お久しぶりです!
雨でのびのびになっていた高校野球も
やっと決勝戦が終わり、
今はパラリンピックの真っ最中です。
今回は・・・
EMERSON, LAKE & PALMER
(エマーソン・レイク・アンド・パーマー)U.K.
いよいよ来ました!
プログレ5大バンドの先陣を切るのはこのバンド。
ロックの多様化が一気に加速した1970年デビュー。
バンド名が示す通り、
・Keith Emerson(キース・エマーソン)key
・Greg Lake(グレッグ・レイク)vo,b,g
・Carl Palmer(カール・パーマー)ds
からなる3人組。
よくELPという略称が使われます。
キースは元ザ・ナイス、
グレッグは元キング・クリムゾン、
カールは元アトミック・ルースターと
それぞれが既にミュージシャンとして有名だったため
スーパー・グループと呼ばれました。
プログレと一口に言ってもそのサウンドは様々。
このバンドの私の印象は何と言っても
キーボード・パワー・トリオというもの。
最小編成バンドならではの自由な空間を活かした
ダイナミックなロック・サウンドは、
むしろハード・ロックに近く、
特にその卓越したテクニックで
オルガン、ムーグシンセサイザー等キーボード類を
自由に操り暴れまくるキース・エマーソンは、
さながら「キーボードのジミヘン」といったところ。
実際、キング・クリムゾンを脱退したグレッグ・レイクは
次にジミ・ヘンドリックスかキース・エマーソンと
バンドを組みたいと思っていたらしいです。
そのグレッグ・レイクは奥行きのある歌声で
美しいメロディを歌い、
ラウドなバンド・サウンドのなか、
やすらぎを与えてくれます。
そしてカール・パーマー。
ドラマーに求めるものがリズム・キープだけであるなら
この人は???なところもありますが、
やはり彼にしか叩けないドラムというものがある。
まるで歌うようなドラム、
きっとELPには不可欠だったのでしょう。
そして、プログレというとどうしても芸術的だったり、
知的なイメージがつきやすいのですが、
このバンドにはそういったものが希薄です。
クラシックやジャズを取り入れたものでも、
題材として使用しているだけで、
基本はやはりロックであり、例えていうなら
脳ミソも筋肉でできていそうな
パワー・ロックが信条のように思います。
それはプログレにおいては少数派であり、
バンドの個性を際立たせる要因に
なっているのではないでしょうか。
では以下、所有アルバムです!
オリジナル・アルバム
・Emerson, Lake And Palmer(1970/1st/国内CD)
好き度★★★★☆
私は、順番通りでなく後の名作群を先に聴いたため
この1stは割と後になってからなんですが、
結構アコースティックな部分が多く、
ちょっと地味な印象でもあります。
しかし①「The Barbarian(未開人)」や
③「Knife Edge」などで十分にそのハードで凶暴な
キーボード・ロックが楽しめます。
また②「Take A Pebble(石をとれ)」、
ラストの⑥「Lucky Man」でのグレッグ・レイクの
低く、澄み切ったヴォーカル・ナンバーも素晴らしい。
以降も、ハードな曲とレイクの声を活かした曲の
対比をメインにアルバムが作られていきます。
・Tarkus(1971/2nd/国内CD)
好き度★★★★☆
前作から演奏面で格段の進歩を遂げた2枚目。
本作を最高傑作に挙げる方も多いですね。
アルマジロと戦車が合体したような架空の生物、
「タルカス」をテーマにした20分超の組曲が
タイトル・ソング。
ここでの、これぞELP!という扇情的で
パーカッシブなサウンドの上を、
キース・エマーソンのオルガンやシンセが飛び交う
お馴染みのスタイル。
1stに足りないのはこれだった!
緊張感にあふれたスリリングな演奏。
また、②「Jeremy Bender」のような
ホンキートンク調のピアノをフィーチャーした
ポップで可愛らしい曲調も現れるようになります。
アナログ盤ではB面にあたるこの②以降は
コンパクトな曲が並びますが、
これらの楽曲も素晴らしい!
キース・エマーソンの超絶テクニックのキーボード、
それとユニゾンするようなカール・パーマーのドラム、
そしてジェントルなグレッグ・レイクのヴォーカル。
これらが三位一体となってまさにELPとなっています。
また、場面によってはグレッグはエレキ・ギターも
引っ張り出して、リード・ギターも披露。
いいアクセントになっていると思います。
・Pictures at an Exhibition(1971/3rd/国内LP)
好き度★★★★☆
邦題は『展覧会の絵』。
本作はELP初のライブ・アルバム。
ですがこれまでの彼らの曲を収録したのではなく、
19世紀のロシアの作曲家、ムソルグスキーの組曲
「展覧会の絵」をロックにアレンジ、
場面によっては新作オリジナルを加え、
歌詞とヴォーカルを付けた完全新作なので、
オリジナル・アルバム扱いにしました。
前作で提示した演奏力が、ライブでも再現可能
という事を証明するばかりか、
ライブならではのソリッドで、
フリーなようで緻密、緻密なようでダイナミックな
演奏が堪能できる名盤!
・Trilogy(1972/4th/国内LP)
好き度★★★★★
個人的には一番好きなアルバムです。
何と言っても曲が、歌がいい!
①「The Endless Enigma(永遠の謎パート1)」、
⑦「Trilogy」でのグレッグの名唱は深く記憶に残る。
ポップな⑤「The Sheriff」、
ライブの定番で勢いのある⑥「Hoedown」も素晴らしい。
・Brain Salad Surgery(1973/5th/国内CD)
好き度★★★★★
邦題は『恐怖の頭脳改革』。
一般に最高傑作との呼び声高い一枚。
ジャケットは映画『エイリアン』で有名な
H・R・ギーガーが担当。
讃美歌をアレンジした美しい①「Jerusalem」から
冒頭4曲は小曲が並び、その後アルバムの根幹となる
「Karn Evil 9(悪の経典#9)」が登場します。
第1印象から第3印象までに別れた大作で、
楽曲、演奏力共にバンドが恐らく頂点に達している
瞬間を捉えたような創造力に富んだ名演と言えるでしょう。
血沸き肉躍るような高揚感はまさにテンションMAX!
・Works, Vol.1(1977/6th/輸入LP)
好き度★★★☆☆
邦題は『ELP4部作』。
間にライブ・アルバムを挟むが
スタジオ盤としては4年ぶりの新作。
当時はアナログ盤2枚組で発売されました。
・・・とは言ってもA~C面は各メンバーのソロ
としての曲が収録され、バンドとしての演奏は
D面だけ、という内容。
キース・エマーソンのA面は自作のピアノ協奏曲、
グレッグ・レイクのB面はヴォーカル入りの
小曲を5曲並べた。
カール・パーマーのC面はオーケストラや
多彩なゲストを迎えドラムを叩きまくる。
そしてバンドでのD面にはインスト曲ながら
大ヒットした「Fanfare For The Common Man
(庶民のファンファーレ)」と
大作「Pirates(海賊)」を収録。
どれも決して悪くはないのですが、
どうしても寄せ集め感は否めません。
バンドでの楽曲もいい出来だとは思いますが、
前作までのスリリングな一体感は
感じることが出来ず、
この頃メンバーのバンドに対する意欲も
果たしてどうだったのか?という
思いも沸いてきます。
テンション・ダウンしてきていることは明らか・・・
・Works, Vol.2(1977/7th/国内CD)
好き度★★★☆☆
邦題は『作品第2番』。
前作の続編で、ジャケット・デザインも
白黒が逆になっただけでほぼ同じようなものです。
本作用に作られた新曲は2曲のみで、
あとはシングルなどのアルバム未収録曲や
ソロの名義の曲で構成されています。
これはもうコンセプトからして寄せ集めなので、
まさしくそういう感じです。
いい曲も入っているので好きな人なら楽しめるでしょう。
・Love Beach(1978/8th/輸入LP)
好き度★★★☆☆
再結成を除いて最後のアルバム。
いろいろ文献を読むとボロクソに言われている、
又は当時言われていたという記述が
やたら多いアルバムです(笑)。
確かに、ジャケットからして「どうしたの、大丈夫?」
と言いたくなるような変貌ぶり。
音の方も、やけにポップで短い曲が並んでます。
パーカッシブなキース・エマーソンのキーボードは
ほとんど存在感がなく、
かわりにグレッグ・レイクの弾く
エレキギターが目立ち、
これまでにないサウンド・メイキングとなっています。
しかし多くのプログレ・バンドが’80年代に向け、
或いは入ってから、生き残りをかけて
ポップな方向へシフトしていき、
そのうちいくつかは成功した事を考えれば、
そんなに悪い★にする気にはならなくて
★★★にしました。
まあ、何度も聴こうって気には
なかなかなりませんけど(笑)
今気付いたけど、’80年にいったん解散するまでの
アルバムは、全部持ってた!
意外にアイテム数そんなに無いのね。
番外編
・Emerson Lake and Powell(1986/輸入CD)
好き度★★★★☆
1986年、ドラマーにCozy Powell(コージー・パウエル)
を迎えて結成されたバンド。
ファミリー・ネームがPで始まるので略称に変化なし。
キース・エマーソンはこのバンドを
ELPの再結成と認識していると何かで読んだと思うので
ここで取り上げさせていただきます。
アルバム1枚とツアー1回のみで消滅してしまいましたが、
本作はなかなかの力作!
①「The Score」でのいかにもエマーソンらしい
高揚感あふれるフレーズとシンセの音色が素晴らしい。
カール・パーマーとはまた違った意味で
大仰なコージー・パウエルのドラムも
とても合っていると思います。
シングル・ヒットした④「Touch and Go」
もまた、「らしい」曲。
なかなか3人揃いませんでしたが、
1991年、ついに
エマーソン・レイク・アンド・パーマーとして再結成。
スタジオ・アルバム2枚を残す。
2000年代以降は目立った活動が無く、
2016年には惜しくもキース・エマーソン、
グレッグ・レイクが相次いで死去。
オリジナル・メンバーでの再結成は
不可能となってしまいました・・・合掌。
ライブ・アルバム
・Welcome Back My Friends To The Show
That Never Ends…
Ladies And Gentlemen(1974/国内CD)
好き度★★★★☆
長いタイトルで、一般に
『レディース・アンド・ジェントルメン』と
呼ばれています。
当時はアナログ3枚組というボリュームでのリリース。
(CDでは2枚組)
音像がやや不明瞭ですが、
全盛期のライヴ・アルバムとあって
演奏にはヤバいくらいの勢いがあります。
オープニングを飾る「Hoedown」のテンションは
アルバム・ヴァージョンを遥かにしのぐ。
また「Tarkus」、「Karn Evil 9」といった
大作組曲をフルで聴けるのも
長尺ライブ・アルバムならでは。
全部聴くのは長いけど、それでも十分楽しめます!
・In Concert(1979/国内LP)
好き度★★★☆☆
オーケストラとの共演を収録。
しかし一部の曲のみです。
’77年のツアーからの録音で、
このツアーでは大赤字のため全ての公演には
オーケストラを帯同できなかったという逸話もあります。
時期的にもすでにバンドのピークを過ぎていると
思われるときの録音なので、
やはり勢いには少々欠ける・・・
のは仕方ないところでしょうか。
・King Biscuit Flower Hour: Greatest Hits Live
(1997/国内CD)
好き度★★★☆☆
アメリカの「キング・ビスケット・フラワー・アワー」
というラジオ番組で放送された音源をリリースした
シリーズもので、同じタイトルで
様々なアーティストのライブが発売されています。
ファンにはありがたいシリーズです。
本作は’77年と’74年のライブが収録されています。
’77年のは『In Concert』と同じツアーからの音源ですが、
オーケストラを帯同していない時なので
バンド3人のみでの演奏。
シンプルなサウンドのせいか、こちらの方が
やや勢いがあるような気がします。
’74年のは、どうも
『レディース・アンド・ジェントルメン』と
同じ音源のような気がするんですが・・・
収録順も古い方が後だし、ちょっと不可解・・・
以上です!
ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!
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