no.201

PINK FLOYD(ピンク・フロイド)U.K.

どもー、お久しぶりです!
2月はミラノ・コルチナ冬季オリンピック見なきゃで
随分と間が空いてしまいました。
もちろん音楽も聴き進めていましたが、
今回のピンク・フロイド、
活動期間が長いだけあって作品数も多い!
全部聴くのにかなりの時間を要しました…

という訳でピンク・フロイドです!
言わずと知れたロック界の巨星にして、
プログレッシブ・ロックの先駆者でもあり、
プログレ5大バンドの一つに数えられる。

1973年のアルバム『狂気』の741週(約15年間)
ビルボードTOP100チャートインはもはや伝説的。

しかしプログレとは言っても
他の多くのバンドに見られたような、
ジャズやクラシックとの融合を目指し
ハイテクニックな演奏に向かったりという事はあまりなく、
時期にもよるが楽曲や演奏は非常にシンプルなものだ。

バンド名にアメリカのブルース・ミュージシャン
2人の名を拝借していることからも分かるように、
根底にはブルースが息づいているバンド。

余談ですが、プログレ5大バンドのうち、
イエス、EL&P、ジェネシスは
プログレ・ファンしか聴かない
(ただし『ロンリー・ハート』イエスや
『インビジブル・タッチ』ジェネシスは除く)。

キング・クリムゾンとピンク・フロイドは
プログレ・ファンじゃない人も聴く。
…だからどう、って事もないんですが、
漠然とそんな印象がありますね。

私にとっては中学生の頃から聴いていて、
’88年の来日公演にも行ったバンドであり、
思い入れもあります。

結成は1965年頃、デビューは’67年。
当時のメンバーは
・Syd Barrett(シド・バレット)g,vo
・Roger Waters(ロジャー・ウォーターズ)b,vo
・Richard Wright(リチャード・ライト)key,vo
・Nick Mason(ニック・メイスン)ds
の4人。

ではアイテム数も多いので早速紹介していきましょう!

オリジナル・アルバム

・The Piper at the Gates of Dawn(1967/1st/輸入CD)

好き度★★★★
邦題は『夜明けの口笛吹き』。

当時はまだプログレッシブ・ロックという言葉も
恐らくまだ無い時代の本作は、
’60年代に世界を席巻した
ブリティッシュ・ビートっぽさを色濃く残しつつ、
ひねくれたポップさと
変態性すら感じさせる実験精神に溢れた
万華鏡のようなサイケデリック・ロック・アルバム。

デビュー当時のリーダーはシド・バレット。
本作中でもほとんどの曲を作詞作曲し、
ギター、ヴォーカルを担当。
まさにバンドの大黒柱だった。

後にリーダー格となるロジャー・ウォーターズも
当時を振り返り
「シド以外の3人は誰でも良かった」と語るほど
初期のフロイドはシド・バレットのカラーに
彩られていた。

また、バレットのルックスの良さから、
少々アイドル的な売り出し方をされていたらしい。

当然、後の作品群とはかなり音楽性が違うのだが、
これがアルバムごとにリリース順に聴くと
ちゃんと変化していく流れが分かるんですね~
これって、全部一気聴きの醍醐味ですね。

しかしこの頃、大黒柱であるバレットは
薬物乱用などの影響で活動の継続に
支障をきたすようになってきていた。

・A Saucerful Of Secrets(1968/2nd/輸入CD)

好き度★★★★
邦題は『神秘』。
本作からジャケット・アートを
ヒプノシスが担当するようになった。

前述のとおりバレットがまともな状態でなかったため、
ライブ用のギタリストとして
・David Gilmour(デヴィッド・ギルモア)g,vo
を迎え入れ、バレットにはソングライティングに
専念してもらおうとしたが叶わず、
結局バレットは脱退という事になってしまう(実質クビ?)。

という訳で一時的に5人編成となったフロイドだが
収録曲によって参加メンバーが異なる。

ここからは、大黒柱を失ったバンドが、
残されたメンバー達で力を合わせて
何とか立て直しをはかり、良い方向へ持っていこうとする
民主主義的な時期へと突入する。

本作制作時はまだバレットが在籍していたから
当然と言えば当然かも知れないが、
意外なほど前作から急激には変わっていない事に気付く。
バレット作は1曲だけなのに、である。

まだサイケデリック色を強く残しつつ、
実験的な面を推し進めたような作品。
ポップなヴォーカル曲においては後の
『原子心母』や『おせっかい』に収録されたような
方向性を示す作風と、ビート、サイケ調の作風が混在する。

・Ummagumma(4th/1969/国内CD)

好き度★★★☆☆
映画のサントラとして制作された『モア』
を挟んでの通算4作目。

バンドとしては初の2枚組アルバムで、
1枚目にライブ録音、
2枚目にスタジオ録音で各メンバーのソロ作を
収録するという内容。

実験的な意欲作、というところでしょうが、
正直、エンターテインメント性や
コマーシャリズムといった面からは遠い作品だなと
私個人的には思いましたね。

そういう面が強いものが良い作品だとは
全く思いませんが、何というか、
何度も繰り返し聴きたいとはあまり思わないアルバムでした。
全然悪くないんですけどね。

あ、こういう事かも!
時代性が大きく関わるのでは?
きっと当時に聴いていたら印象はもっと違ったはず。
もっとも当時、私は0歳でしたが。

でもライブ面の、①「Astronomy Domine(天の支配)」の
ライブならではのシンプルなアレンジなどは
1stに収録されたバージョンと比べると
曲が分かりやすく感じて面白い。

・Atom Heart Mother(1970/5th/国内CD)

好き度★★★★
初の全英1位を獲得した大出世作。
邦題は『原子心母』。
牛のジャケットとともにあまりにも有名な1枚。
このあたりから、プログレッシブ・ロックと
呼ばれるようになる(多分)。

アナログ盤のA面全てを使ったタイトル曲
①「Atom Heart Mother(原子心母)」は
23分を超える大作。
オーケストラや合唱隊を起用し、
非常にドラマチックに仕上げられているが、
それらのアレンジを担当したのは
前衛音楽家のロン・ギーシン。
初期のフロイドにおいて、
外部のミュージシャンがアレンジや作曲に
参加しているのは比較的珍しい。

この曲も十分に実験的ではあるが、
前作までの難解さやアングラ感は無く、
割と耳に入って来やすい。

B面にはややフォーキーな小曲を並べた構成だが、
これがまたイイ曲揃い。
特にライト作の「Summer ’68」が好きです。

・Meddle(1971/6th/国内LP)

好き度★★★★★
邦題は『おせっかい』。

前作の構成とは逆にA面に小曲を並べ、
B面に大作①「Echoes」のみだが、
基本的には前作と近い作りだと思う。

ただし成熟度は増しているし、
何と言ってもその大作で、
前作「Atom Heart Mother」では
外部のアレンジャーの助力を求めたが、
本作「Echoes」ではバンドのメンバーのみで
タイトに、シンプルに表現されている。
特にギルモアとライトによる
ツインヴォーカルのパートから、
ファンキーなインスト・パートに突入する瞬間は
何度聴いても最高!

また本作でも秀逸な小品が堪能できる。
なかでも①「One of These Days(吹けよ風、呼べよ嵐)」
はウォーターズとギルモアによるツイン・ベースが
印象的なインスト・ナンバーで
プロレスラーの入場テーマとしても有名。

攻撃的な①以外の、フォーキーな曲も
素晴らしいものばかり。
でも前作よりチャートでは振るわなかった。意外!

・Obscured by Clouds(1972/7th/輸入CD)

好き度★★★★
邦題は『雲の影』。
『モア』に続いで映画のサントラとして制作された。
当時バンドは次作『狂気』のレコーディング中だったが
それを中断、本作のレコーディングを
2週間で終わらせたという。

サントラと言っても歌モノが多く、
普通にフロイドのアルバムとして聴ける。
『原子心母』や『おせっかい』で聴けたような小曲を
全編にわたって配置したような印象の作品。

ちょっと面白いのは、
映画に合わせて作ったせいなのか?
ピンク・フロイドっぽくないような
作風の曲もちらほら見受けられる事。

なんとなく存在感の薄いアルバムだが、
アメリカではここまでの作品中、
最もチャート・アクションが良かった。

ちなみに私は本作を今年の2月に買ったばかり。
これでフロイドのオリジナル・アルバムで
持っていないのは3rd『モア』だけになりました。

・The Dark Side of the Moon(1973/8th/国内LP)

好き度★★★★★
邦題は『狂気』。
あまりにも有名な超絶大ヒット作。
アメリカのBillboard 200で初の1位を獲得、
その後も約15年に渡りチャートインし続けた
伝説的モンスター・アルバム。

アルバム全体を通してが1曲という構想に基づいた
コンセプト・アルバムだが、
各パートがそれぞれ独立した曲でもあり、
同じモチーフが何度も登場するといった事もあまりない。

コンセプトとしては、
「月の裏側=人間の内面の狂気」を描くというもので、
考案したウォーターズが全ての歌詞を作詞。
これが後々の、ウォーターズ独裁体制への
布石となった可能性も…?

様々な効果音や環境音が使われ、
非常に凝った作りの印象を与えるが、
曲の演奏自体はシンプルなもの。
ただしサックス奏者、女性ヴォーカリスト、コーラス隊など
多彩なゲスト・ミュージシャンを招いている事や、
飛躍的にハイファイ化したサウンドにより
豪華さは感じさせる。

7拍子ながらポップなB-①「Money」は
アメリカでシングル・ヒットもした。

人それぞれ好みはあるだろうけど、
コレを聴いて”大嫌いだ”って人は
あまりいないんじゃないかな…って思うくらい、
よくできたアルバム。
それを支えているのはやはり曲の良さでしょう。

私は中学生か高校生だった’80年代なかば、LPで購入。
見開きジャケットにポスターやら何やら
いろいろオマケが付いていてずっしり重い。
それは今でも新品のように美しいままだ。

・Wish You Were Here(1975/9th/国内CD)

好き度★★★★
邦題は『あなたがここにいてほしい』。

前作『狂気』が、とてもオープンな雰囲気を感じさせる
内容だったにのに対し、
本作は一転して暗く内向的な印象を受ける。

大傑作を完成させてしまい、
その後休暇に入っていたバンドは、
燃え尽き症候群みたいな状態だったのだろうか、
次回作のレコーディングにも
集中できなかったりしたらしい。
そこでもかじ取りをしたのはウォーターズ。

大作の「Shine On You Crazy Diamond」を
パート1と2に分けて最初と最後に配し、
その間に小曲3曲を挟む構成だが、とにかく暗い!

永遠の暗黒を思わせるような
①「Shine On You Crazy Diamond」の長いイントロは
ニューエイジ・ミュージックに通じるものがある。
同曲や、フォーキーな④「Wish You Were Here
(あなたがここにいてほしい)」など、
本作からも名曲が産まれた。

引き続きヒプノシスによるジャケット・アートも印象的、
全英・全米共に1位を獲得。

・Animals(1977/10th/国内CD)

好き度★★★★
通算10作目。

3つの大作、②「Dogs」、③「Pigs」、④「Sheep」を
アコースティックな小曲「Pigs On The Wing」の
パート1と2で挟むという構成。

それぞれ犬→ビジネスマン、
豚→資本家、羊→労働者に喩えられており、
社会批判精神に富んだ内容で
そのコンセプトからして明るくなりようがない気がするが
演奏自体は非常にストレートでハード、
かつタイトになっているので
前作ほど内向的な感じはしない。
本作でもコンセプト及び全ての歌詞はウォーターズ。

個人的にはフロイド・サウンドのタイト化、ハード化は
『狂気』あたりから徐々に始まっていると思っているのだが
それは本作で極まった感がある。

私のお気に入りは④「Sheep」。
エンディングでのギルモアの
コード・ストロークが素晴らしい!

あと、メイスンのシャッフルでのタイム感は最高だ!

・The Wall(1979/11th/国内LP)

好き度★★★★★
2枚組超大作ながら全英3位、全米1位を記録、
総売り上げは世界で3000万枚以上という
『狂気』に続くモンスター・アルバム。
特にパンク、ニューウェーブが台頭し、
プログレッシブ・ロック等が「オールド・ウェーブ」と
揶揄された時代にこの実績は凄い。

内容はピンクというロック・スターを主人公に
ウォーターズが戦争で父親を亡くしたという
自らの生い立ちや、
成功の裏で精神を病んだシド・バレットの姿、
個人と社会との断絶などを盛り込み
ストーリーを作った一大ロック・オペラ。

全て通して聴きおわると、
まるで1本の映画を見たようだ。

一方で、その内容からしてますますウォーターズの
独裁体制に拍車がかかったようで、
他のメンバーとの関係は悪化、
特にかねてから相性が悪いとされるライトを
クビする事態に発展した
(ただしライトはサポート・メンバーとして
アルバム・リリース後のライブにも参加はしている)。

非常に映画的な作品であると同時に、
実はバンド・サウンド的な曲は少な目なのだが、
2枚組で曲数が多いのと、
disc-2⑥「Comfortably Numb」等での
ギルモアの熱演により、あまりそう感じさせない。

なお、’82年には映画化もされている。
とにかくロック史上に残るロック・オペラの傑作!

・The Final Cut(1983/12th/輸入LP)

好き度★★★★
ウォーターズ在籍時の最後のアルバム。

今回もウォーターズ主導によりコンセプトが作られた。
第二次世界大戦で戦死した自身の父親への
鎮魂の意を込めながら、
戦争の悲惨さを伝えるといった内容で、
今まで以上にパーソナルなものになり、
実質的にウォーターズのソロ・アルバムとされる。

全ての作詞作曲、ヴォーカルも1曲を除いてウォーターズ。
ギルモア、メイスンは必要な時だけ呼ばれて
レコーディングを行い、それも気に入らなければ
どんどん外部のミュージシャンを起用するなど、
独裁体制はますます強くなっていった。

内容の方はと言えば、
それでもこれだけいい曲を揃えられる
ウォーターズのソングライティングは驚異的。
ただ、イイんだけど、
いわゆるシンガーソングライター的な曲がほとんどで、
しかも前作同様、映画的演出が多いので
ほぼバンド・サウンド的な曲はもう無い。
ホントにソロ・アルバムといった方がしっくりくる。

もう他のメンバーと続けていく気が無くなった
ウォーターズは2年後の’85年、バンドを脱退した。

・A Momentary Lapse of Reason(1987/13th/国内LP)

好き度★★★★
邦題は『鬱』だったが、現在は用いられていない。
私は、このアルバムからリアルタイムです。

ウォーターズ脱退後、残ったギルモアとメイスンは
ピンク・フロイドの続行を表明。
バンド名を使用しないよう求めたウォーターズと
裁判になったが、一定の条件のもと和解。
無事本作はフロイド名義でリリースされた。

曲のほとんどは、ギルモアのソロ・アルバム用に
プールしておいたものが流用されたようだ。
しかし、ピンク・フロイドのイメージはそのままに
’80年代後半という時代にも寄り添った
一大ロック・エンターテインメント作品に仕上がった。

また、いかにもフロイド×ヒプノシスといった、
深い意味がありそうなジャケット・アートも
バンドのイメージを保つのに大きな役割を果たしている。

特に明確なコンセプトは無く、
大作主義でもなくコンパクトな楽曲が並び、
それはポップとも言えるが、
やはりフロイド的なシリアスな空気を纏ったものだ。

なお、『The Wall』製作中にバンドを解雇された
リチャード・ライトがゲスト扱いで参加している
(後に正式メンバーに復帰)。

・The Division Bell(1994/14th/国内CD)

好き度★★★★★
邦題は『対/TSUI』。
ギルモア主導のピンク・フロイドの一つの到達点、
と言ってもいいんじゃないでしょうか。

ライトが正式メンバーに復帰、
ソングライティングにも多く参加。
自作曲の⑥「Wearing the Inside Out」では
ヴォーカルも担当した。

前作とは違い、前年からセッションを行い、
その中で生まれた曲が中心となっている。

前作の成功を踏まえ、
ピンク・フロイドのイメージを保ちつつ
繰り広げられるロック・エンターテインメントの中で、
ギルモアのソングライター、ギタリスト、
そしてヴォーカリストとしての魅力が
遺憾なく発揮されている。
とにかくイイ曲揃いだし、
もう風格のようなオーラを纏っている。

世界各国でno.1を記録する大ヒット作となった。

・The Endless River(2014/15th/国内CD)

好き度★★★★
前作『対/TSUI』から20年の時を経てリリースされた、
最新にして最終作。
邦題は『永遠/TOWA』。

新たに制作されたのではなく、
前作のためにレコーディングされたものの、
使われなかったマテリアルをまとめ、手を加えたもの。
2008年に死去したキーボーディスト、
リチャード・ライトへの追悼の意が込められている。

全18曲が収録されているが、ヴォーカル曲は1曲のみ。
あとは未使用音源という事で、
どれを取ってもフロイド節なのは間違いないが
短く断片的でアンビエント的な曲がほとんどなので
人にもよるだろうけど、
私は何度も聴こう、とはあまりならないかな…

そもそも、前作は歌モノとインストものに分けた
2枚組にしようという構想があったようで、
結局歌モノ中心の1枚ものとしてリリースされたので、
残ったのはインストばかりになったようだ。

ウォーターズ脱退後のリーダーシップをとってきた
ギルモアは、ピンク・フロイドのとしての
活動終了を明言。
その言葉通り、これ以降バンドとしての動きは無い。

だが残ったメンバー3人(初代ギタリスト、シド・バレットも
2006年に亡くなっている)は、
ソロ活動でピンク・フロイドの曲を演奏し続けている。

以上、オリジナル・アルバムについて
書かせていただきました!

は~、長かった…

編集盤、ライブ盤、メンバーのソロ等は
次回にしようと思います!

ではでは、
お付き合いいただきありがとうございました!

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おざきゆうすけン家の棚no.201 PINK FLOYD その①

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