no.208
PROCOL HARUM(プロコル・ハルム)U.K.
ごきげんいかが?
今回はプロコル・ハルムでございます!
プロコル・ハルムは1967年デビューのイギリスのバンド。
ジャンル的にはプログレッシブ・ロックのフィールドで
語られる事が多いが、
その中心的存在として扱われる事は少ない。
そもそも’67年当時にはプログレッシブ・ロックという
言葉も多分無かったし、まあ
プログレと言っておけば分かりやすいという事かな?
さて、プロコル・ハルムを語る時、
どうしても避けて通れない曲がある。
それがロック史のみならず、
ポピュラー・ミュージック史上に残る
デビュー曲にして超絶名曲、
「A Whiter Shade Of Pale(青い影)」だ。
プロコル・ハルムの名は知らずとも、
「青い影」は聴いた事があるという人も多いだろう。
カヴァー・ヴァージョンや、
影響を受けたと思われる曲は数知れず。
「青い影」自体もバッハの「G線上のアリア」、
またパーシー・スレッジの「男が女を愛する時」等の
影響を受けているとも言われているが、
いずれにせよこの曲がプロコル・ハルムのイメージを
良くも悪くも決定づけたと言えると思う。
確かに、クラシック音楽を思わせるオルガンの旋律が
あまりにも印象的で、日本では彼らを形容する際に
“クラシカル・ロック”という言葉が
頻繫に使われるようになった。
しかし何枚かアルバムを聴いてみれば、
それは彼らのある一面に過ぎないという事が
すぐに分かるだろう。
「青い影」を取ってみても、クラシカルで流麗なオルガンに
一見不釣り合いなようなソウルフルで熱いヴォーカル。
プロコル・ハルムにはパラマウンツという前身バンドがあり、
パラマウンツはR&Bやブルースをルーツとした
音楽をやっていた。
このソウルフルなスタイルはパラマウンツ時代
からのものなのだろう。
アルバムでは、意外に泥臭いというか、
アーシーな曲が多い事に気付く。
むしろこちらの方が本質だったのでは?
という気もしてくる。
しかし単なるR&B、ブルースの模倣にとどまらず、
クラシカルなエッセンスを融合させて
独自の音楽性を作り出したのが
プロコル・ハルムの凄いところではないか。
また、その音楽性において、ザ・バンドとの
共通点がたびたび指摘されている。
一見、似ても似つかないような両者だが、
メンバー構成が同じで(ツイン・キーボード、
ギター、ベース、ドラム。)、
デビュー時期も近い。
もちろん聴いた人によってどう思うかは様々だと思うが、
あえて聴き比べてみるのも面白いかも。
メンバー構成の話が出たところで、
デビュー時のメンバーがこちら。
・Gary Brooker(ゲイリー・ブルッカー)vo,key
・Matthew Fisher(マシュー・フィッシャー)key,vo
・Ray Royer(レイ・ロイヤー)g
・David Knights(デヴィッド・ナイツ)b
・Bobby Harrison(ボビー・ハリソン)ds
・Keith Reid(キース・リード)作詞
の6人。
作詞家を正式メンバーとしているのが特徴で、
演奏するのは5人。
このメンバーでデビュー・シングル「青い影」を
レコーディングするが、実際のドラムは
セッション・ドラマーが叩いた。
結局ドラマーのハリソンはレーベルから解雇され、
ロイヤーも脱退。代わって
・Robin Trower(ロビン・トロワー)g,vo
・B.J.Wilson(B・J・ウィルソン)ds
が加入、デビュー直後ではあるが黄金期メンバーが揃う。
この時期をオリジナル・メンバーという事も多い。
ちなみにバンド創設者はブルッカー、
そしてブルッカー、トロワー、ウィルソンが
パラマウンツ時代のメンバーでもある。
この編成で1stアルバムをレコーディングする。
では所有アルバム紹介していきます!
オリジナル・アルバム
・A Whiter Shade of Pale(1967/1st/国内CD)
好き度★★★★★
邦題は『青い影』。
デビュー作にして比類なき完成度を誇る大傑作。
…と私は思ってます(世間的にはどうか分かりませんが)。
タイトル曲①「青い影」に負けず劣らず、
R&Bとクラシカルのハイブリッドとも言える曲が
ズラリと並び、全曲名曲と言ってもいいくらい。
恐らくこの時期、放っといても素晴らしいアイディアが
湯水のように湧き出ていたのではないか。
そんな勢いを感じさせる充実ぶり。
サウンドの核はブルッカーのピアノ、
そしてフィッシャーのオルガン。
そしてウィルソンのどっしりとしたドラムが全体を締める。
トロワーのギターはこの頃はまだ控えめだが
ギターソロではしっかり存在感をアピールする。
そこにブルッカーのソウルフルなヴォーカル。
これぞプロコル・ハルムという要素に満ちあふれている。
特にフィッシャーのオルガンの存在感は絶大で、
③「She Wandered Through the Garden Fence」、
⑨「Salad Days」でのプレイは素晴らしい!
⑤「Mabel」、⑩「Good Captain Clack」など
箸休め的な曲も挟みながら、ラストは
恐らくクラシック曲のフレーズを拝借した荘厳なインスト
⑪「Repent Walpurgis(ヴァルプルギスの後悔)」
で締める展開も素晴らしい。
魔女のような人物が描かれたジャケットもまた
イマジネーションを搔き立てられる秀作。
なお、”1stアルバム”と言われている本作には
いくつかのパターンがあり、
それぞれ収録曲や曲順が異なっている。
私の国内盤CDはテイチクから発売された
恐らく国内初CD化のときのもので、
’73年再発盤に基づいた内容だが、
イギリスで初回発売時は「青い影」は
収録されておらず、アルバムタイトルも
バンド名を冠した『Procol Harum』だった。
もしご購入される際にはご注意を
(まあ、今どきはボーナストラックとかが
充実してると思うけど)。
・Shine On Brightly(1968/2nd/国内CD)
好き度★★★★★
邦題は『月の光』。
前作の勢いをそのまま引き継いだような、
これまた傑作。
いわゆる”プログレっぽさ”では一番かも。
その印象を強いものにしているのが、
ラストの⑦「In Held ‘Twas in I」。
18分近い大作で、5つのパートからなる組曲。
合唱隊を起用し、豪華絢爛な世界を作り上げた。
中でも最後のセクション⑦-e「Grand Finale」の
壮大さは特筆モノ。
プログレの全盛期というと、多くのバンドが
長大な組曲を作り、なかばトレンドのように
なっていたみたいだが、プロコル・ハルムも
この早い段階でそれをやっていた。
それ以外にも、もはや”ハルム節”と言ってもいい
①「Quite Rightly So」、
②「Shine On Brightly」、⑤「Rambling On」の
充実ぶり、
目まぐるしく展開する③「Skip Softly (My Moonbeams)」、
味わい深い⑥「Magdalene」など前作に続き
全曲名曲と言ってしまいたくなる内容だ。
なお、⑦-c「In the Autumn of My Madness」で聴ける
明らかにブルッカーとは違う声質のヴォーカルは
恐らくフィッシャーと思われる
(細かいクレジット記載が無いのでわからんのよ)。
④「Wish Me Well」も、なんか違うような気がするが…
どうだろね?
ちなみにジャケットは2種類あるみたい。
私の持っているのとは別の、
やはりピアノが描かれているが、よく見ると
ピアノが色んな生き物の体の一部で出来ているという
少々不気味なヴァージョンもある。
本作からステレオミックスとなった。
・A Salty Dog(1969/3rd/輸入CD)
好き度★★★★★
まだまだクリエイティビティが
全く衰える事を知らない3作目。
しかし前作までと大きく変わった点が2つある。
ひとつは、大幅なオーケストラの導入。
ツイン・キーボードだが、
これまでピアノとオルガン以外ほとんど使用していない
彼らにとって、メロトロンやシンセサイザー等を
導入するよりは”らしい”感じはする。
これにより、よりクラシカルな雰囲気が増した。
もうひとつは、ブルッカー以外の
ヴォーカル曲が増えたこと。
まずフィッシャーが単独作として
⑦「Wreck of the Hesperus(宵の明星)」、
⑩「Pilgrim’s Progress(巡礼者の旅)」、
ブルッカーとの共作で
⑤「Boredom」を提供、
その全てでヴォーカルを担当した。
続いてトロワーも単独作
⑥「Juicy John Pink」、
⑨「Crucifiction Lane(十字架への流れ)」、
ブルッカーとの共作で
③「Too Much Between Us(トゥー・マッチ)」を提供、
⑨でヴォーカルを担当。
ブルッカー以外のメンバーの、
ソングライター、シンガーとしての台頭が
目立つアルバムとなった。
サウンド面においても、トロワーのギターの
占める割合が1作ごとに増してきている。
特に⑥⑨は直球ブルージーな曲調、
ギターがメインの楽器構成、共に
これまでのプロコル・ハルムには無かったものだ。
だが楽曲の良さは全く変わらない。
ストリングスを導入したドラマチックなタイトル曲
①「A Salty Dog」はバンドの代表曲。
⑩「Pilgrim’s Progress(巡礼者の旅)」は
私の大のお気に入り!
「青い影」チックな曲だが、ブルッカーとは真逆の
抑揚を抑えたフィッシャーのヴォーカルが沁みる。
いったん曲が止まった後の、
意表を突くエンディングがまた秀逸!
ずっと聴いていたい。
ブルッカーもこの曲がお気に入りだったのだろうか?
フィッシャー脱退後も、自身のヴォーカルで
この曲をライブで演奏している。
マシュー・フィッシャーはこの素晴らしい曲と、
自身のプロデュースによる本アルバムを置き土産に、
バンドを脱退した。
・Home(1970/4rh/輸入CD)
好き度★★★★★
前作を最後に、フィッシャーと共に
ベーシスト、デヴィッド・ナイツも脱退。
後任に、ベース兼キーボード奏者として
・Chris Copping(クリス・コッピング)が加入。
演奏するメンバーは4人となった。
こうなると俄然存在感を増してきたのが
トロワーのギター。
その変化は一聴瞭然。
オープニングでトロワー作の①「Whisky Train」では
歪んだギターのイントロからベース、ドラムが加わり
展開していく。
ヴォーカルに絡みつきながらギターがグイグイ
曲を引っぱっていく。
そのサウンドはもうハード・ロックと言ってもいい。
まあ、ここまであからさまな変化はこの曲くらいだが、
これを1曲目に持ってきたインパクトは大きい。
あと、ギターの音色も変わってきている。
以前のようにファズか何かで潰したような音ではなく、
よりナチュラルなオーバードライブ・サウンドになった。
同じくトロワー作の⑤「About to Die」は
サビ?が、かねてから類似性が言われている
ザ・バンドっぽ過ぎて思わずニヤけてしまった。
それ以外はブルッカー作の曲が相変わらず絶好調!
フィッシャーがいた頃のような、
オルガンが中核を成す曲は減ってきてはいるが
ハルム節は健在!
・Broken Barricades(1971/5th/輸入LP)
好き度★★★★☆
前作で見せたハード・ロック的な音作りを
さらに一歩進めた5作目。
その中心にいるのはやはりトロワーだろう。
全8曲中3曲で作曲し、うち2曲ではヴォーカルも取った。
そのトロワー作、ヴォーカルはブルッカーの
③「Memorial はギターのリフが
ストーンズかと思った(笑)
さらに、⑥「Song for a Dreamer」は、
急速にジミ・ヘンドリックスへ傾倒していった
トロワーがジミに捧げた曲。
もうジミヘンそっくりだ。この曲と、
ラスト⑧「Poor Mohammed」がトロワーのヴォーカル曲。
⑧ではスライド・ギターも披露。
一方でブルッカー作の、
これまで通りのイメージの曲も健在ではある。
しかし全体的にバラエティーに富み過ぎたというか、
とっ散らかった印象は否めない。
まあ、どんなバンドでも時と共に
変化、進化はするものだが
プロコル・ハルムの場合、
初期の印象が強すぎるので
余計にそう感じてしまうのかも知れない。
1stアルバムだってバラエティーには富んでいたが、
それとは感触が違うのです。
ちなみに、私は中古のLPで購入したが、
あまりに盤の状態が悪く、音飛びしまくりだった。
そのせいもあってか、あまり本作の印象が
良くなかったのだが、改めて今回音飛びのない
何たらチューブで聴いたら全然良かった。
なおLPジャケットは、表ジャケットの
メンバーの顔の部分がくり抜かれており、
1枚目をめくるとメンバーの上半身まで見える、
という特殊なものだった。
こういうのはLPならではだよねー
CDでも紙ジャケとかなら再現されてるのかな?
・Grand Hotel(1973/6th/国内CD)
好き度★★★★★
時系列でいうと、前作を最後に
ギタリスト、ロビン・トロワーは脱退。後任に
・Dave Ball(デイヴ・ボール)を迎え、
さらにベーシストとして
・Alan Cartwright(アラン・カートライト)も加入。
クリス・コッピングはキーボードに専念する事になった。
これにより、演奏するメンバーは再び5人となった。
このメンバーで初のライブ・アルバム
『Procol Harum Live In Concert With
Edmonton Symphony Orchestra』を発表。
続けて本作のレコーディングに入るが
終了後にボールは脱退。
・Mick Grabham(ミック・グラバム)を迎え、
ギター・パートをグラバムの演奏に差し替えて
本作が完成した。
さて内容の方だが、トロワーが去り、
全曲をブルッカーが手掛けた。
バラエティーに富んだのはいいが、
ややとっ散らかった印象だった前作から一転、
華麗にして優美、豪華絢爛で英国的な
サウンドに立ち返った傑作!
オーケストラもふんだんに使っており、
“クラシカル”という言葉も当てはまると思う。
曲も、またまた全曲名曲と言え、
ブルッカーの気合いの入れ具合が伝わる。
しかし前作までで培ったハード・ロック的音作りも
生かされており、これまでで最も
ヘヴィな音になっている。
特筆すべきはドラム・サウンドで、
B・J・ウィルソンはそもそもヘヴィなドラマーだと
私は思っているのだが、
本作での音は私がこれまで聴いてきた中でも
トップクラスのヘヴィさだ。
元々、華麗なテクニックを聴かせるタイプの
バンドではないプロコル・ハルムの中にあって、
突出した技術を持っていたウィルソン。
レッド・ツエッペリン結成にあたり、
ジミー・ペイジから声がかかっていたという、
その実力が存分に味わえる。
あと、全体的に音がとてもクリアーになった。
過去のアルバムでは、どこかモヤがかかったような
くぐもった音だった。
それがかえって幻想的な雰囲気にも
一役買っていたが、ここにきて
’73年当時のハイファイなサウンドに舵を切った…
という事だろうか?
・Exotic Birds and Fruit(1974/7th/輸入CD)
好き度★★★★★
前作、その前のライブ・アルバムと、
2作続けてオーケストラとの大々的な共演を経て、
ブルッカーはオーケストラが
すっかり嫌になってしまったそうな。
いったい何があったんでしょう…?
そこで、本作ではバンド・サウンドのみで制作。
…と思ってたら、ちょっとは入ってんのね。
ヘッドホンで聴くまで気づかんかった。
とまあ、そんな制作方針もあってか、
ストレートなロック・ナンバーが目立つのは確か。
しかし前作から続けて聴いても
違和感が全くない。
その要因の一つに、音質があるのではないか。
オーケストラが無いだけで、
基本的なバンド・サウンドは前作とほぼ同じに感じる。
それもそのはず、という訳ではないが
本作と前作は共にクリス・トーマスの
プロデュースで制作された。
実はもっと前、5thアルバム『Broken Barricades』から
クリス・トーマスのプロデュースなのだが、
5thと6th『Grand Hotel』はけっこう違う。
しかし6thと本作は非常に近い…と私は感じます。
もしかしたらバンドやトーマスの間で、
“これだ、この音だ!”的なひらめきがあったのかも?
もちろん、今回も全曲を作曲したブルッカーの
相変わらずの冴えがあってこそではある。
①「Nothing But The Truth」や
⑧「Butterfly Boys」など、
ストレートでハード・ロック調な曲が目立つものの、
いかにも”らしい”曲も健在。
⑦「Fresh Fruit」のような少々トロピカルな
イメージの曲もある。
あと、これまでほとんど使ってこなかった
ヴォーカル・ハーモニーが数曲で見られる。
恐らくブルッカーの一人多重録音によるものだろうが、
これ、このブログを書くにあたって、
プロコル・ハルムだけを1stから順番に聴いているから
よくわかるんですよね~。
本作でハーモニーが出てきたとき、
“あれ、今までほとんど無かったよね?”とね。
内容は非常に良いにもかかわらず、全米86位。
2nd『Shine On Brightly』以来5作連続で
全米top40入りが続いていたが本作でそれが途絶えた。
…それにしても、シングル「青い影」以外に
ビッグヒットは無いイメージのバンドだが、
アルバムはかなり売れていたのですね。
・Procol’s Ninth(1975/8th/国内LP)
好き度★★★★☆
本作ではプロデューサーに
ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーを起用。
この二人は主に”リーバーとストーラー”のコンビ名で
数々のヒット曲を生み出した
ソングライター兼プロデューサー。
ソングライターとしての代表作は
「スタンド・バイ・ミー」、「ハウンドドッグ」、
「監獄ロック」など。
プロコル・ハルムの前身バンド、
パラマウンツがリリースしたシングル
「ポイズン・アイヴィー」はコースターズのカヴァーで
リーバーとストーラー作だった。
そんな背景もあり、本作は非常にR&B色が強い。
さらに多少のジャズ味も加えられた。
そんな作風のいくつかは初期を思い起こさせる。
新たな要素としては、ホーン・セクションを
とても”それらしく”使っている。
オーケストラの時とは全く違う使い方だ。
⑦「Without A Doubt」などはイントロからAメロは
非常にアーシーで初期を思わせるが一転レゲエ調に。
サビがこれまたいかにもハルム節という楽しい曲。
レスリー・スピーカーを通した?ギターの音色もイイ!
珍しくブリティッシュ・トラッド的な
キーボードのフレーズが印象的な
⑧「The Pipers Tune」も素晴らしい。
また本作は、バンド史上初めてカヴァー曲が
収録されたアルバムでもある。
⑥「I Keep Forgetting」はプロデューサーコンビ、
リーバーとストーラーの作。
⑩「Eight Days A Week」はビートルズの
’64年の大ヒット曲。
…私が持っているオリジナル・アルバムはここまで。
1~8作目は揃ってるんだなあ。
バンドは続く『Something Magic(輪廻/’77年)』
を発表したのち解散。
その後ドラマーのウィルソン死去を悼んで
’91年に再結成、
アルバム『The Prodigal Stranger(放蕩者達の絆)』
を発表。
2003年、’17年にもアルバムを出すが
’22年にブルッカーが死去し終止符が打たれた。
ではこの後ライブ盤、編集盤を紹介していきます!
ライブ・アルバム
・Procol Harum Live: In Concert with
the Edmonton Symphony Orchestra(1972/輸入CD)
好き度★★★★★
’77年に一旦解散するまでにリリースされた
唯一のライブ・アルバム。
タイトル通りエドモントン・シンフォニー・オーケストラ
との共演ライブを収録したもの。
オーケストラの他、合唱隊も参加している。
さすがクラシカル・ロックの代表格とされるだけあって
オーケストラとの相性は抜群!
③「A Salty Dog」のように元々オーケストラが
入っている曲はもちろんのこと、
⑤「In Held ‘Twas in I」のような大作では
より深みが増していると思う。
しかし、本作を聴いた後で⑤のオリジナル・ヴァージョンを
聴いても、何ら遜色がない事に驚かされる。
“あれ、オケ入ってなかったんだっけ?”と
思うくらいだ。
それだけ、オリジナルの完成度が高かった
という事なのだろう。
ところで、2代目ギタリスト、
デイヴ・ボールのプレイが聴けるのは本作だけなのだが、
ここで聴く限りでは、
ジミヘン・フリークで自己主張が強いトロワーとも、
上品なディストーション・サウンドで流麗に聴かせた
グラバムとも違って、
やや音が軽く、歪みも抑え目で
渋めなギタリストと言えそうだ。
既存曲だけでなく、完全新曲での彼のプレイも
聴いてみたかった。
なお、再結成後のライブ・アルバムや、
発掘音源モノはいくつかあるみたい。
編集盤
・Classical Elegance(1989/国内CD)
好き度★★★★☆
日本独自の編集盤。
’88年にプロコル・ハルムの
リーガル・ゾノフォン・レーベル時代の4枚のアルバム
(1st~4th)の国内盤発売の権利を得た
テイチクレコードが、その4枚から
“それらしい”曲をチョイスしてリリースした、
要はバラード集的なもの。
実は私が初めて買ったプロコル・ハルムの
アルバムがコレでした。
当時まだ19歳だった私には、いきなり4枚の
オリジナル・アルバムを買うのは
経済的にも精神的にもハードルが高すぎた。
大体、「青い影」以外知らないし。
まあ、このベスト盤的なやつがあればいいだろう、と
本作を買ったが、ここに入っていない曲も聴きたくなり
結局は一度にではないが1st~4thを揃えた。
結果、ほとんどの曲がダブったが、
それでもなお本作を買う意義はある、
というか、あった。当時は。
その意義とは、⑤「Homburg」の存在だ。
この曲は「青い影」に続く第2弾シングルとして
’67年に発売されたアルバム未収録曲で、
当時は本作でしか聴けなかった。
これまたお得意の優雅な曲調の秀作で、
このためだけにでも本作を買う価値があった。
現在では国内の権利も他社に移り、
ボーナストラックがガッツリ入ったリマスター版が
出ており、「Homburg」もそれで聴ける。
本アルバムは廃盤となり、ウィキペ〇ィアで調べても
リストに乗っていない。
…それにしても。
「クラシカル・エレガンス」というタイトル、
バンドとは何の関係も無いヨーロッパ?の古城の
写真を使ったジャケット…
ちょっと安直すぎない?
ニュアンスは伝わってはいるから
悪いチョイスでは無いんだろうけど、
もうちょっとさあ…と思うのは私だけ?
余談だが、本作は国内盤なので
ライターの方の解説と歌詞(和訳は無し)を掲載した
ブックレット付きで発売されたが、
その初回流通盤では、⑦「Boredom」の歌詞が
誤って全く別の曲の歌詞が印刷された状態で出荷された。
実は、それを最初に発見したのは
(恐らく)私なのですよ。
当時(’88~’89年)、私はとあるレコード店で
アルバイトをしており、その店で本作を買った。
家で歌詞を見ながら聴いていて、
「Boredom」の順番が来たが、”???”となった。
付属の歌詞にはBoredomという単語から始まる
歌詞が印刷されているが、
どう聴いてもそうは歌っていない。
高校の授業を受けた程度の英語力の私でも、
ハッキリわかるレベルで違う。
後日、バイト先の社員の人にその話をした。
(今、思い出した。現物CDを持ってって
聴いてもらったんだった。)
私は別に事を大きくするつもりは無く、
世間話的なノリで話しただけなのだが、
その方は何か気になったのか、
メーカーに電話して問い合わせてくれた。
すると、その日だったか後日だったか定かでないが
メーカーから電話があり、
誤って別の曲の歌詞を印刷してしまった、
とのお答えだった。
絶対とは言い切れないが、状況から考えて
私が指摘するまで恐らくメーカーさんも
気づいていなかったと思われる。
その後、改訂版が流通したのかどうかは分からない。
しかし、そんな青春の(?)思い出のある
1枚なのです。
あとこれは今回ブログのために本作を
引っ張り出して気づいたのだが、
またしても「Boredom」、今度はタイトルだ。
ブックレットには「Boredom」と正しく表記されているが、
ジャケット裏は「Bredom」になっており、
「o」が抜けている。
いろいろやらかしてますなぁ。
だが、まだ謎が残っていた。
誤って印刷されたのは、何の歌詞だったのか?
先日、試しに歌詞の2行ほどを入力して検索してみた。
すると一発で、ラヴィン・スプーンフルの
’70年の同タイトル曲であることが分かった。
ジョン・セバスチャンのいたバンドだよね~
持ってないな~
それにしても便利な時代になったもんですなぁ。
という訳で、ほとんど余談だったけど以上です!
ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!
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