Nightmare(再び赤い悪夢)」も
同傾向の曲調ながら、ポップなヴォーカルが
加えられた歌モノでもある。

ところどころ、ビートルズへのオマージュ?
と思えなくもないギターが散りばめられた
②「Fallen Angel(堕落天使)」も美しい。

そしてラストを飾るのは12分にも及ぶ⑤「Starless」。
初期の頃のような叙情性を持った
前半のヴォーカル・パート、そして
後半の激しいインスト・パートで構成されたこの曲は、
本作限りで解散となったバンドの終焉にふさわしい
大傑作となった。

…しばらく間を置いて、1981年にアルバム『Discipline』
を引っさげてキング・クリムゾンは再結成される。
その後も何度か再結成されては、
その都度に新しい試みに取り組み、
同時代の多くのバンドが”懐メロ・スタイル”
(決して否定的な意味ではありませんよ)を取るのとは
一線を画した活動を展開しています。

ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!

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おざきゆうすけン家の棚no.147 KING CRIMSON

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