97回

FREE(フリー)U.K.

今回はこのビッグネームです!

フリーは1969年デビュー。
ロックの歴史を語る時には避けては通れない
重要なバンドである事は間違いないでしょう。

メンバーは
・Paul Rodgers(ポール・ロジャース)vo,key,g
・Paul Kossoff(ポール・コゾフ)g
・Andy Fraser(アンディ・フレイザー)b,key
・Simon Kirke(サイモン・カーク)ds
の4人。

デビュー時、メンバー全員が10代だったそうな。
一番年上のポール・ロジャースでもまだ19歳でした。
シブ過ぎでしょ!

フリーは、ジャンルとしてはハードロック、
ブルース・ロック等に分類される事が
多いと思いますが、
ハードロックというと思い浮かべる、
ヘヴィなサウンド、激しいプレイといった
イメージからはかなり遠いところにいると感じます。

私が初めてフリーを買ったのは、
最高傑作との評判高い3rd『ファイアー&ウォーター』
でした。20歳ごろだったかな。

十代でZEP、パープル、サバス等の’70sHR、
ジューダスやアイアン・メイデン等のメタルを
一応かじった後でしたが、フリーを聴いたときは
「何て静かなハードロックなんだ」と思いました。

音はスカスカだし、ギターも歪んでいない。
のたりのたりしたスローテンポの曲ばかりだし。
しかし、曲は非常にいいし、激しくなくても
その内に秘めた熱のようなものを感じられ、
アルバムはとても気に入りましたし、
不思議と「これはハードロックじゃない」とも
思いませんでした。

ま、ジャンル分けなど単なる目安ですから、
聴いた人がイイと思えばイイんです。

ポール・ロジャースは、抑え気味の歌唱から、
一気に情念を爆発させるようなシャウトまで、
非常に振り幅の大きなスタイルでイギリスを、
そしてロック界を代表するヴォーカリストとして君臨。
そのソウルフルな歌声のファンは多い。

ポール・コゾフのギターはとにかく泣きまくる。
強烈なビブラートはそう真似できるものではない。
またレスポール+マーシャルのサウンドも極上!
フリーを離れた後、25歳の若さで亡くなった事も、
より伝説性を高めたかも知れません。

アンディ・フレイザーはバンド結成時、
わずか16歳だったとも言われますが、
ソングライターとしてロジャースと共に
多くの曲に関わります。
ベース・プレイもまた非常に独特で、
アタックの無い音で、フラフラとさまようかのような
ベース・ランニングが特徴的ですが、
薄いバンド・サウンドの中で不思議に
リズム、コード、メロディを繋ぐ役割を
果たしていたりします。

サイモン・カークのドラムは、
それ以上やったらモタるよ!っていうくらいの
いわゆる「後ノリ」で、
重たく引きずるような独特のフリー・サウンドの
屋台骨を支えます。

余談ですが、フリー解散後、カークはロジャースと共に
バッド・カンパニーを結成、長くバンドを支えますが
そこでの「後ノリ」具合は
フリー時代ほどでは無いような・・・
※バッド・カンパニーについての回はこちら!
https://ameblo.jp/abcfriends-blog/entry-12607422155.html?frm=theme

と、このように個性の塊のような4人からなるフリー。
そんなところが’60年代末~’70年代にかけて
ロックが急速に多様化していった時代を
象徴しているようにも思えるのです。

では、所有アルバムです!

オリジナル・アルバム

・Tons Of Sobs(1969/1st/国内CD)

好き度★★★★
私としてはフリーの作品中、後の方に聴いた作品。
ちょっとイメージと違い、
全アルバム中、最もハードな印象を受けました。

ブックエンドのように最初と最後を
①⑩「Over the Green Hills」ではさむ構成。
その①とクロスフェードして入ってくる
②「Worry」が、フリーにしてはやけに激しく、
ドラムも手数が多い。
イメージと違うと感じたのは多分この曲のせいですが、
カッコイイので何も問題ナシ(笑)

他の曲では、のったりとしたリフが繰り返される
「フリー節」みたいなものは
既に定番となっているようです。

・Free(1969/2nd/輸入CD)

好き度★★★★
前作で見せた激しさは後退し、
牧歌的なフィーリングを推し進めた2作目。

静謐さすら感じさせますが、そういった作風は
⑦「Free Me」、⑨「Mourning Sad Morning」
などに顕著。

そんな中、出色の出来なのが
⑧「Broad Daylight」。ポップでもあり、
本作中ではややハード目なアプローチですが
ちょっとジミヘンを思わせる
ギターのバッキングがカッコイイ。

・Fire and Water(1970/3rd/国内CD)

好き度★★★★★
最高傑作との呼び声高い3枚目。
私のフリー原体験でもあります。

冒頭でも書いた通り、
こんなにも静かなハードロックがあるのかと、
ある種の衝撃みたいなものを受けました。

①「Fire and Water」、⑤「Mr Big」そして
超・代表曲⑦「All Right Now」等、
ロックのマスターピースとも言える曲を多数収録し、
それ以外の曲も秀作揃い。

静かなる感動を呼ぶ⑥「Don’t Say You Love Me」は
⑦「All Right Now」の直前に置くことで
ギャップを活かした最高の流れになっています。

・Free at Last(1972/5th/国内CD)

好き度★★★☆☆
4枚目『ハイウェイ』だけ持ってません。
しかし妻が持っているので家庭内コンプリート!

その4枚目発表後、
なんと解散~すぐ再結成を経ての5枚目。

解散後、短期間のうちにメンバーたちは
いったん別のバンド活動を始めるも、
どういうわけかすぐに元の鞘に収まる。

しかし、一度緊張の糸が切れたのか、
それとももうフリーにあまり集中出来なかったのか、
悪くはないんだけれども、
フリーのいいところを平均的に地味にしたような風に
聴こえてしまいます。

ピアノやメロトロン等のキーボード類が活躍し、
かつてのような音の隙間が少なくなってきて、
全体的に後のバッド・カンパニーに近い
音作りだと思います。

・Heartbreaker(1973/6th/国内CD)

好き度★★★☆☆
前作リリース後、ベースのアンディ・フレイザーが脱退、
後任に日本人、山内テツが加入、
また、キーボードに正式メンバーとして
John “Rabbit” Bundrick(ジョン・バンドリック)も加入。

初めてオリジナル・メンバー以外で
制作されたアルバムにしてフリー最終作。

またクレジットにはポール・コゾフの名も無く、
ポール・ロジャースがギター兼任という形ですが、
大半の曲でコゾフがゲスト扱いで
ギターを弾いています。

オープニングの①「Wishing Well」は
様々なアーティストにカヴァーされた。

④「Heartbreaker」、⑥「Common Mortal Man」、
⑦「Easy On My Soul」など出来の良い曲が多く、
前作よりも吹っ切れた感がありますが、
ポール・ロジャースのカラーが全体を支配
している感じはします。

また、彼の頭の中ではキーボードが
必要不可欠なものになっているのでしょう。
全体を通してキーボードが大活躍です。

ライブ・アルバム

・Free Live!(1971/国内CD)

好き度★★★★
バンドの絶頂期の演奏を収録したアルバム。

①「All Right Now」ではスタジオ盤よりも
遥かにラウドなギターサウンドが楽しめる・・・
がしかし、どうもケーブルの接触が悪いのか、
ブチブチ音が切れて出なくなる事態が何度も起きる。

これをレコードに収録しようという考えがスゴイ。
別のバージョンにしようとかいう
選択肢は無かったのか。

トラブルを差し引いてもこの時のバージョンが
最高だったのか?
それを知る由もないですが、
現在なら有り得ないこの判断も、
この時代ならでは、という感じがしますね。

演奏は素晴らしいの一言!
もう少し収録時間が長くても良かったのでは・・・

ラスト⑧「Get Where I Belong」は未発表曲の
スタジオ録音盤。
イイ曲だから普通にスタジオ・アルバムに
入れれば良かったのに、とも思いますが・・・?

ではでは、
今回はこんなところです!

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