no.199

P.F.M.
【Premiata Forneria Marconi】

(プレミアータ・フォルネリア・マルコーニ)ITALIA

ごきげんいかが?
毎度どうも!

今回は1972年にデビューした
イタリアのプログレッシブ・ロック・バンド、
P.F.M.をご紹介します!

P.F.M.といえば、非英語圏出身の
プログレ・バンドとして最も世界で成功した部類の
バンドとして語り継がれています。
メジャー・レーベルからアルバムをリリースし、
アメリカでもライブを行ったうえ、
その模様を収録したライブ・アルバムも出した。
ここ日本でも高い人気を誇ります。

’75年には初来日。
さすがにその時は私は年齢的に行っていないが、
その27年後の2002年には2度目の来日。
その時以来、計5回の来日公演は全て行きました。

バンド名は、正式には
PREMIATA FORNERIA MARCONIだが
世界進出と共に略称P.F.M.又はPFMも併用。
ここでは一般的に親しまれているP.F.M.として
紹介することとします。

デビュー時のメンバーは
・Mauro Pagani(マウロ・パガーニ)flute,violin,vo
・Franco Mussida(フランコ・ムッシーダ)g,vo
・Flavio Premoli(フラヴィオ・プレーモリ)key,vo
・Giorgio Piazza(ジョルジョ・ピアッツァ)b
・Franz Di Cioccio(フランツ・ディ・チョッチョ)ds,vo
の5人。

その音楽性について、昔はよく
キング・クリムゾンが引き合いに出されていた気がする。
確かに、ダイナミクスの使い方とか、
ジャズ・ロック的に展開するところ、
またメロトロンの使用などが
クリムゾンを想起させる部分もあるが、
あそこまで即興的ではなく
もっと整合感のあるアレンジで聴かせる。

それ以外に、”○○っぽい”といったような例えは、
私が聴いている限りは
これといって思いつきません。
卓越したテクニックと豊かなヴォーカル・ハーモニーで
独自のプログレッシブ・ロックを展開。

では、所有アルバム紹介と行きましょう!

・Storia Di Un Minuto(1972/1st/国内CD)

好き度★★★★★
邦題は『幻想物語』。
デビュー作にして既に世界レベルと言っても過言ではない、
確立したスタイルと完成度を誇る名作。

これから壮大な物語が始まりそうな
①「Introduzione」に導かれて続く
②「Impressioni Di Settembre(九月の情景)」
への流れは何度聴いても見事!
キング・クリムゾンばりのダイナミクスを強調した
アレンジも素晴らしい!

さらに③「E’ Festa(祭典の時)」は
ストレートなシャッフル・ロック、
その後もドラマチックなプログレッシブ・ロックが続く。

どの曲もメロディ、アレンジが素晴らしいが、
ディープさ、マニアックさでは本作が一番かも?

・Per Un Amico(1972/2nd/国内CD)

好き度★★★★★
邦題は『友よ』。
翌年、PFMは世界進出するが、その世界デビュー作の
原型となったアルバムでもある。

何と言っても特筆すべきは、
絶大な人気を誇る①「APPENA UN PO'(ほんの少しだけ)」
の存在でしょう。
幽玄なシンセサイザーから、バロック風のギター、
フルート、キーボードと楽器が増えていきながら
哀愁あふれるメロディを奏で、
一瞬のブレイク後はヘヴィなロック・パートへと移行。
とここで動からまた静へ。
ゆったりとしたヴォーカル・パートに続き、
壮大なキーボードの洪水となる。
またまた場面は急展開、少々コミカルでリズミカルな
パートへと突入する。

…なるほど、確かにクリムゾンの1st、
「エピタフ」や「クリムゾン・キングの宮殿」あたりを
思い起こさせる。
それにしても日本人が好きそうな曲だなぁ~
もちろん私もですが。

本人たちもそれを意識しているのか、
私が行った全ての日本公演でこれを演奏してくれたと思う。
ところが、’70年代のライブ・アルバムの曲目を見ると、
どうも当時はあまり演奏していないようだ。
あまりにもイメージが付き過ぎるのを嫌ったのかどうか、
それはわかりませんが…

それ以外の曲もイイ曲揃い!
ヴォーカル・ハーモニーが強化されている気がするのと、
若干の垢抜けを感じるのが前作との違いかな?

この後バンドは世界進出向け英語版アルバムを出していく。
その研ぎ澄まされた洗練さももちろんいいけど、
1st、2ndのディープさ、濃さもまた捨てがたいのです。

・Photos of Ghosts(1973/3rd/国内CD)

好き度★★★★★
これを純粋な3rd、と言っていいのか…
2ndである前作の英語版とも言えるが
収録曲はこちらの方が多いしジャケットも違う。

こういうの難しいですよね~
とりあえずここでは出た順番に3rdという事にしておきます。

ELPのイタリア公演の前座を務めた際、
グレッグ・レイクに気に入られ、
ELPのマンティコア・レーベルと契約。
同レーベル所属の作詞家で元キング・クリムゾンの
ピート・シンフィールドとPFMの共同プロデュースで制作。

前作『Per Un Amico』の全曲と、1stから1曲、
そして新曲1曲の計7曲から成り、
5曲でピート・シンフィールドが英語詩を書いた。

各曲、細かいところでイタリア語版とは違いがあり、
特に1stからの「セレブレイション」は
演奏自体が別のものに思えるがどうなんだろう。

まあ、とにかく有名だし、英語詩の
インターナショナル版という事で、
イタリアン・ロック入門編といった感じかな?

・L’isola di niente(1974/4th/国内CD)

好き度★★★★★
邦題は『甦る世界』。
純粋な新作としてはまだ3枚目なのだが、
もはや風格すら感じさせる堂々とした出来栄え。

本作からベースが元アレアのJan Patrick Djivas
(ヤン・パトリック・ジヴァス)に交代。
前任者のピアッツァもいいプレイを聴かせていたが、
超絶ベーシストのジヴァスの加入で、
テクニシャン集団という側面がより強調されるようになった。

全体的にわずかにジャズ・ロック寄りに
なったように感じるのも偶然ではないだろう。

オープニングでタイトル曲の①「L’isola di niente」は
合唱団を起用した壮大な大作。
合唱パートとヘヴィなバンド・パートの対比が見事。

以降も高度なテクニックに裏打ちされた
複雑、かつ整合感あるプログレッシブ・ロックが続き、
聴きごたえ満点!

唯一異彩を放つのが④「Dolcissima Maria」。
飾り気のない美しさに心がほっこりする小曲のバラード。

余談だが2002年以降の来日公演の度にこの曲を
演奏してくれたと思う。
その際、ベースのジヴァスがリコーダーを吹くのだが、
回を重ねるごとに下手になっている気がして
思わず笑ってしまった事が思い出される(失礼!)。

本作も『The World Became The World』のタイトトルで
英語版が制作された。
やはり曲目に違いがあり、
ジャケットはデザインは同じだが色味が違う。

興味深いのは、同じ曲でも英語版では
随分と歌い方を変えているものがあること。
特に①などはかなりイメージが変わるので
聴き比べてみるのも面白いかも。

・Chocolate Kings(1976/6th/国内LP)

好き度★★★★★
前作の英語版を含めると通算6枚目、
純粋な新作としては4作目。
本作は世界共通の英語版のみが制作された。

前作までヴォーカルは主にギターのムッシーダ、
キーボードのプレモーリがほぼ半々で担当してきたが、
本作から元アクア・フラジーレのBernardo Lanzetti
(ベルナルド・ランゼッティ)を専任ボーカルとして迎え、
6人編成となった。

ランゼッティは英語堪能で、
アクア・フラジーレでも全曲英語で歌っていた。
活動の場を世界に移すにあたり、
ヴォーカル面でも、英語という面でも強化を図ったのだろう。

全体的にかなりハードな仕上がりで、
イエスの『リレイヤー』あたりのイメージと
近い気がするけど、どうだろう?
これまた聴きごたえ十分だが、
叙情性は減退したのも確か。

あと、ランゼッティのヴォーカルだが、
けっこうクセが強い。
ジェネシスのピーター・ガブリエルを思わせるが、
ガブリエルの声が細かく震えるような質感を
強調したようなスタイルで、
これまでのヴォーカルと違い過ぎて
若干の違和感を感じないでもない。

しかし楽器演奏技術はホントにもの凄いし、
楽曲もハードめなプログレとして傑作揃い。
十分楽しめる素晴らしいアルバムだと思います。

私はメロウな前半と、アグレッシブな後半の
対比が見事な②「Harlequin」が大好きです。

なお、ジャケットは太ったマリリン・モンローのような
女性が描かれているバージョンもある。

本作を最後にマウロ・パガーニが脱退。
以降、メンバーの変遷を重ねながら
’87年までアルバムをリリースし続ける。
それらの作品は聴いていないのでわからないが、
徐々にプログレからは離れていったようだ。
次の新作が出るのは10年後となる。

・Serendipity(2000/14th/国内CD)

好き度★★★★☆
’97年、10年ぶりのアルバム『Ulisse』に続く通算14作目。
この頃になると、メイン・ヴォーカルは
ドラマーのディ・チョッチョが歌う事が多いようで、
実際ライブでもそうだった。
ステージにはサポート・ドラマーが待機しており、
ディ・チョッチョが前に出てきて歌う時は
サポート・ドラマーが叩いていた。

一時バンドを離れていたオリジナル・キーボーディスト、
プレモーリが復帰しているのが嬉しい。

で、やけにサイケデリック色が強い本作。

②「K.N.A. – Kaleidoscope Neutronic Accelerator」は
ビートルズの「Tomorrow Never Knows」への
オマージュだろうか…というか、
ドラム・パターンはそのまんまだ。

④「Nuvole nere」ではベンチャーズ風ギターも飛び出す。

⑧「Domo Dozo」タイトルは日本語の「どうも、どうぞ」。

ラストの⑪「Exit」でギターを弾きまくるのは、
本作のプロデューサーであり、
元チェルベッロのギタリストだったコラード・ルスティーチ。

全体的には2000年当時の音、音楽であり、
PFMが”今”を生きるバンドであった事がよくわかる。

私が所有しているアルバムは以上です。

…それにしても2002年以降、
何度もPFMのライブを体験できた事は幸せ以外の
なにものでもない。

特に2002年ではディ・チョッチョ、ムッシーダ、
プレモーリ、ジヴァスと全盛期のメンバーが
ほぼ揃っていた状態で観る事が出来た。

PFMは時代とともに変化してきたバンドであり、
プログレッシブ・ロックに固執していなかったようだが、
日本ではやはりプログレ・バンドとしての人気が高く、
その時代の曲を多く演奏してくれたと思う。

やがてプレモーリ、次いでムッシーダが
バンドを離れてしまったが、それでも来日の度に
素晴らしい演奏を聴かせてくれた。

彼らのテクニックの高さは本当に凄いが、
それ以上に”音楽を伝えたい”という思いが
強く伝わるライブだった。

特に、ディ・チョッチョのドラミングには
思わず心を揺さぶられ、胸が熱くなったのを
よく覚えています。

最後の来日が2018年。
叶うならもう一度ライブを体験したいです!

ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!

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