GRAND FUNK RAILROAD
(グランド・ファンク・レイルロード) U.S.A.

ども!今回はアメリカン・ハードロックの
ビッグネーム、グランド・ファンク・レイルロードです。
(以下GFRと略します)

私の好みから言えば、けっして大好きなタイプの
バンドだというわけではありません。
ずっとちゃんと聴いてなかったので、
40歳近い頃、ある程度まとめて買ってみました。

ハードロックと言う音楽は、
一般的にイギリスを中心に起こったと言われています。
ブルースやジャズの要素を取り込み、
大音量で激しくパワフルに演奏したスタイルが
ハードロックとして成立していったと。
クリームや第一期ジェフ・ベック・グループ、
レッド・ツェッペリンあたりがその最初期にあたる
(実際にどうだったかは別として)
というのが定説のようです。

そのハードロックを、ロックの本場アメリカが逆輸入、
アメリカン・ハードロックが起こります。
アメリカとイギリスの間で、
まるで音楽のキャッチボールが行われていたみたいですね。

このようなキャッチボールは
プログレッシブ・ロックでも見られ、
ハードロックやプログレでは
アメリカが後発とも言えるようです。

GFRは、アメリカン・ハードロックと言われるバンドの中で、
時代的にも最も早い部類に入るようです。

デビューは1969年。メンバーは
・Mark Farner(マーク・ファーナー)g,vo
・Mel Schacher(メル・サッチャー)b
・Don Brewer(ドン・ブリューワー)ds,vo
の3人。

私は全部のアルバムを持っている訳ではありませんが、
その音楽性についての私なりの感想は、
ブルースと密接な関係にあった初期のハードロック、
GFRはそのブルースの本場であるアメリカのバンドですが、
あまりその影響を感じさせない、という事です。
スタイル的にブルースっぽい曲はあるものの、
どっぷり、という感じでは無いのです。

ファンク、ソウル等の影もあまり感じられません。
総じて、ブラック・ミュージックの影が薄い。

では、GFRの音楽的なスタイルとはどんなものなのか?
イギリスから大量に流入してきたハードロックを、
アメリカ流に、カラッと再構築した・・・
そんなところなのかなあ?と
勝手に考えたりしました。
的外れな事を言っているかも知れませんが、
あくまでも私見ですので・・・(^^;)

では、所有アルバムです!

・On Time(1969/1st/国内CD)

好き度★★★★
デビュー・アルバム。
邦題は『グランド・ファンク・レイルロード登場』。
個人的にコレが一番好き。

GFRというと、非常に豪快なイメージが先行しますが、
意外にも(失礼!)「上手い」バンドだなと思います。

ステレオ・スピーカーの、
左にドラム、中央にベース、右にギターを配置するという
特徴的なミックスがなされ、
オーバーダブはほとんど行っていないと思われる。
せいぜいギターソロを後録りしたものを
逆サイドに振っているくらい。
超シンプルなサウンド・プロダクションです。

そのせいで、各パートがどういうプレイをしているか
とても聴き取りやすい。
そんな中、各人が三者三様に、一見すると
バラバラなプレイをしているようだが、
これが合わさると独特のグルーヴを生み出している。

トリオという最小編成で、それぞれが例えば
バイオリン、ビオラ、チェロのように
異なる旋律を奏でながらひとつの楽曲を構成するような
役割を果たしているように感じられます。
アクセントや音程を細かく合わせることを
強調するようなアレンジではありません。

コレ、上手くなきゃ出来ないでしょ。
しかも当時のメンバーの年齢が18~21歳だったと思うと
スゴイっすね。

バンドを代表する名曲⑦「Heartbreaker」収録。
個人的には①「Are You Ready?」、
⑤「T.N.U.C.」のスリリングなカッコよさが耳に残る。

ブリティッシュ・ハードロックやプログレばりに
大胆に展開する曲もある。

そういえば、GFRの「ウリ」の一つが、
ツイン・ボーカル体制。

美しく通る声質で、高音が伸びやかなマーク・ファーナー、
太くドスの効いたドン・ブリューワー、
全くタイプの異なる2人のヴォーカリストを擁し、
それぞれの個性を活かしたヴォーカルを聴かせるが、
この1stではドンは歌ってるかなあ?
ちょっと確認出来なかった。

ちなみに全曲マーク・ファーナーの作。
基本的に作者が歌うのかな?

・Grand Funk(1969/2nd/国内CD)

好き度★★★★
前作からわずか4ヶ月後に出た2nd。
基本的には前作の路線を継承した作風。

ここでも左にドラム、中央にベース、
右にギターと振り分けたミキシングが聴かれるが、
ドラムに関しては前作ではセット全体を左に振っていたが
本作ではスネアだけが極端に左に振られている。

特筆すべきはベースの音ですね。
他に類を見ないほど、ず太く凶悪な音・・・
とでも言いましょうか。

ほとんどアタックを感じない、
モコモコとした音色ながら、埋もれるどころか
強烈に主張してくる。
特にバンドの代表的なレパートリーとなった
アニマルズのカヴァーの
⑧「Inside Looking Out(孤独の叫び)」に顕著。
すごいうねりです!

・Closer to Home(1970/3rd 国内CD)

好き度★★★★
前作から7ヶ月後、なんと1stからもまだ1年
経っていないという驚異的ペースでリリースされた3rd。

初期3作はどれも名盤だと思いますが、
アコースティックギターやキーボードの使用、
ストリングスの導入など、
新たな試みの導入とともに作風にも
広がりを見せ始めます。

④「Mean Mistreater」、⑤「Get It Together」では
大々的にエレクトリック・ピアノを導入。
プレイするのはマーク・ファーナー。
⑤の後半ではオルガンも登場、
キーボード・トリオとしての演奏を繰り広げます。

⑦「Hooked On Love」の後半ではマークとドンが
交互に歌うスタイルでのツイン・ボーカルが聴ける。

物語ふうの大作⑧「I’m Your Captain (Closer to Home)」
の展開はプログレッシブ・ロックにも
通じるものを感じます。

それにしても1年の間に3枚のアルバムをリリース、
そのほとんどを作曲し、マルチプレイヤーぶりも
見せつけるマーク・ファーナーの才人ぶりには
驚かされます。

・Survival(1971/4th/国内CD)

好き度★★★★
前年11月リリースの初ライブ盤を挟んで発表された
スタジオ盤第4作。
ライブ盤を含めると、半年に一作はGFRのアルバムが
リリースされ続けているわけで、
すごいとしか言いようがない。
それも、コンサート・ツアーをしながら、ですよ。

ただ、ここまで全力で突っ走り続けたから?なのか、
本作の印象はこれまでで最も地味で
おとなしい印象を受けます。
さすがにちょっと疲れたか?

しかし、だからといってクオリティが下がったとは
全く感じません。
ややアーシーでどっしりとした曲調が
目立つようになってきたからでしょう。
③「Comfort Me」などはその典型。

トラフィックの④「Feelin’ Alright」、
ストーンズの⑦「Gimme Shelter」と2曲の
カヴァーを収録しているのも特徴。

いいアルバムだと思いますが、ジャケは悪趣味・・・
ま、”らしい”感じもしなくもないが・・・

・E Pluribus Funk(1971/5th/国内CD)

好き度★★★★
邦題は『戦争をやめよう』。
前作はややおとなしめな曲が多かったが、
本作は打って変わってハードロック然とした曲が並ぶ。
④「I Come Tumblin」、⑤「Save the Land」の
キレの良さは痛快。

①「Footstompin’ Music」ではオルガンを
メインにフィーチャー、再びキーボード・トリオとしての
魅力を見せます。

全曲マーク・ファーナー作、
マルチプレイヤー、ソングライターとしての
底知れぬ才能を爆発させています。

・Shinin’ On(1974/8th/国内CD)

好き度★★★★
私自身は6、7作目を持っていません。
その間にバンドは大きな転機を迎えました。

長年のマネージャーでありプロデューサーでもあった
テリー・ナイトと決別、
さらに専任キーボード奏者、クレイグ・フロストが加入、
4人組となったのを機にバンド名を
グランド・ファンクと短くしています。

この間、7作目には最も有名なアルバム
『We’re an American Band』を発表。
それを持っていない私・・・

本作ではドン・ブリューワーの
ソングライターとしての資質が開花、
8曲中5曲にクレジットされ、
ヴォーカルも多く担当。

作風も、ハードロック一辺倒ではなく、
バラエティーに富んだ内容になっています。

カヴァーである③「The Loco-Motion」がシングルとして
全米1位を獲得。

私が持っているのは以上です。

最後にGFRの機材について少々。
ギターアンプ、ベースアンプ共に
アメリカのWESTというメーカーの物を
使用していたらしいですが、このメーカー、
他に使っている人が滅多にいないほどの
マイナーなメーカーらしいです。

さらにマーク・ファーナーのギターも、
聞いたことないメーカーのものばかり。
他に使っている人がいない、っていうのが
良かったのだろうか?

この辺については2019年発行の
シンコーミュージック刊
『グランド・ファンク・レイルロードの奇蹟』に
詳しく書いてあるので興味がある方は読んでみては?

バンドは何度か解散、再結成を繰り返し、
現在も存続するようですがマーク・ファーナーは不在。

今回はこれにて終了!
ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!

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